■リスペリドンとして
以下の場合、リスペリドンを絶対に服用しないでください。
・昏睡状態の人: 昏睡状態を悪化させるおそれがあります。
・バルビツール酸誘導体などの中枢神経抑制剤の強い影響下にある人: 中枢神経抑制作用が増強されることがあります。
・アドレナリンを服用中の人
・リスペリドンに対し過敏症の既往歴のある人
【慎重服用】
・心・血管系疾患、低血圧またはそれらの疑いのある人: 一過性の血圧降下が現れることがあります。
・不整脈の既往歴のある人、先天性QT延長症候群の人またはQT延長を起こすことが知られている薬剤を服用中の人:QTが延長する可能性があります。
・パーキンソン病またはレビー小体型認知症のある人: 悪性症候群が起こりやすくなります。また錐体外路症状の悪化に加えて、錯乱、意識レベルの低下、転倒を伴う体位不安定などの症状が発現するおそれがあります。
・てんかんなどのけいれん性疾患、またはこれらの既往歴のある人: けいれん閾値を低下させるおそれがあります。
・自殺企図の既往および自殺念慮のある人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・肝障害のある人: 肝障害を悪化させるおそれがあります。
・腎障害のある人: リスペリドンの半減期の延長およびAUCが増大することがあります。
・糖尿病またはその既往歴のある人、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満などの糖尿病の危険因子を有する人: 血糖値が上昇することがあります。
・高齢者
・小児
・薬物過敏症の人
・脱水・栄養不良状態などを伴う身体的疲弊のある人: 悪性症候群が起こりやすいとされています。
【重要な基本的注意】
・治療初期にα交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧が現れることがあるので、少量から徐々に増量し、低血圧が現れた場合は減量など、適切な処置を行なってください。
・眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、リスペリドンの服用中は自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しないよう注意してください。
・興奮、誇大性、敵意などの陽性症状を悪化させる可能性があるので観察を充分に行ない、悪化がみられた場合にはほかの治療法に切り替えるなど適切な処置を行なってください。
・リスペリドンの服用により、高血糖や糖尿病の悪化が現れ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、リスペリドンの服用中は、口渇、多飲、多尿、頻尿などの症状の発現に注意するとともに、特に糖尿病またはその既往歴あるいはその危険因子を有する人については、血糖値の測定などの観察を充分に行なってください。
・低血糖が現れることがあるので、リスペリドンの服用中は脱力感、倦怠感、冷汗、ふるえ、傾眠、意識障害などの低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定などの観察を充分に行なってください。
・リスペリドンの服用に際し、あらかじめ副作用が発現することを充分に理解し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿など)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、ふるえ、傾眠、意識障害など)に注意し、このような症状が現れた場合には直ちに服用を中断し、医師の診断を受けてください。
・抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症などの血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態などの危険因子を有する人が服用する場合には注意してください。
【その他の注意】
・リスペリドンによる治療中、原因不明の突然死が報告されています。
・外国で実施された認知症に関連した精神病症状を有する高齢者を対象とした臨床試験において、リスペリドンを含む非定型抗精神病薬服用群は、そうでない群と比較して死亡率が1.6-1.7倍高かったとの報告があります。また外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告があります。
高齢者では錐体外路症状などの副作用が現れやすく、また腎機能障害を有する人では最高血漿中濃度が上昇し、半減期が延長することがあるので、少量から服用するなど、状態を観察しながら慎重に服用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。妊娠中の服用に関する安全性は確立していませんが、妊娠後期に抗精神病薬を服用した場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、ふるえ、筋緊張低下、易刺激性などの離脱症状や錐体外路症状が現れたとの報告があります。
授乳中の人が服用する場合は、授乳を中止してください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。
■トリヘキシフェニジルとして
以下の場合、トリヘキシフェニジルを絶対に服用しないでください。
・緑内障の人: 抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがあります。
・トリヘキシフェニジルに対し過敏症の既往歴のある人
・重症筋無力症の人: 抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがあります。
【慎重服用】
・前立腺肥大など尿路に閉塞性疾患のある人: 抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがあります。
・不整脈または頻拍傾向のある人: 症状が悪化するおそれがあります。
・肝または腎障害のある人: 症状が悪化するおそれがあります。
・高齢者
・高血圧の人: 症状が悪化するおそれがあります。
・高温環境にある人: 発汗抑制がおこりやすくなります。
・胃腸管に閉塞性疾患のある人: 抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがあります。
・動脈硬化性パーキンソン症候群の人: 精神神経系の副作用が起こりやすくなります。
【重要な基本的注意】
・トリヘキシフェニジルの服用中は、定期的に隅角検査および眼圧検査を行なうことが望ましいとされています。
・眠気、調節障害および注意力、集中力、反射機能などの低下が起こることがあるので、トリヘキシフェニジルの服用中は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しないように注意してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・トリヘキシフェニジルの服用は少量から開始し、観察を充分に行ない慎重に維持量まで増量してください。またほかの薬からトリヘキシフェニジルに切りかえる場合には、他剤を徐々に減量しながらトリヘキシフェニジルを増量することを原則とします。
高齢者は、せん妄、不安などの精神症状および抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘などが現れやすいため、慎重に服用してください。
妊娠中および授乳中の人の服用に関する安全性は確立していないため、服用しないことが望ましいとされています。
安全性が確立していないため、低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用させてください。
パーキンソン用剤はフェノチアジン系化合物、レセルピン誘導体などによる口周部などの不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しません。場合によってはこのような症状を悪化顕性化させることがあります。