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2013-10-15
ソース（記事原文）：メンズジャーナル
前立腺がんと闘う「脱毛症治療薬」
メンズジャーナル ― プロペシアにはがんと闘う作用も
がんの中でも米国男性に最も多いのが前立腺がんであり、6人中1人が一生に一度は前立腺がんの診断を受けます。ところで、一般的な脱毛症治療薬が低悪性度・低侵攻性の前立腺がんリスクを43パーセント下げることを、『NEJM（New England Journal of Medicine）』に発表の新しい研究が示しました。
研究は1990年代半ばに始まり、中年男性18,800人を追跡調査しました。そのうち半数の男性は、フィナステリドという薬を7年間服用しました。この薬はメルク社（Merck）の脱毛症治療薬『プロペシア』としてよく知られていますが、別の商品名で前立腺肥大の治療にも使用されています。残り半数の男性はプラセボを服用しました。この男性たちを18年後に調べたところ、フィナステリド群はプラセボ群と比べ、全タイプの前立腺がんの発症リスクが30パーセント低かったことが分かりました。また比較的成長が遅く低悪性度の前立腺がんの発症リスクについても、フィナステリド群のほうが43パーセント減少していました。高悪性度・侵攻性の前立腺がん発症リスクに関しては、プラセボ群と比べフィナステリド群でやや高かったものの、前立腺がんによる死亡リスクに差はありませんでした。そのうえ、前立腺がん発症の有無にかかわらず両群の男性の15年生存率は同じで、両群で前立腺がんと診断された男性らの10年生存率も同様の結果でした。補足ですが、プロペシア使用者の一部（メルク社の報告によれば1パーセント強）には勃起不全がみられることも分かっています。
高悪性度の前立腺がんは抑制できなくても、フィナステリドのおかげで低悪性度のがんの診断・治療は回避できるかもしれません。低悪性度の前立腺がんは、スクリーニングとしてのPSA検査が一般化したことでよく発見されるようになり、放置しておいても致命的となることは少ないタイプです。中には外科手術や放射線治療の実施を選択する男性もいますが、治療に伴い不快な性機能障害や泌尿器障害が起こることがあります。それに、今では多くの医師が勧めている経過観察でも、費用がかかるしストレスもかかるものです。「フィナステリドは命を救うわけではないけれど、QOLをおおいに高めてくれるでしょう」。この研究を率いた、テキサス大学健康科学センター（University of Texas Health Sciences Center）（サンアントニオ）の泌尿器腫瘍医イアン・トンプソン（Ian Thompson）はそう話します。「フィナステリドを服用しているなら」、前立腺がんと診断される可能性ははるかに低くなり、「日頃からPSA検査を受けている男性と変わらない期間の人生を生きられるでしょう」。
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