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2013-10-18
ソース(記事原文):ニュースワイズ
プレガバリンはうつ病を併発している線維筋痛症患者の痛みも有意に改善
ニュースワイズ(2013年10月18日) ― 【サンディエゴ】―米国リウマチ学会年次総会(American College of Rheumatology Annual Meeting)(開催地サンディエゴ)にて10月29日発表の研究によると、プレガバリン(「リリカ・カプセルCV」)は、うつ病治療を行っている線維筋痛症患者の痛みも有意に改善するという。
線維筋痛症はよく見られる病気で、広範な痛みと圧痛が起こる(接触に敏感である)。この痛みと圧痛は現れたり消えたり、体のあちこちに移動したりする傾向がある。ほとんどの場合、この病気が慢性(長期)的に続いている患者は疲れ切って(非常に疲れて)おり、睡眠障害がみられる。それに、この病気はうつ病などの気分障害にも結びついている。事実、線維筋痛症患者の50~70%がうつ病歴を報告しており、約25%には抗うつ薬の服用歴がある。
線維筋痛症の治療薬として、米国、日本などの国で承認されているのがプレガバリンだ。しかし、プレガバリンと線維筋痛症に関する先行研究では「治療に抗うつ薬を使用」が除外基準とされていたため、うつ病治療で抗うつ薬を使用中の線維筋痛症患者を対象とした、疼痛治療におけるプレガバリンの有効性と安全性に関する情報は不足している。
「線維筋痛症の患者にはうつ病がよく見られます」。シンシナティ大学医学部(University of Cincinnati College of Medicine)(オハイオ州シンシナティ)の精神医学・行動神経科学教授で、今回の研究の筆頭研究者でもあるレスリーM.アーノルドMD(Lesley M. Arnold, MD)はこう説明する。「線維筋痛症の疼痛治療を求めて受診する患者は、その多くがすでにうつ病治療として抗うつ薬を服用しています。今回は、うつ病のために抗うつ薬も服用している線維筋痛症患者を対象に、疼痛治療におけるプレガバリンの有効性と安全性を評価した初の研究です」。
研究者らはこうした背景を踏まえて、うつ病治療中の線維筋痛症患者の痛みレベルにプレガバリンが影響を与えるか調べる試験をやり遂げた。試験には197人の患者が参加した(平均年齢50歳、白人女性が圧倒的多数)。患者の組み入れ基準は、「米国リウマチ学会による線維筋痛症の診断基準(1990ACR基準)を満たしている(触診圧痛点検査を含む)」、「数値化スケールで痛みの平均レベルが10のうち4以上(0=痛みが全くない、10=考えられるなかで最悪の痛み)」、「うつ病と診断された記録がある」、「抗うつ薬を安定した用量で服用している(セレクサ、レクサプロ、プロザック、パキシル、ゾロフトなどのSSRIか、サインバルタ、エフェクサー、プリスティークなどのSNRIのいずれか)」であった。抗うつ薬の使用は、試験期間を通して継続した。
試験期間は計14週だった。プレガバリンとプラセボのいずれかを服用する治療期間(6週)が2回あり、それら期間の間に休薬期間(2週)を設けた。各患者を、「最初の6週にプレガバリン、次の6週にプラセボを服用する群」と、「最初にプラセボ、次にプレガバリンを服用する群」のいずれかに無作為に割り付けた。試験のどの時点でも、自分がどちらの治療を受けているか知り得た患者はいなかった。プレガバリンは150mg/日で開始し、患者の反応に基づき3週が経過するまでに300~450mg/日に増量して、その用量を残りの治療期間にわたって継続した。
試験期間中に193人が少なくとも1回は試験薬を服用しており、プレガバリンを少なくとも1回服用したのは181人、同じくプラセボは177人だった。試験開始時、被験者の平均痛みスコアは6.7であった。このスコアはプレガバリン治療後に4.84、プラセボ治療後には5.45に低下した。プレガバリン治療は、プラセボと比べて患者の痛みを有意に改善した。
副作用については、プレガバリン服用中患者の77.3%、プラセボの59.9%で報告があった。プレガバリン治療中に最もよく見られた事象はめまい(28.2%)と眠気(19.9%)だった。重篤な有害事象の報告が計4件あり、うち3件はプレガバリン服用中、1件はプラセボ服用中の患者に発生したことから、研究者らは、これらの事象は治療と関連しないと結論付けた。副作用のため試験を完遂できなかったのは、プレガバリン服用中患者の6.1%に対しプラセボでは3.4%だった。
「この試験結果は、うつ病治療のため抗うつ薬も服用している線維筋痛症患者の疼痛緩和に、プレガバリンが有効で安全なことを証明しています」。アーノルド博士はそう話す。
米国リウマチ学会(ACR)は、世界中のリウマチ学者とリウマチ専門医9000人以上を代表する国際的な専門医学会だ。リウマチ学の進歩を、その使命としている。ACR/ARHP年次総会は、リウマチ学随一の会議である。会議の詳細については、サイト(http://www.acrannualmeeting.org/)にアクセスするか、ツイッター(公式ハッシュタグ:#ACR13)での会話に参加していただきたい。
編集者注:アーノルド博士は、ACR年次総会開催中の10月29日(火)午後2時30分に、サンディエゴ・コンベンションセンター6A室でこの研究を発表する予定である。博士は同日午後1時30分に、現地記者会見室27 ABで、メディアの質問に応じたり簡単な説明を行ったりする予定である。
線維筋痛症にうつ病を併発し抗うつ薬療法を並行している患者におけるプレガバリンの有効性と安全性:無作為化2方向クロスオーバー二重盲検プラセボ比較試験
レスリーM.アーノルド1、ピエルカルロ・サルジ‐プッチーニ(Piercarlo Sarzi-Puttini)2、ピエール・アーセノート(Pierre Arsenault)3、タヒラ・カーン(Tahira Khan)4、プリタ・バドラ・ブラウン(Pritha Bhadra Brown)5、アンドリュー・クレア(Andrew Clair)5、ジョセフ・ドリスコル(Joseph Driscoll)4、ジャレン・ランデン(Jaren Landen)4、及びリン・パウア(Lynne Pauer)4、1シンシナティ大学医学部(オハイオ州シンシナティ)、2アジェンダ・オスペダリエーラ・ポロ・ウニベルシタリオL.サッコ(Azienda Ospedaliera Polo Universitario L. Sacco)(イタリア、ミラノ)、3シャーブルック大学(Universit? de Sherbrooke)(ケベック州シャーブルック)、4ファイザー(Pfizer Inc)(コネチカット州グロトン)、5ファイザー(ニューヨーク州ニューヨーク)
背景と目的:線維筋痛症(FM)は慢性の広範な痛みを特徴とし、うつ病などの気分障害を伴うことが多い。FM患者のおよそ50~70%に併存のうつ病歴があり、25%までに抗うつ薬治療歴がある。プレガバリン(PGB)は、米国、日本などの国でFM治療薬として承認されている。PGBとFMに関するこれまでの臨床試験では「抗うつ薬療法の併用」を除外していたため、うつ病とFMを認める患者において抗うつ薬療法にPGBを追加することの有効性と安全性に関する情報は不足している。
方法:本試験はPGBの無作為化2方向クロスオーバー二重盲検プラセボ比較試験であり、FMにうつ病を併発し、うつ病治療でSSRI又はSNRIいずれかによる抗うつ薬療法を並行して受けている患者を対象とした。患者らは18歳以上で、FMの1990ACR基準を満たし、数値化スケール(NRS)の平均痛みスコアが4以上(0から10で採点)、うつ病と診断された記録があり、無作為化前の2カ月にわたり安定量でSSRI又はSNRI治療を受けていた。患者全員を、最初の治療期間(6週)にPGBを服用する群かプラセボを服用する群に1対1で無作為に割り付け、次の治療期間(6週)には、PGB群はプラセボ服用に、プラセボ群はPGB服用に切り替えた(PGBは300mg/日か450 mg/日に最適化し、どちらの治療期間も最初の3週で用量を最適化、残り3週は固定用量とした)。単盲検でPGBを漸減するか、プラセボを中止する休薬期間(2週)で、2つの治療期間を隔てた。安定している抗うつ薬療法は、試験期間を通して継続した。有効性の主要評価項目は、最終7日間の痛みスコアの平均に基づく平均痛みスコアとした。
結果:計197人(女性93%、白人94%、平均年齢50歳)をいずれかの治療群に無作為に割り付けたところ、PGBを少なくとも1回服用したのは181人、プラセボは177人だった。うつ病と診断されてからの平均期間は12.3年であり、ベースラインの平均「HAD尺度(Hospital Anxiety and Depression Scale)うつ病スコア」は、軽度うつ病を反映する8.0であった。ベースライン時、52.3%がSSRI、47.7%がSNRIを服用しており、平均痛みスコアは6.7だった。治療終了時、最小二乗(LS)平均(SE)の痛みスコアはプラセボ(5.45 [0.16])と比べPGB(4.84 [0.15])で有意に低下していた(LS平均の差-0.61;95%信頼区間-0.91から-0.31;p=0.0001)。治療下で発現した有害事象(AE)については、PGB服用中とプラセボ服用中患者のそれぞれ77.3%、59.9%が報告した。PGB治療で最もよく報告されたAEは、めまい(28.2%)と傾眠(19.9%)であった。計4件の重篤なAEが報告されたが(PGBで3件、プラセボで1件)、いずれも治療との関連性はないと判断された。AEのため治療を中止したのは、PGB服用中の患者では6.1%だったのに対し、プラセボ服用中では3.4%だった。
結論:FMにうつ病を併発し抗うつ薬療法を並行している患者において、PGBをプラセボと比較したところ、PGBはFMの痛みを有意に改善した。この患者集団におけるPGBの安全性プロファイルは、先行研究及び現在の製品添付文書と矛盾しなかった。
利益相反の情報開示:L. M.アーノルド…ファイザー、イーライリリー・アンド・カンパニー(Eli Lilly and Company)、武田薬品工業(Takeda)、アストラゼネカ(AstraZeneca)、フォレスト・ラボラトリーズ(Forest Laboratories)、テラバンス(Theravance)、ファイザー、大日本住友製薬(Dainippon Sumitomo Pharma)、第一三共(Daiichi Sankyo)、テラバンス、パデューファーマ(Purdue Pharma L.P.)、ファイザー;P.サルジ‐プッチーニ…アッヴィ(Abbvie)、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(Bristol-Myers Squibb)、MSD(Merck Sharp and Dohme)、ファイザー、ロシュ(Roche Pharmaceuticals);P.アーセノート…ファイザー、ヤンセンファーマ(Janssen Pharmaceutica Product, L.P.)、ダイエックス・リサーチ(Diex Research)、ファイザー、ヤンセンファーマ、パデューファーマ、バリアント(Valeant)、イーライリリー・アンド・カンパニー;T.カーン…ファイザー、ファイザー;P.バドラ・ブラウン…ファイザー、ファイザー;A.クレア…ファイザー、ファイザー;J.ドリスコル…ファイザー;J.ランデン…ファイザー、ファイザー;L.パウア…ファイザー、ファイザー
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