【警告】
・すい炎を発症する可能性のある小児(すい炎の既往歴のある小児、すい炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている小児)では、ラミビル150mgの服用を考える場合には、ほかに充分な効果の認められる治療法がない場合にのみ充分注意して行なってください。これらの人ですい炎を疑わせる重度の腹痛、悪心、嘔吐など、または血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセライドなどの上昇が現われた場合は、ラミビル150mgの服用を直ちに中止してください。
・B型慢性肝炎を合併している人は、ラミビル150mgの服用中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、ラミビル150mgの服用を中断する場合には充分注意してください。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意してください。
以下の場合、ラミビル150mgを絶対に服用しないでください。
・ラミビル150mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
以下の場合、ラミビル150mgを慎重に服用してください。
・腎機能障害(クレアチニンクリアランスが50ml/分未満)のある人: 高い血中濃度が持続するので、クレアチニンクリアランスを測定し、減量するか、または服用間隔を延長してください。
・高齢者: 高齢者は腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがあるため、状態を観察しながら慎重に服用してください。
・妊婦、授乳婦: 妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、ほかの神経疾患も報告されています。またラミビル150mgの成分が乳汁中に排泄され、血清中の濃度と同じであることが報告されているため、授乳中の人はラミビル150mgの服用中は授乳を避けてください。
重要な基本的注意
・ラミビル150mgはHIV感染症の根治治療薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、ラミビル150mgの服用開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告してください。
・ラミビル150mgを含む現在の抗HIV療法が、性的接触または血液汚染を介した他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていません。
・ラミビル150mgを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の単独服用またはこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸など)、肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されているので、乳酸アシドーシスまたは肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、ラミビル150mgの服用を中止してください。特に肝疾患の危険因子を有する人は注意してください。
・抗HIVの使用により、体脂肪の再分布/蓄積が現われることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。
・ラミビル150mgを含む抗HIV薬の多剤併用療法を行なった人で、免疫再構築症候群が報告されています。服用開始後、免疫機能が回復し、症候症のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチスなどによるもの)などに対する炎症反応が発現することがあるので、これらの炎症性の症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮してください。
・すい炎を発症する可能性のある小児(すい炎の既往歴がある、すい炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている小児)では、ラミビル150mgの適用を考える場合には、ほかに充分な効果の認められる治療法がない場合にのみ充分注意して行なってください。また成人でもすい炎が発生する可能性があるので、血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセライドなどの生化学的検査を定期的に行ない、これらの検査値の上昇がみられた場合には、ただちにラミビル150mgの服用を中止してください。また重度の腹痛、悪心、嘔吐などの症状がみられた場合にもただちにラミビル150mgの服用を中止し、性化学的検査(血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセライドなど)および画像診断などによる観察を充分行なってください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・ラミビル150mgは単独服用しないでください。またヒト免疫不全ウイルス(HIV)は感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、ほかの抗HIV薬と併用してください。
小児などにおけるラミビル150mgとほかの抗HIV薬との併用服用の安全性および有効性は確立されていないため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
遺伝毒性試験において弱い染色体異常誘発作用を示したとの報告があります。
長期のがん原性試験において、発がん性を認めなかったとの報告があります。