トリマ300mgはオーロリクス/マネリックスのジェネリックです。
オーロリクス/マネリックスは、モクロベミドを有効成分とする抗うつ剤で、ヨーロッパではAURORIX(オーロリックス)、イギリスやカナダではMANERIX(マネリックス)という商品名でROCHE(ロシュ)社が発売しています。
モクロベミドは、RIMA(Reversible Inhibitors of Monoamine oxidase type A)型、あるいは選択的MAO-A阻害剤と呼ばれている、MAO阻害薬を進化させた新しい抗うつ剤の一種です。
モクロベミドは、モノアミン酸化酵素のうちタイプAを優先的に阻害します。これにより、セロトニンなどの代謝を減少させ、細胞外にある神経伝達物質の濃度を増加させます。
トリマ300mgは、うつ病、社会恐怖症、慢性疲労症候群、パニック障害などの治療に用いられています。
新しいという意味ではSSRI系の抗うつ剤も新しいですが、脳内セロトニン濃度を上げるためのアプローチの方法に大きな違いがあります。
SSRIは、セロトニンの再吸収口をブロックすることで脳内セロトニン濃度を上昇させます。この方法ではセロトニンの絶対量は増えませんが、それに対してRIMAは分解酵素を阻害する事によりセロトニンの絶対量を増やす働きをします。
どちらが優れているか、という問いに結論は出ていませんが(患者の症状・体質によって異なるため)、いずれにおいても副作用が少ないという大きなメリットは、新世代の抗うつ剤と呼ぶにふさわしいものと考えられています。
トリマ300mgの服用をはじめ、例え効果が見られないように感じても、自分の判断で止めたりせず、医師の指示に従って、抑うつ症候群の場合、4~6週間は服用を続け、期待される効果について経過を観察する必要があります。また、社会恐怖症の場合、8~12週間は服用を続ける必要があります。
また、トリマ300mgの効果は継続的に使用することで維持されることが分かっていますので、重度の症状においては、さらに長期的な使用の判断が必要になってきます。