以下の場合、カプトプリル50mgを絶対に服用しないでください。
・カプトプリル50mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・血管浮腫の既往歴のある人(アンジオテンシン変換酵素阻害剤などの薬剤による血管浮腫、特発性血管浮腫など): 高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現するおそれがあります。
・デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の人
・アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液施行中の人
・妊婦または妊娠している可能性のある人
【慎重服用】
・両側性腎動脈狭窄のある人、または片腎で腎動脈狭窄のある人
・高カリウム血症の人
・重篤な腎障害のある人
・造血障害のある人: 好中球減少症、無顆粒球症などの副作用が発現することがあります。
・全身性エリテマトーデス(SLE)などの免疫異常のある人: 好中球減少症、無顆粒球症などの副作用が発現することがあります。
・重篤な肝障害のある人: 黄だんなどの副作用が発現することがあります。
・消化性潰瘍またはその既往歴のある人: 副作用として消化器症状が発現することがあります。
・脳血管障害のある人: 過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させることがあります。
・光線過敏症の既往歴のある人: 副作用として発疹などの皮膚症状が発現することがあります。
・高齢者
【重要な基本的注意】
・両側性腎動脈狭窄のある人、または片腎で腎動脈狭窄のある人においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けてください。
・高カリウム血症の人においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けてください。
また腎機能障害、コントロール不良の糖尿病などにより血清カリウム値が高くなりやすい人では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意してください。
・カプトプリル50mgの服用により、以下の人では初回服用後に一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので、服用は少量から開始し、増量する場合は状態を充分に観察しながら徐々に行なってください。
1)重症の高血圧症の人
2)血液透析中の人
3)利尿降圧剤服用中の人(特に最近利尿降圧剤服用を開始した人)
4)厳重な減塩療法中の人
・腎疾患の既往歴のある人、腎障害のある人は、カプトプリル50mgの服用によりたんぱく尿が現れやすいので、腎機能、尿所見に留意し、定期的に検査を行なってください。
・持続的なたんぱく尿の増加傾向が認められる場合には、服用を中止するなど特に注意してください。
・腎障害のある人、重篤な自己免疫疾患(特に全身性エリテマトーデス)または免疫抑制剤を服用している人では、好中球減少、無顆粒球症が現れやすいので、血液像に留意して、定期的に検査を行なってください。
・白血球数の急激な減少あるいは4000/mm3未満となった場合には、白血球分画を含む経過観察を充分に行ない、3000/mm3未満を示す場合には服用を中止してください。
・副作用発現の可能性が増大することがあるので、1日用量150mgを超える量は服用しないでください。
・手術前24時間は服用しないことが望ましいとされています。
・血圧低下に基づくめまい、ふらつきが現われることがあるので、カプトプリル50mg服用中の人は高所作業、自動車の運転など危険を伴う作業に注意してください。
【その他の注意】
・カプトプリルの服用中に高度のたんぱく尿が認められた人について腎生検を行なったところ、膜性腎症がみられたとの報告があります。
・インスリンまたは経口血糖降下剤の服用中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を使用することにより、低血糖が起こりやすいとの報告があります。
脳梗塞などが起こるおそれがあるため、高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされているため、低用量から服用を開始するなど、状態を観察しながら慎重に服用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は服用しないでください。また、服用中に妊娠が判明した場合には、直ちに服用を中止してください。
妊娠中にカプトプリルを服用した重症高血圧症の人で、羊水過少症、またその新生児に低血圧、腎不全などが現われたとの報告があります。
授乳中の人は服用を避け、やむを得ず服用する場合には授乳を中止してください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。