以下の場合、イマチブ400mgを絶対に服用しないでください。
・イマチブ400mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・妊婦または妊娠している可能性のある人:外国においてカプセル剤で流産の報告があります。
【警告】
イマチブ400mgの服用は、緊急時に充分対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ服用してください。また、治療開始に先立ち、有効性および危険性を充分に理解してから服用を開始してください。
【慎重服用】
・肝障害のある人:代謝機能が低下しているため、イマチブ400mgの体内濃度が上昇する可能性があります。また肝障害が悪化するおそれがあります。
・高齢者:むくみが現れやすいとされています。
・心疾患またはその既往歴のある人:症状が悪化するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・消化管間質腫瘍の人では、イマチブ400mgの服用によって腫瘍の急激な壊死・縮小をきたし腫瘍出血、消化管穿孔などが現われることがあるので、定期的に血液検査などを実施し、初期症状としての下血、吐血、貧血、腹痛、腹部膨満感などの観察を充分に行なってください。異常が認められた場合には、ただちに腹部CT検査などを実施して出血部位、穿孔所見の有無の確認を行ない、必要に応じて服用を中止し、適切な処置を行なってください。
・イマチブ400mgの服用によって、体液貯留(胸水、肺水腫、腹水、心膜疹浸出液、心タンポナーデ、うっ血性心不全)が現われることがあるので、体重を定期的に測定するなど観察を充分に行ない、イマチブ400mgの服用中に急激な体重の増加、呼吸困難などの異常が認められた場合には服用を中止し、利尿剤を服用するなど、適切な処置を行なってください。
・イマチブ400mgの服用によって、重篤な肝機能障害が現われることがあるので、服用開始前と服用後は1ヵ月ごと、あるいは状態に応じて肝機能検査(ビリルビン、AST、ALT、およびALPなど)を行ない、異常が認められた場合には減量または休薬してください。
・イマチブ400mgの服用中は、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画など)を行なってください。またイマチブ400mgの服用によって、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血が現われることがあるので、血液検査は服用開始前と服用後の1ヵ月間は毎週、2ヶ月目は隔週、またその後は2-3か月ごとに行なってください。これらの血球減少は疾患の病期にも依存し、慢性期慢性骨髄性白血病に比べて移行期慢性骨髄性白血病や急性期慢性骨髄性白血病の人での頻度が高くなっています。重篤な好中球減少または血小板減少が現われた場合は減量または休薬してください。
・イマチブ400mgの長期服用時における安全性は確立されていないので、長期服用にあたっては観察を充分に行なってください。
・めまい、眠気、霧視などが現われることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う機械を操作する際には注意してください。
・慢性骨髄性白血病および消化管間質腫瘍の治療では、ほかの抗悪性腫瘍剤との併用服用における安全性は確立されていません。フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の治療において、イマチブ400mgと高用量抗悪性腫瘍剤の併用によりトランスアミナーゼ上昇および高ビリルビン血症を示す一過性の肝毒性が現われることがあり、また急性肝不全の報告もあることから、肝機能障害を起こすおそれのある抗悪性腫瘍剤と併用する場合は観察を充分に行なってください。
【用法および用量に関連する使用上の注意】
・消化管刺激作用を最低限に抑えるため、イマチブ400mgは食後に多めの水で服用してください。
・慢性骨髄性白血病については、重篤な有害事象がなく、白血病に関連がない重篤な好中球減少や血小板減少が認められず、下記に該当する場合はイマチブ400mgを増量することができます。
1.病状が進行した場合(この場合はいつでも)
2.イマチブ400mgを少なくとも3ヵ月以上服用しても、充分な血液学的効果が見られない場合
3.これまで認められていた血液学的効果がみられなくなった場合
・イマチブ400mgを服用中に肝機能検査値の上昇、好中球減少、血小板減少が認められた場合は服用量を調節してください。
【効能または効果に関連する使用上の注意】
・慢性骨髄性白血病については、染色体検査または遺伝子検査により慢性骨髄性白血病と診断された人が使用してください。
・消化管間質腫瘍については、免疫組織学的検査によりKIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍と診断された人が使用してください。なお、KIT(CD117)陽性の確認は、充分な経験を有する病理医または検査施設において実施してください。
・急性リンパ性白血病については、染色体検査または遺伝子検査によりフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病と診断された人が使用してください。
一般に高齢者では、生理機能が低下しているので減量するなど注意してください。
外国臨床試験では、軽度、中等度の表在性浮腫の発現頻度は65歳以上の高齢者で若年者より高いとの成績が報告されています。(カプセル剤のデータ)
乳汁中に移行するとの報告があるため、授乳中の人は授乳を中止してください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。
イマチブ400mgとの関連性は明確ではありませんが、海外からの報告でイマチブ400mg服用中に骨壊死が発現したとの報告があります。
海外からの報告で、レボチロキシン補充療法を受けている甲状腺摘出者において、イマチブ400mg服用中に甲状腺機能低下症が現われたとの報告があります。