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2012-04-23

ソース(記事原文):ファミリープラクティス・ニュース

プロプラノロールが小児血管腫の標準治療とみなされる

ファミリープラクティス・ニュース(2012年4月23日)― サンディエゴ ― 現在、食品医薬品局が認可した小児血管腫の治療薬はないが、プロプラノロールが目下の標準治療であるようだと米国皮膚病学会 (the American Academy of Dermatology) 年次総会でアルフィ・クロール (Alfie Krol) 博士が述べた。

2008 年以来、プロプラノロールの小児血管腫への使用に関して 200 を超える学術論文が発表されてきた。「素晴らしい初期成績だ。血管腫の安定だけでなく縮小も生じ、概して安全だ」とポートランドのオレゴン健康科学大学の小児皮膚科教授であるクロール博士は述べた。「低血糖が報告されているが、これは最もよく見られる重篤な副作用だ」

他に、睡眠障害、手足の冷え、傾眠、高カリウム血症、胃食道逆流、虫歯などの副作用が報告されている。「おおむね良好な耐性を示している」とクロール博士。「懸念されている存在的副作用の 1 つは、喘息の家族歴がある患者の気管支けいれんだ。当センターではこの症例はないが、気を付けていなければいけない」

用量範囲は 1 日 1~3 mg/kg を 1 日 2 回または 3 回。通常の目標投与量は 1 日 2 mg/kg。「治療に必要な正確な期間は判明していない」とクロール博士は述べた。「積極的治療を 6 ヵ月経過前に中止した場合、再増殖したという報告があるので、幼児は 6 ヵ月が最短であろう。当センターでも同じ症例があった」

クロール博士はプロプラノロールを入院、外来ベースのどちらで開始するかについて、現在明確な意見の一致がないと言及した。「患者全員に治療開始を認める小児皮膚科もいるが、そのような医師はたいてい 1 日 1~2 mg/kg の投薬量を 48 時間で急速に増やす」とクノール博士。「また、治療開始前に心臓専門医が患者全員を診療し、患者全員に心エコー検査を行う病院もある。明らかなのは、患者は全員、バイタルサインの測定、心電図、心音聴診、そして初回投与から目標投薬量となるまで初診で最低 2 時間のバイタルサインの測定が必要だということだ」

オレゴン健康科学大学では、小児皮膚科クリニックは多くの場合「命または視力にかかわる病変でない限り」外来で開始する、とクロール博士。「1 日 0.5 mg/kg で開始し、1 週間で 1 日 1 mg/kg に増やし、2 週間かけて 1 日 2 mg/kg まで増やす。毎回来院時に適切な測定を行う」

リバウンドが生じることもあるが、「決して患者全員ではない」とクロール博士は続けた。「リバウンドが実際に生じても、たいてい部分的な再増殖のみである。(プロプラノロールは) これ以上繁殖をしない完全に成長した病理を縮小させることもあり、部位特異的効果があるようだ。鼻の先端の病理には奏効性が低いようだが、眼周囲および耳下腺病変は非常によく奏効するように思われる。全体的にこの薬は非常によく効く。初期の安全性が非常に高いようであり、全般的に (プロプラノロールは) 初期治療として経口ステロイドに取って代わったようである。この薬に我々が安心し、かつ全体的有効性があることで、大半の小児皮膚科医がこれを小児血管腫の第一選択薬として使用していることが示唆されるだろう。

これまで発表された中で最大の研究では、スペインとアルゼンチンの研究者らが患者 71 人の多施設試験を行い、プロプラノロールを 1 日 2 mg/kg、少なくとも 12 週間投与した (Pediatr. Dermatol.2011;28:94-8)。研究者らは、通常 4 週間以内にプロプラノロールの効果が急速に現れたことを見出した。この研究の主な副作用は興奮して寝付けないことで、患者 71 人のうち 10 人に見られた (14%)。

また、この薬は増殖期が過ぎても効果があるようだ。多施設レトロスペクティブ試験に、8施設の研究者らが、増殖が止まった小児血管腫患者 49 人または 12 歳以上の患者を登録した (Pediatr. Dermatol.2011;28:94-8)。写真の視覚的アナログ尺度 (VAS) を用い、回復を測定した。

治療期間は 1 ヵ月から 8 ヵ月と幅があるが、標準は 3.6 ヵ月である。VAS スコアは 6.8から2.6 に低下した。重篤な副作用は報告されず、研究者らはプロプラノロールは繁殖後段階でも血管腫治療に効果があり、その設定では第一選択薬とみなされるべきだ、と結論付けた。

マイアミ大学とマイアミ・チルドレンズ病院が行った別の公表された研究では、研究者らは小児血管腫患者 110 人においてプロプラノロールとコルチコステロイドの使用を比較した (Arch. Dermatol. 2011;147:1371-6)。研究者らは、プロプラノロール群患者の 82% が 75% 以上の好転をしたことを見出したが、ステロイド群では同じだけの好転をしたのは患者の 29% であった。「これはステロイドだけを使用するのに比べ、大きな向上だ」とクロール博士はコメントした。

プロプラノロールを服用している患者の 1 人に低血糖が見られたが、ステロイド群の患者は全員、少なくとも 1 つの副作用があった。研究者らはまた、プロプラノロール治療の費用がステロイド治療の約半分 (それぞれ 7.9 ヶ月で 205 ドル、5.2 ヶ月で 416 ドル) であることを見出した。研究者らは、プロプラノロールは小児血管腫の第一選択薬とみなされるべきだと結論付けた。

クロール博士は、より大規模で長期の研究が「長期の安全問題と起こり得る重篤な問題を特定するのに必要である」と述べた。

クロール博士はピエールファーブル社の有給の研究員をしていると開示した。


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