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2013-04-12

ソース(記事原文):腫瘍学リポート

デキサメタゾンが終末期の癌に関連した倦怠感を緩和

腫瘍学リポート(4月12日)― オンコロジー・レポート・デジタル・ネットワーク(Oncology Report Digital Network)のパトリス・ウェントリング(PATRICE WENDLING)著

ニューオーリンズ ― デキサメタゾンは、癌に関連した倦怠感の緩和においてプラセボよりも高い効果を示すことが、進行癌患者を対象とした二重盲検無作為化試験で示された。

治療から14日後、慢性疾患患者の倦怠感サブスケール(FACIT-F:Functional Assessment of Chronic Illness Therapy - fatigue)のスコアが、デキサメタゾン群で約6点改善した(9.0対3.1、P = 0.008)。

米国ホスピス緩和医療学会(AAHPM:American Academy of Hospice and Palliative Medicine)年次総会でスリラン・イェンヌ(Sriram Yennu)博士は「今回の患者集団では[治療]期間が極めて重要となる。なぜなら、患者側から指摘されるときでは遅すぎるからである。一般に、生存期間は28日~7日にすぎない」と語った。

緩和ケア患者の20%~50%は一部の副腎皮質ステロイドを投与されるが、現在までのステロイド試験では、主要評価項目として癌関連倦怠感(CRF)を用いたものはなく、検証済み結果判定法を用いて癌関連倦怠感を評価したものもない、と同氏は述べている。しかし、進行癌患者において倦怠感は終始存在し、症状苦悩のうちの最高3分の1の原因となっている。

本試験では、平均余命が4週間以上で、癌に関連した症状(倦怠感、疼痛、悪心、食欲不振、うつ病、不安、または睡眠障害)を3つ以上伴う外来患者132人を登録し、1日2回の経口デキサメタゾン4mg、またはプラセボのいずれかを14日投与する群に無作為に割り付けた。

主な診断の内訳は、頭頸部/肺癌が45人、胃腸癌39人、乳癌13人、尿生殖器癌10人であった。患者年齢の中央値は60歳で、白人が81人、平均FACIT倦怠感スコアは19.6、倦怠感なしが52人、重度の倦怠感は0人であった。

ヒューストンにあるテキサス大学(University of Texas)MDアンダーソンがんセンター緩和ケア・リハビリテーション医学部門に属するイェンヌ氏によれば、評価可能となった患者84人におけるFACIT総スコアは、デキサメタゾン群の方が優れており(18.16対7.87、P = 0.03)、身体的サブスケールのスコアも同様であった(5.25対1.32、P = 0.002)。

エドモントン症状評価スケール(Edmonton Symptom Assessment Scale:ESAS)の身体的項目のスコアは、デキサメタゾン群の方がプラセボ群よりも良好であった(-10.15対-5.39、P = 0.04)。以上、若手研究者イェンヌ氏が受賞した研究で明らかにされた。

デキサメタゾン群とプラセボ群のスコアが同程度であったのは、FACITの感情的サブスケール(1.85 対. 1.18; P = .49)と、ESAS心理的サブスケール (-1.48 対. -2.08; P = .76)であったことが注目される。FACIT-Fの感情的項目は、0~4の評価範囲を用いて6項目を評価するもので、0は「全くない」を示し、4は「病気と闘う希望を失っている」などの文からなる。今回の結果から、倦怠感の改善は、以前に他のステロイド試験で観察されたように、単に陶酔感の作用だけではない可能性の高いことが示唆される、とイェンヌ氏は述べている。

同氏は副腎皮質ステロイドの使用は毒性(特に不眠)を高めるのではないかという懸念を示した。しかし、不眠(3対4)、全体の有害事象(41対44)、または重篤有害事象(17対11)に関して、デキサメタゾン群とプラセボ群との間に有意差は認められなかった。

より大規模な長期的安全性と有効性の試験を実施し、ステロイドの投与量と投与期間のほか、心理的項目を的に絞った介入との併用でデキサメタゾンを用いるべきかどうかを検討する必要がある、と同氏は述べている。FACITにおける3点差は臨床的に重要であると考慮されているが、医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncology)に最近刊行されたイェンヌ氏らの研究では10点差の方が臨床的意義のあることが示唆されている。

米国がん協会(American Cancer Society:ACS)は本研究を支持している。イェンヌ氏は利益相反状態がないと報告した。


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