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2012-01-12
ソース（記事原文）：iolニュース
3歳の女児、生まれつきのあざに生命を脅かされるも克服
iolニュース（2012年1月12日）― ルイーズ・エクルズ(LOUISE ECCLES)
生まれつきのあざのせいで死に直面した3歳の女児が、英国での先駆的治療を試みる最初の患者となった末、ようやく笑顔を取り戻すことができた。
ミリー・フィールド(Millie Field)ちゃんが生まれたとき、顔面に小さな青い斑点がみられたが、助産婦は分娩中に起きた打撲として片付けた。
ところが、数日もすると大きな赤い病変が現れ、気管、顎、喉頭を締めつけて致死的となった。
医師の診断は、皮膚の血管に起因する良性腫瘍により生じたあざ、つまり血管腫であった。血管腫は急速に大きくなるので、ミリーのような重症例では気道が塞がれることがある。
生後3週間になる頃、ミリーは重度の呼吸困難で集中治療室に入った。
7時間にわたる手術で気管切開チューブが装着され、呼吸はできるようになったものの、声が出せなくなった。
両親の銀行員ミシェル(Michelle)さん37歳と、詐欺行為調査官スチュワート(Stuart)さん36歳は、精神的に打ちのめされ、娘が今後自力で呼吸したり、一人で歩いたり、笑ったりすることが不可能になるかもしれないという不安を抱いた。
「大きな悲しみの1つは、授乳や世話をしてあげることができなかったことと、泣き声や声を一度も聞けなかったことである」とエセックス州ロックフォード在住のフィールド夫妻は話す。
「腫瘍があらゆる部位に広がったことから、吸乳、嚥下、呼吸を同時にはできなかった。全てはあまりに速く進行した。初めて娘を手にしたときこの子の歩んでゆく未来を想像してみたが、次の瞬間にはそうしたことが全て夢のように感じられた」
ロンドンにあるグレート・オーモンド・ストリート病院(Great Ormond Street Hospital)の医師らは、腫瘍を縮小する目的でミリーに強力なステロイド薬を投与したが、ほとんど効果はなかった。
フィールド夫妻の娘が半年経っても依然として重体のまま入院しているなか、夫妻はフランスで実施されるプロプラノロール（β遮断薬）の治験について耳にした。同剤は従来から高血圧と心臓疾患の治療に用いられてきたものだが、血管腫を縮小させることが示されていた。
夫妻は「娘を担当している皮膚科医と耳鼻咽喉科専門医に相談してみたが、当時娘が肺炎に罹っており呼吸障害がみられたため、治験への参加は勧められなかった」としている。
「しかし、最終的に挑戦してみなければならなくなった。娘には苦痛を和らげるため定期的なモルヒネ投与が必要とされ、生活の質(QOL)などと呼べるものはなく、ただ悪化していくだけだった」
この賭けは見事報われた。ほぼ即座にミリーの症状は改善し始め、あざには縮小・消失の兆しがみえ、1週間以内に退院が許され帰宅した。
15歳の息子ベンの親でもあるフィールド夫妻は、「娘の生活は一変した。腫瘍はとてもヒリヒリするようで、触られたり、掴まれたりするのは相当な痛みを伴うため嫌がっていたのだが、今はキスしたり抱き締めたりしても問題なく、数日経つと娘は自分で頭を左右に振ることができるようになった」と話す。
とはいえ、ミリーの闘いはまだまだ続く。腫瘍によるダメージがあまりに大きく、昨年は一部の肋軟骨を用いて新たな気道を作らなければならなかった。2年間の治療を経て、昨年8月に薬の服用を中止し、今月は唇の再建術を受ける予定である。
フィールド夫妻は「口に損傷があるため、会話に多少の支障はあるものの、普通の3歳児ができるようなことは基本的に全てこなせる」としている。
「本能的に自分の娘を守ろうとしてしまうので、学校が始まったら周囲の人の反応がどうなるのか心配になることがある」
「私としては我が子が素敵な子に見える。他の少女たち同様に自分の人生を生きるチャンスを与えてもらえて本当に嬉しく思います」- デイリーメール(Daily Mail)誌
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