以下の薬剤とラノキシン250mcgを併用しないことを原則とします。
・カルシウム注射剤(グルコン酸カルシウム水和物、カルチコール注射液、塩化カルシウム水和物など): 静脈注射により急激に血中カルシウム濃度が上昇すると、ジゴキシンの毒性が急激に出現することがあります。
・スキサメトニウム塩化物水和物(スキサメトニウム、レラキシン): 併用により重篤な不整脈を起こすおそれがあります。
以下の薬剤はラノキシン250mcgの作用を増強するので、併用する場合は充分に注意してください。
・解熱・鎮痛・消炎剤(インドメタシン、ジクロフェナクなど): ラノキシン250mcgの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告があります。
・トラゾドン: ラノキシン250mcgの血中濃度が上昇するとの報告があります。
・抗コリン剤(アトロピン系薬剤、プロパンテリンなど): 腸管運動を抑制し滞留時間が延長されるため、ラノキシン250mcgの吸収が増大し、血中濃度が上昇するとの報告があります。
・強心剤(アムリノン): 過度の利尿により低カルシウム血症が起こると考えられています。
・不整脈用剤(アミオダロン、キニジン、ピルメノール、フレカイニド、ピルジカイニド、プロパフェノン、ベプリジルなど): ラノキシン250mcgの腎排泄が抑制されることによる血中濃度上昇、あるいは薬力学的相互作用による刺激伝導抑制が現われることがあります。
・β遮断剤(プロプラノロール、アテノロール、カルベジロールなど): 薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発が現われることがあります。またカルベジロールではラノキシン250mcgの血中濃度が上昇したとの報告があります。
・カリウム排泄型利尿剤(チアジド系利尿剤、クロルタリドン、フロセミド、アセタゾラミドなど)、アセタゾラミド: 過度の利尿により、血中カリウム値が低下しやすくなるとの報告があります。
・スピロノラクトン: ラノキシン250mcgの腎排泄が抑制がされ、血中濃度が上昇するとの報告があります。
・血圧降下剤(レセルピン系薬剤): 薬力学的相互作用により、伝導抑制の増強、徐脈の誘発が現われることがあります。
・アンジオテンシンII受容体拮抗剤(テルミサルタン): ラノキシン250mcgの血中濃度が上昇するとの報告があります。
・カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンなど): ラノキシン250mcgの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告があります。
・フルバスタチン: ラノキシン250mcgの最高血中濃度の上昇が認められたとの報告があります。
・アトルバスタチン: P糖たんぱく質を介したラノキシン250mcgの排泄の抑制により血中濃度の上昇が示唆されています。
・ポリスチレンスルホン酸塩: 腸内のカリウムイオンとのイオン交換により、血中カリウム値が低下するとの報告があります。
・交感神経刺激剤(アドレナリン、オルシプレナリン、イソプレナリンなど): 薬力学的相互作用により不整脈が現われることがあります。
・プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ラベプラゾールなど): 胃酸分泌抑制作用によりラノキシン250mcg加水分解が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告があります。
・副腎皮質ホルモン剤: 副腎皮質ホルモンにより低カリウム血症が起こるためと考えられています。
・ビタミンD製剤(カルシトリオールなど): ビタミンD製剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられています。
・カルシウム経口剤、カルシウム含有製剤(抗カロリー輸液など): これらの薬剤により血中カルシウム値が上昇するためと考えられています。
・習慣性中毒用材(ジスルフィラム): ジスルフィラム-アルコール反応時に過呼吸により血中カリウム値が低下したとの報告があります。
・シクロスポリン: ラノキシン250mcgの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告があります。
・エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ガチフロキサシン水和物、テトラサイクリン: 腸内細菌叢への影響によるラノキシン250mcgの代謝の抑制、あるいはP糖たんぱく質を介したラノキシン250mcgの排泄の抑制により血中濃度が上昇するとの報告があります。
・アムホテリシンB、エンビオマイシン:これらの薬物により血中カリウム値が低下するためと考えられています。
・HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル): P糖たんぱく質を介したラノキシン250mcgの排泄の抑制により血中濃度が上昇するとの報告があります。
・化学療法剤(イトラコナゾール、スルファメトキサゾール、トリメトプリム): ラノキシン250mcgの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇するとの報告があります。
・抗甲状腺剤(チアマゾール、プロピルチオウラシル): 甲状腺機能の亢進の改善に伴い、クリアランスが正常になるため、ラノキシン250mcgの血中濃度が上昇するとの報告があります。
以下の薬剤はラノキシン250mcgの作用を減弱するので、併用する場合は充分に注意してください。
・カルバマゼピン: 併用後、ラノキシン250mcgの血中濃度の低下が認められたとの報告があります。
・コレスチラミン、コレスチミド、消化性潰瘍剤(スクラルファート水和物)、制酸剤(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなど): 消化管内での吸着により、ラノキシン250mcgの吸収を阻害し、血中濃度が低下すると考えられています。
・フラジオマイシン: ラノキシン250mcgの吸収が阻害され、血中濃度が低下するとの報告があります。
・リファンピシン: 肝薬物代謝酵素誘導により、ラノキシン250mcgの血中濃度が低下するとの報告があります。
・サルファ剤(サラゾスルファピリジン): ラノキシン250mcgの吸収が阻害され、血中濃度が低下するとの報告があります。
・甲状腺製剤(乾燥甲状腺、レボチロキシン、リオチロニン): 甲状腺機能低下の改善に伴いクリアランスが正常になるため、ラノキシン250mcgの血中濃度が低下するとの報告があります。
・アカルボース: 併用によりラノキシン250mcgの血中濃度の低下が認められたとの報告があります。
・セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品: ラノキシン250mcgの排泄が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、ラノキシン250mcg服用時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないように注意してください。
ラノキシン250mcgが以下の薬剤の作用を増強するので、併用する場合は充分に注意してください。
・ブピバカイン塩酸塩水和物: 薬力学的相互作用によると考えられています。
ラノキシン250mcgが以下の薬剤の作用を減弱するので、併用する場合は充分に注意してください。
・ヘパリン: 抗凝血作用に拮抗すると考えられています。
以下の薬剤は、ジギタリス中毒の症状を不顕化するおそれがあります。
・制吐作用を有する薬剤(スルピリド、メトクロプラミド、ドンペリドンなど): これらの薬剤の制吐作用のためラノキシン250mcgの中毒症状が判別しにくくなります。
上記の薬以外でも併用する際には事前に医師或いは薬剤師に確認し、安全性を確認してから併用するようにしてください。