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2011-09-28
ソース(記事原文):アイリッシュ・メディカル・タイムス
男性の下部尿路症状
アイリッシュ・メディカル・タイムス (2011年9月28日) ― ブライアン・ケリー博士(Dr Brian Kelly)、フランク・ダーシー博士(Dr Frank D’Arcy)、マーク・クインラン博士(Dr Mark Quinlan)、ファルハド・ケラドマンド博士、(Dr Farhad Kheradmand)、ナディーム・ヌスラト博士(Dr Nadeem Nusrat)、シェド・ジャフリー氏(Mr Syed Jaffry)は、前立腺肥大症(BPH)と下部尿路症状(LUTS)の診断および治療について検討を行っています。
BPHは男性によくみられる泌尿器疾患で、前立腺が肥大してLUTSが起こります。BPHの罹患率は年齢と共に高まり、40代の男性で40%、80歳以上の男性では90%にみられます。
実際のBPHの組織学的診断は、前立腺の平滑筋に増殖がみられることです。BPHによって膀胱出口部閉塞(BOO)が起こり、また平滑筋の増殖によって前立腺平滑筋の緊張と抵抗が高まります。BOOの合併症として、尿閉、反復性尿路感染症、腎不全などがあります。
男性は、排尿症状や蓄尿症状を呈して一般医を受診します。排尿症状とは、尿の勢いが弱い、排尿途中に尿が途切れる、排尿の終わり際に尿が滴下する、排尿開始までに時間がかかる、尿に血が混じるなどです。蓄尿症状には、頻尿、尿意切迫感、夜間の頻尿があります。また尿閉による恥骨上部痛がみられることもあります。中には、慢性尿閉にもかかわらず無症状の男性もいます。1日の水分摂取量と薬の使用歴を明らかにすることが大切です。
身体診察では、陰茎や睾丸の検査に加えて特に膀胱の拡張を調べる腹部診察のほか、前立腺を評価する直腸指診(DRE)を行う必要があります。前立腺の大きさを評価して、異常であれば指摘します。
可能であれば、排尿後の残尿量を評価してください。尿流率の測定により、グラフとして閉塞(すなわち尿流率の低下)が明らかになる場合があります。尿検査を常に実施して、LUTSの原因として感染症がないことを確認してください。通常の採血を行い、腎機能のほか適切であれば前立腺特異抗原(PSA)値を調べるため、採取した血液を検査に送ります。
PSA値は、前立腺癌、前立腺炎、感染症、尿閉などさまざまな条件で上昇します。PSA検査は患者の同意を得た場合に限り行ってください。PSA値が上昇していると侵襲的検査を行うことになり、患者の中にはそうした検査を苦痛に感じる人もいるからです。患者にPSA高値やDREでの異常所見が認められた場合は、泌尿器科専門医への紹介という選択肢について話し合う必要があります。
泌尿器科専門医は、経直腸的超音波(TRUS)ガイド下前立腺生検の実施という選択肢を患者に示す場合があります。これは、年齢に対してPSA値が高い、DREで異常所見が認められた、あるいは前立腺癌の家族歴がある男性において、悪性腫瘍ではないことを確認するためです。TRUSガイド下生検には、血尿、尿閉、尿路感染症、尿路性敗血症などの合併症リスクが多少あります。
国際前立腺症状スコア(International Prostate Symptom Score : IPSS)は簡単で有効な質問票です。この質問票は、蓄尿症状(頻尿、尿意切迫感、夜間の頻尿)および排尿症状(尿の勢いが弱い、排尿途中に尿が途切れる、排尿開始時にいきむ、排尿後の残尿感)のほか、それらが生活の質に与える影響について評価を行うものです。
スコアは最高35で、0~7は軽症、8~19は中等症、20以上は重症です。
またIPSSは、患者の治療に対する反応を経時的に評価するのに役立つツールでもあります。
前立腺は、腺組織と平滑筋(間質組織)から成る外分泌腺です。精液には精嚢液と精子に加えて、前立腺液が3分の1含まれています。男性ホルモン(アンドロゲン)のテストステロンは、その活性型であるジヒドロテストステロンを介して前立腺の制御に関与しています。
前立腺は膀胱頸部のちょうど末端部分に位置しており、クルミよりもやや大きいと言われています。この器官は、中心領域、辺縁領域、移行領域で構成されています。
治療薬
LUTSのある男性が利用できる治療法には、さまざまな選択肢があります。自身のLUTSが生活の質に影響していないと感じる男性の場合は、保存的アプローチをとります。このアプローチでは、ライフスタイルの改善を行うほか、定期検診でIPSSによる評価を繰り返し実施して、LUTSが進んでいないことを確認します。ライフスタイルの改善には、アルコールやカフェインの摂取量を減らす、就寝前の水分摂取量を減らす、二段排尿法を用いることなどが含まれます。
BPHの管理に使用する薬として、主にα遮断薬と5α還元酵素阻害薬の2つのグループがあります。α遮断薬とは、αアドレナリン受容体拮抗薬のことです。膀胱頸部と近位尿道には、α1アドレナリン受容体が高密度で存在しています。後シナプスα1アドレナリン受容体が過剰に刺激されると、膀胱頸部と近位尿道の収縮に加えて前立腺の平滑筋が収縮します。このため尿道の内腔が狭くなり、LUTSが生じるのです。α遮断薬を使用することで、この収縮を妨げます。
一般的なα遮断薬として、アルフゾシン、タムスロシン、シロドシンなどがあります。これらの薬はIPSSのスコアを最大30%低下させて、尿流率を最大25%高めますが、前立腺のサイズを小さくするわけではありません。
α遮断薬の副作用には起立性低血圧や逆行性射精などがあり、白内障手術を受ける患者では術中虹彩緊張低下症候群がみられることもあります。そのため、白内障手術待機中の患者にα遮断薬の投与を開始することは勧めません。α遮断薬は、その使用により4週間以内には症状の改善がみられます。
デュタステリドやフィナステリドなどの5α還元酵素阻害薬は、テストステロンがその活性代謝物であるジヒドロテストステロンに変換されるのを阻害します。
ただし、α遮断薬とは異なり5α還元酵素阻害薬は前立腺のサイズを小さくするため、効果が現れるのはさらに遅くなります。症状の改善がみられるまで少なくとも3カ月はかかります。
5α還元酵素阻害薬はIPSSのスコアを最大30%低下させて、前立腺のサイズを25%縮小させ、尿流率を高めます。また、この薬はPSA値を最大50%低下させることができます。このためPSA値を調べる場合、5α還元酵素阻害薬を6カ月以上服用している男性については、そのPSA値を2倍にして「真の」PSA値を算出する必要があります。実際、5α還元酵素阻害薬はα遮断薬とは異なり、時間の経過とともに急性尿閉リスクを低下させることができます。またBPHが進行したり外科的治療が必要になるリスクも減らします。
MTOPS試験では、α遮断薬、5α還元酵素阻害薬、プラセボのいずれかによる単独療法と、α遮断薬と5α還元酵素阻害薬の併用療法の比較検討が行われました。
併用療法は臨床的進行リスクを低下させ、症状の改善についても単独療法より優れていました。
外科的治療法
LUTSがある男性に対する外科的治療法として、経尿道的前立腺切除術(TURP)、光選択的レーザー前立腺蒸散術(PVP)、開放性前立腺摘除術などがあります。TURPでは、前立腺の移行領域組織を切除して組織学的分析に送ります。その際、ジアテルミーを用いて凝固を達成します。TURPはLUTSを最大70%改善させることが可能です。
通常、男性は3日間入院して、手術に先立ちクロピドグレルやワルファリンなどの抗凝固薬を中止する必要があります。TURPの合併症には、血尿、排尿困難、尿路感染症、膀胱頸部狭窄、尿道狭窄、逆行性射精、TURP症候群(低ナトリウム血症)、尿失禁などがあります。
最近ではレーザー手術が登場し、BPH治療における低侵襲技術としてTURPに取って代わりつつあります。レーザーPVPは患者を入院させて実施し、TURPによく似ていますが日帰り手術として行うことも可能です。患者のほとんどは、手術当日に排尿を試みて成功しています。PVPは、光ファイバー送達器具を用いて内視鏡的に実施します。レーザーが前立腺組織を速やかに蒸発させることで、閉塞を取り除きます。
またPVPは速いペースで発展しており、新しい機械によって手術時間が半分となっています。この手術法の合併症はゴールドスタンダードとされるTURPと似ています。ただし、手術前に経口抗凝固薬を中止する必要がないのが利点です。
もう1つの利点が費用です。PVPは日帰り手術として行うことが可能であり、患者の入院日数を減らすことで多大な保健サービス費を節約できる可能性もあります。この治療法の不利な点は、組織学的分析に送る組織を得られないことです。そのためPSA検査とDREを実施するとともに、必要に応じてTRUSガイド下生検を行ってください。
ゴールウェイ大学病院(Galway University Hospital)における実施経験
ゴールウェイ大学病院では、レーザーPVPを3年以上にわたり使用しています。この手術を受けた全患者のうち約25%には日帰り手術として実施しており、患者はいずれも排尿の試みに成功しています。これらの患者は病院で1泊することなく、抗凝固薬の継続的服用が可能です。また納税者にとって数泊の入院費の節約になります。
前立腺が非常に大きい男性の場合は、開放性前立腺摘除術が適応となるでしょう。
開放性前立腺摘除術の開発は、サー・ピーター・フライヤー氏(Sir Peter Freyer)(1851年~1921年)とテレンス・ミリン氏(Mr Terence Millin)(1903年~1980年)という2名のアイルランド人の泌尿器科医が先駆者でした。フライヤー氏は膀胱の切開部から前立腺を取り除き、一方ミリン氏は前立腺被膜を切開して、指による鈍的剥離によって前立腺腺腫を取り除きました。ミリン氏の方法は、60年経った今でも臨床現場で使用されています。
以上をまとめると、男性のLUTSは生活の質に多大な悪影響を与えます。慎重な病歴聴取と身体診察を実施すれば、BPHが原因であることを特定できます。保存的治療、薬物治療、外科的治療に対する患者の反応を経時的にモニタリングするには、IPSSのような質問票が有用なツールです。保存的治療または薬物治療によって症状を管理できない男性の場合、あるいはPSA高値やDREでの異常所見が認められた男性の場合は、速やかに泌尿器科専門医に紹介してください。
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