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2012-09-08
ソース(記事原文):JAAPA
中枢神経系の慢性痛:難題であり承認薬は数少ない
JAAPA(2012年9月8日)― メアリー・スタイン(Mary Stein)著
ネバダ州ラスベガス - 2012年疼痛学会(PAINWeek)の慢性痛と中枢神経障害に関するシンポジウムで、オールバニー(ニューヨーク)医療センターの総合疼痛センター責任者で神経内科学教授チャールズ・アーノルド(Charles E. Arnoff)博士は、中枢神経系病変の治療薬として明確に認可されている医薬品は現在わずかしかないと語った。数少ない研究の全てにおいて被験者数が少なく、中枢神経系における慢性疼痛の診断・治療に関する確かなデータがほとんど得られていないことから、臨床医にとって一層判断が困難となる。これは糖尿病性神経障害をはじめとする関連分野における研究が劇的に増加しているのとは対照的である。
アーノルド氏は、中枢神経系(脳・脊髄)をコンピュータの中央処理装置(UPC)にたとえ、中枢神経系は神経系の全情報を統合するとしている。中枢神経系の複雑さや治癒パターンの多様さゆえに、疼痛源を診断するのは困難であり、確かなデータもまだ少ない。例えば、脳卒中後に疼痛を認める患者を検討した研究はほとんどない。アーノルド氏は、中枢神経系の痛みの定義における大きな見直しは、機能障害の新たな定義となるとしている。また、「機能障害が存在するのは病変が体性感覚系内に認められる場合だけである」とも述べた。中枢性疼痛は主に次の3つからなる。1)刺激や接触により誘発される痛み、2)一貫した神経痛様の痛み(常時痛む)、3)自然発生的に生じる痛み。
「どこから痛みが生じているのかをどう証明するのか」という疑問点から、機能障害という用語の使用は前々から不確実とされている、と同氏は述べている。また、疼痛源または疼痛の存在は分かりにくいものでもある。例えば、脳卒中後の患者では明確に検出可能な感覚消失は認められない場合がある。中枢神経系損傷は最小から最大まで幅があるが、「必ずしも病変サイズが関連痛に影響を与えるとは限らない」とアーノルド氏は説明した。痛みの開始時期は遅れることがあり、初回損傷から6ヵ月後に現れることもある。その理由は、神経系が損傷すると、脳内ネットワークを繋げ直す過程での再構築が順調にいくこともあれば、うまくいかないこともあるからである。短絡回路という類推を用いると、患者は脳卒中後や神経損傷後に中枢性疼痛を認めることがあるものの、痛みは遅れて現れる場合もあり、最長1年後に生じることもある。
中枢神経系における疼痛の治療に用いられる薬剤には、ボツリヌス毒素A・B、バクロフェン、チザニジン、ガバペンチンなどがある。ガバペンチンは中枢神経系における疼痛の適応ではまだ認可されていないが、同剤の異なる2つの剤型が患者によっては役立っている。アーノルド氏らの地域医療センターでは300~400人の患者がバクロフェン鼻腔内投与を受けているが、痙縮を緩和させるだけでは痛みを止められないという。一部の患者では痛みが疾患の特徴の1つではない場合もあり、痛みについて問診されないこともある。例えば、脳卒中患者の80~90%が遅延痛を経験するが、それに関する質問や検査は行われないこともある。運動障害を認める患者には、どの程度快適な状態であるかを尋ねるのが重要となる。
オピオイドの使用に関しては、一定の結果は得られておらず、有益な場合も不利益な場合もある、と同氏は指摘している。短期間よりも長いスパンでのオピオイド使用を支持する研究は1つもない。また、リドカイン静脈内投与では一時的な緩和しか得られず、その後は皮膚症状しか緩和されない。
アーノルド氏によれば、脊髄損傷が胸部よりも上部に生じると、痙縮の起こる確率が高くなり、その場合はバクロフェン脊髄内投与が最も役立つと考えられる。 多発性硬化症患者に関して言えば、バクロフェンと非オピオイド非ステロイド性抗炎症薬(薬剤名:ziconatide)が役立つ場合もある。ただし、それを証明する確かな情報が不足している、と同氏はここでも強調している。深部脳刺激は脳卒中後の患者に役立つが、モニタリング(監視)と経過観察が不可欠になるという。
臨床医への全般的メッセージは、痛みについて患者に尋ねることと、その描写に耳を傾けることである。中枢神経系の複雑さにより、疼痛源は誤診断されやすくなる。多発性硬化症患者とパーキンソン病患者などの場合、中枢神経系と見かけ上の関連のない不可解な慢性痛を伴うことが時折あるが、実際には病気の一端であることを忘れないことが重要である。
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