デソウェンは、アトピー性皮膚炎による赤み・腫れ・痒みなどの不快感を緩和するための薬です。
デソウェンの有効成分・デソニドは、糖質コルチコイドまたはグルココルチコイドと呼ばれる副腎皮質ホルモンのひとつで、中程度の抗炎症効果を持っています。
副腎皮質ホルモンは、糖質コルチコイド、電解質コルチコイド(または鉱質コルチコイドやミネラルコルチコイド)、性ホルモンの三種類に分類されます。
糖質ホルモンは、グリコーゲンからブドウ糖を作ったり蛋白質を分解したりする働きを持っていますが、ほかの副腎皮質ホルモンと比較した場合、糖質ホルモン自体に免疫を制御したり炎症を鎮め、皮膚再生を活性化させる作用があり、アトピー性皮膚炎の治療薬として 広く使用されています。
アトピー性皮膚炎は、皮膚の炎症や湿疹を伴いアレルギー反応とも関連がある先天性過敏症の一種です。
発症原因は不明とされていますがじんましんの様な即時型アレルギーと遅延型アレルギーが複雑に関与していると考えられています。
一般的にアトピー性皮膚炎体質の人は肌が弱く衣服・化粧品・洗剤などから接触性皮膚炎を起こしやすい事が知られていますが、それらのアレルギー反応を起こしやすい個所で炎症が慢性化・治難化してしまったり、円形脱毛症や感染症(伝染性膿痂疹、伝染性軟属腫など)、眼科疾患(白内障、網膜剥離)などの合併症を併発する事もあります。
また家族内発生がみられる事や、気管支喘息などほかのアレルギー疾患を持つ場合が多いため、遺伝的要因が示唆される場合もありますが、発展途上国に患者が少なく近代化に従って患者数が増加している事や、環境変化によって急激に湿疹や痒みの症状が悪化しやすい事など、遺伝的要因だけで説明できない事例も多いため、環境要因も非常に大きく関係していると考えられています。