以下の場合、サインバルタ30mgを絶対に服用しないでください。
・サインバルタ30mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を使用中あるいは使用中止後2週間以内の人
・高度の肝障害のある人: 肝障害が悪化することがあります。また消失半減期が延長し、デュロキセチンの血中濃度が上昇することがあります。
・高度の腎障害のある人: デュロキセチンの血中濃度が上昇することがあります。
・コントロール不良の閉塞隅角緑内障の人: 症状が悪化することがあります。
【慎重服用】
・前立腺肥大症など排尿困難のある人: ノルアドレナリンの再取り込み阻害作用により症状が悪化することがあります。
・高血圧または心疾患のある人: 心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼが現れることがあります。
・軽度から中等度の肝障害のある人: 肝障害が悪化することがあります。また消失半減期が延長し、デュロキセチンの血中濃度が上昇することがあります。
・過度のアルコール摂取者: 肝障害が悪化する可能性があります。
・軽度から中等度の腎障害のある人: デュロキセチンの血中濃度が上昇することがあります。
・自殺念慮または自殺企図の既往のある人、自殺念慮のある人: 自殺念慮、自殺企図が現れることがあります。
・躁うつ病の人: 躁転、自殺企図が現れることがあります。
・脳の器質障害または統合失調症の素因のある人: 精神症状が増悪することがあります。
・てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある人: けいれんを起こすことがあります。
・出血性疾患の既往歴または出血性素因のある人: 出血傾向が増強することがあります。
・高齢者
・小児など
【重要な基本的注意】
・うつ症状を呈する人は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような人は服用開始早期ならびに使用量を変更する際には状態および病態の変化を注意深く観察してください。なお、うつ病・うつ状態以外でサインバルタ30mgの適応となる疾患においても自殺企図のおそれがあり、さらにうつ病・うつ状態を伴う場合もあるので、このような人は注意深く観察しながら服用してください。
・不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病などが現れることが報告されています。また因果関係は明らかではありませんが、これらの症状・行動を来たした症例において、基礎疾患の精神症状の悪化または自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されています。状態および病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行なってください。
・自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる人が処方する場合には、1回分の服用日数を最小限にとどめてください。
・家族などは自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性などの行動の変化および基礎疾患の精神状態の悪化が現れるリスクなどについて充分に理解し、医師と緊密に連絡を取り合うようにしてください。
・肝機能障害が現れることがあるので、適宜肝機能検査を行なうとともに、症状を充分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬または中止するなど適切な処置を行なってください。
・心拍数増加、血圧上昇、高血圧クリーゼが現れることがあるので、適宜血圧・脈拍数などを測定し、異常が認められた場合には、減量、休薬または中止するなど適切な処置を行なってください。特に高血圧または心疾患のある人に対しては定期的に測定してください。
・眠気、めまいなどが起こることがあるので、サインバルタ30mgの服用中は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しないように注意してください。
・服用中止(特に突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚(電気ショック様感覚を含む)、頭痛、悪心および筋痛などが現れることが報告されています。服用を中止する場合には、突然の中止を避け、状態を観察しながら徐々に減量してください。
・糖尿病性神経障害に伴う疼痛の場合
1)サインバルタ30mgによる治療は原因療法ではなく対症療法であることから、糖尿病の治療を併せて行なってください。
2)サインバルタ30mgの服用により血糖値上昇・HbA1c上昇など、糖尿病が悪化することがあるので、血糖値の推移などを慎重に観察するとともに、必要に応じて糖尿病治療薬の用量調節を行なってください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・抗うつ剤の使用により、24歳以下の人で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、サインバルタ30mgの服用にあたっては、リスクとベネフィットを高所してください。
・海外で実施された7-17歳の大うつ病性障害の人を対象としたプラセボ対照臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告があります。サインバルタ30mgを18歳未満の大うつ病性障害の人が服用する際には適応を慎重に検討してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・サインバルタ30mgの使用量は必要最小限となるよう、慎重に観察しながら調節してください。
【その他の注意】
・海外で実施された大うつ病性障害などの精神疾患を有する人を対象とした、デュロキセチンを含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の人では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤使用群でプラセボ群と比較して高かったとの報告があります。なお、25歳以上の人における自殺念慮や自殺企図の発現リスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少しました。
・主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤および三環形抗うつ剤を含む抗うつ剤を使用した人で、骨折のリスクが上昇したとの報告があります。
高齢者では薬物の消失が遅延し、血漿中濃度が上昇することがあるので、状態を観察しながら慎重に服用してください。
高齢者においては、以下の点に注意してください。
1)低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の危険性が高くなることがあります。
2)めまいなどにより転倒を起こすことがあります。
妊娠中の服用に関する安全性は確立していないため、妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ使用してください。
妊娠末期にSNRI、SSRIを使用した婦人が出産した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後に現れたとの報告があります。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調整障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、ふるえ、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣き、が報告されています
授乳中の人の服用は避けることが望ましいとされていますが、やむを得ず授乳する場合には授乳を避けてください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する有効性および安全性は確立していません。
海外で実施された7-17歳の大うつ病性障害の人を対象としたプラセボ対照の臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告があります。