有効成分であるラミブジン、スタブジン(サニルブジン)、ネビラピンのいずれかに過敏症であり、重篤な過敏症反応がある人におけるトリオミューン30の使用は禁忌とされています。
トリオミューン30の服用によって1日400mgのネビラピンが摂取されることになります。
そのためネバピリン服用を開始したばかり(1日200mgの初期服用期間中)の患者へトリオミューン30使用は禁忌とされています。
【ネビラピン服用における注意】
ネビラピン服用開始6週間以内にスティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死などの致命的となる重篤な皮膚反応や、発疹、他のさまざまな症状、臓器不全に特徴づけられる過敏症反応の発現が多く報告されています。
服用によって重篤な皮膚反応や深刻な発疹、及び熱、水疱、口内の病変、結膜炎、顔面の浮腫、肝炎、好酸球増加、顆粒球減少、リンパ節腫、腎機能不全等を伴った発疹などの過敏症状が現れた場合には服用をただちに中断し、医療機関による診断を受ける必要があります。
また、このような症状が発現した場合にはネビラピンの服用の再開はできません。
ネビラピン療法は、1日200mgの初期服用を14日間継続することから始めます。
この14日間の間にネバピリンが原因と思われる発疹がみられた場合には肝機能テストの実施が必要となり、SGOT値、及びSGPT値の上昇が確認された場合にはネビラピン療法の継続は不可能となります。
ネビラピン初期服用期間中に発疹が現れた場合、トリオミューン30の使用とネビラピン服用量の増量は発疹が完全に消失してから開始します。
深刻な発疹が現れた場合には容態を伸長に観察する必要があります。
ネビラピン服用による発疹の発現は女性により多く見られますが、ネビラピン服用を原因とする発疹の発現を阻害するためにプレドニゾンを使用することは適切でないとされています。
・肝臓における影響
ラミブジンとスタブジン(またはサニルブジン)
ラミブジンとスタブジン(またはサニルブジン)などのヌクレオシド類似体の単独使用、或いは併用によって、乳酸性アシド―シスや脂肪肝を伴う重篤な肝腫大が報告されています。
これらの症状の発現の頻度は高くありませんが、スタブジン(またはサニルブジン)を含んでいる抗レトロウイルス薬の併用によって発現が誘発されている可能性があり、また女性、肥満、及び長期間のヌクレオシド治療などもその要因と考えられています。
疲労、消化器系の症状(吐き気、嘔吐、腹痛、原因不明の急激な体重減少)、呼吸器系の症状(頻呼吸、呼吸困難)、神経症状(四肢運動・感覚障害)などは乳酸性アシド―シスの可能性があります。
乳酸性アシド―シスや肝毒性(肝腫大、脂肪肝及びトランスアミナーゼの異常な上昇など)が疑われる患者には、ラミブジン服用による治療を中断する必要があります。
ネビラピン
ネビラピン服用によって劇症の胆汁うっ帯性肝炎、肝懐死、肝機能不全といった深刻で致命的となる肝毒性が報告されています。
肝毒性はネビラピン服用開始後のいずれかの時点でも発症しますが、服用開始から6週間以内の発症が特に多いと言われています。
治療中に肝炎の兆候や症候がみられる患者においてはトリオミューン30の使用を中断し、肝機能テストを含めた診断をすることが適切です。
特にCD4(免疫機能の指標値)が高い女性やSGOT値、及びSGPT値の上昇、或いはB型、C型肝炎を併発している人は肝臓障害を発症しやすいとされています。
特に治療開始時から最初の18週間においては肝機能テストの実施など細心の注意が払われる必要があり、また治療の過程においては患者の容態を注意深く観察し、肝毒性の症状が認められた時点で肝機能テストを実施する必要があります。
また、治療開始時から最初の18週間以内に発疹が現れた患者においても肝機能テストの実施は必要です。
治療中の肝毒性の診断は肝機能テストの結果のみによるものではなく、疲労、倦怠感、食欲減退、吐き気、黄疸、ビリルビン尿症、無胆汁便、肝圧痛、肝腫大等の症状をも考慮に入れてなされる必要があります。
肝炎が発現した場合トリオミューン30の使用は中止されなくてはなりません。
以下に該当する人のトリオミューン30の服用は適切ではないとされています
- 肝機能不全 (重篤な肝機能不全者におけるネビラピン値の上昇とネビラピンの蓄積)
- 腎機能不全 (ネビラピンの服用量が必要)
- B型肝炎 (ラミブジンに耐性型のB型肝炎の発現、及び肝炎の増悪)
- 授乳中 (ネビラピンの母乳への排出)
- 小人 (安全性未確定)
トリオミューン30(ラミブジン/スタブジン(またはサニルブジン)/ネバピリン)などの抗レトロウイルス薬の服用によって、軽度から重度の膵炎や脂肪の体内蓄積などが現れる場合があります。
妊婦、胎児におけるトリオミューン30の安全性は確立されていないため、トリオミューン30の使用は医師によって危険性が安全性を上回ると判断された場合に限り使用してください。
ジタノシンを含んだ療法の一部としてスタブジン(またはサニルブジン)を服用した場合、軽度から重度の膵炎が発症する可能性があります。
スタブジン(またはサニルブジン)の服用による手足のしびれや刺痛などの末梢神経障害が報告されていますが、これらは病状が進行した患者や神経毒性の治療を並行して行っている患者においてみられる傾向があります。
抗レトロウイルス療法が有効である期間は限られています。
治療を受けていても日和見感染やHIV感染の合併症が発症することがあるため、HIV感染専門家による綿密な容態観察が必要とされます。
療法の一部としてのネビラピンの使用は注意を持って行ってください。
他の疾患などで医療機関に罹る場合には、医師にトリオミューン30を使用していることを伝えてください。
薬品、食品、保存料、着色料などに過敏症である場合は、使用前に医師に連絡してください。
処方された用途以外での使用はせず、また他人との共用もお避けください。
使用期限を超過したもの、及び外装の損傷が認められる場合には使用をお避けください。