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2011-09-27
ソース(記事原文):ウェブMD
ノコギリヤシで前立腺肥大が治療できる?
ウェブMD(2011年9月27日)―良性前立腺肥大の症状を治療する際のノコギリヤシの効果は、プラセボに等しいことが研究で示されている。
デニス・マン(Denise Mann)著
ローラ・マーティン(Laura J. Martin)博士 監修
WebMD社による医療ニュース
前立腺肥大を有する男性は、排尿困難などの症状を軽減するためのノコギリヤシと呼ばれるサプリメントに長年にわたり関心を寄せてきた。
具体的に、どのようにしてノコギリヤシが症状を軽減すると考えられるようになったかは定かでないが、ノコギリヤシ(矮性ヤシの木)の果実は、広く使用され続けている。
今回新たな研究で、こうした症状を軽減する目的で、この人気サプリメントを高用量で用いたとしても、プラセボ(偽薬)と同等の有効性しかないことが明らかになった。
この研究は、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(米国医師会雑誌)に発表されている。
前立腺肥大の専門的名称は、良性前立腺肥大症(BPH)という。
良性前立腺肥大症(BPH)の症状を下記に挙げる。
・ 排尿困難
・ 尿勢減弱
・ 頻尿、特に夜間
・ 排尿後の残尿感
結果として、男性は尿路感染症を発症するリスクや、尿の流れが妨げられることで手術が必要となるリスクにさらされる。
ノコギリヤシかそれとも処方箋薬か?
そこでノコギリヤシを服用せずに、まずは処方箋薬に進むべきなのか?
そう早まることはない。「ノコギリヤシの服用にマイナス面はほとんどない。ただ、患者は効き目があると分かっている治療法を先送りにしている」と研究者ジェラルド・アンドリオル(Gerald Andriole)博士は述べている。同氏は、セントルイスにあるワシントン大学医学部泌尿器外科長で特別教授(Robert K.Royce)である。
一部の処方薬には、前立腺肥大の症状を治療するのに役立つものがある。具体例としてCardura(メシル酸ドキサゾシン)、Flomax(タムスロシン)、Hytrin(テラゾシン)、Uroxatral (アルフゾシン)などのαアドレナリン受容体遮断薬などがある。同剤は前立腺の筋組織を和らげ、尿流を増加させるのに有用である。
良性前立腺肥大症を治療するための別のタイプの薬剤には、5αレダクターゼ阻害薬がある。具体的にはAvodart (デュタステリド)やプロスカー(フィナステリド)などが挙げられる。同剤は、前立腺肥大を縮小するのに有用となり、さらなる増大を予防する可能性がある。もっとも、両タイプとも薬剤であるため使用に際してはリスクを考慮する必要がある。
前立腺肥大に関連する症状を軽減するため、手術を必要とする男性もいる。
「有効性の証明された治療法により、尿閉と手術の必要性が避けられるほか、尿路感染症の発症確率の低下が促される」とアンドリオル氏は述べている。
しかし、新たな研究によれば「ノコギリヤシを服用した場合、男性にはプラセボを服用した場合と同じ発症リスクがある」という。
本試験は中等度の症状を伴う前立腺肥大を有する45歳以上の男性300人超を対象とした。本試験に参加した男性に、ノコギリヤシエキス初回用量320mgか、プラセボのいずれかを投与した。
試験期間は72週間であった。時間経過とともに標準量の最高3倍(960mg)までノコギリヤシエキスを増量した。
両群(ノコギリヤシ群とプラセボ群)の男性には、わずかな改善がみられた。
つまり、頻尿などの前立腺のトラブルを軽減する際のプラセボの有効性はノコギリヤシと全く同等である。
アンドリオル氏は「ほぼ最大の至適投与量に近づけるよう試みたが、少なくともエキスを特別浸透させても何も変わらなかった」としている。
本試験で使用したノコギリヤシのサプリメントは、単一の製造業者によって供給されたものである。今回の結果が、市販の別のメーカーや他のノコギリヤシ製剤にも適用されるのか否かは分からない、と同氏は述べている。
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