以下の場合、クレストール10mgを絶対に服用しないでください。
・クレストール10mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・肝機能が低下していると考えられる以下のような人
急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝がん、黄だん: これらの人においては、クレストール10mg血中濃度が上昇するおそれがあります。またクレストール10mgは主に肝臓に分布して作用するので、肝障害を悪化させるおそれがあります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳婦
・シクロスポリンを使用中の人
以下の場合、使用しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に服用してください。
・腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる人が、クレストール10mgとフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用してください: 横紋融解症が現れやすくなります。
【慎重服用】
・腎障害またはその既往歴のある人: 重度の腎障害のある人では、クレストール10mgの血中濃度が高くなるおそれがあります。一般にHMG-CoA還元酵素阻害剤使用時にみられる横紋筋融解症の多くが腎機能障害を有する人であり、また横紋筋融解症に伴って急激な腎機能悪化が現れることがあります。
・アルコール中毒の人、肝障害またはその既往歴のある人: クレストール10mgは主に肝臓に分布して作用するので、肝障害を悪化させるおそれがあります。またアルコール中毒の人においては、横紋筋融解症が現れやすいとの報告があります。
・フィブラート系薬剤(ベザフィブラートなど)、ニコチン酸、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾールなど)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシンなど)を使用中の人: 一般にHMG-CoA還元酵素阻害剤との併用で横紋筋融解症が現れやすくなります。
・甲状腺機能低下症の人、遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィーなど)またはその家族歴のある人、薬剤性の筋障害の既往歴のある人: 横紋筋融解症が現れやすいとの報告があります。
【重要な基本的注意】
・あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行ない、さらに運動療法や高血圧、喫煙などの虚血性心疾患のリスクファクターの軽減なども充分考慮してください。
・使用中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には服用を中止してください。
・使用開始または増量後12週までの間は原則、月に1回、それ以降は定期的(半年に1回など)に肝機能検査を行なってください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・適用の前に充分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上でクレストール10mgの使用を考慮してください。
・家族性高コレステロール血症ホモ接合体については、LDL-アフェレーシスなどの非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合にクレストール10mgの適用を考慮してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・クレアチニンクリアランスが30mL/分/1.73㎡未満の人が使用する場合には、2.5mgから服用を開始し、1日最大服用量は5mgとします。
・特に20mg服用時においては腎機能に影響が現れるおそれがあります。20mg服用開始後12週までの間は原則、月に1回、それ以降は定期的(半年に1回など)に腎機能検査を行なうなど、観察を充分に行なってください。
【その他の注意】
・HMG-CoA還元酵素阻害剤を中止しても持続する近位筋脱力、CK(CPK)高値、炎症を伴わない筋線維の壊死などを特徴とし、免疫抑制剤使用により回復した免疫性壊死性ミオパチーが報告されています。
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、状態を観察しながら服用してください。また横紋筋融解症が現れやすいとの報告があります。なお臨床試験では高齢者と非高齢者において、クレストール10mgの血漿中濃度に明らかな差は認められていません。
妊婦または妊娠している可能性のある人は使用しないでください。
授乳中の人は服用しないでください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。