アロー・エナラプリル10mgは、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)と呼ばれる高血圧症の治療薬です。
アンジオテンシン変換酵素とは強力な昇圧作用のあるアンジオテンシンIIという物質を産生する酵素です。
アンジオテンシンIIはその不活性型であり、血液と共に体内を循環しているアンジオテンシンIが肺、血漿、腎臓などから分泌されるアンジオテンシン変換酵素A(ACE)によって活性化させられたもので、血管平滑筋を収縮作用や、副腎皮質からアルドステロンというホルモンの分泌を促進することによる強力な昇圧作用をもたらす物質です。
高血圧症は、通常、人間の正常血圧範囲『収縮期血圧130mmHg未満・拡張期血圧85mmHg未満』を超えて高く維持されている状態を指します。
しかし高血圧自体の自覚症状は何もない事が多い為、知らず知らずのうちに虚血性心疾患・脳卒中・腎不全等の合併症を併発する恐れがあります。
高血圧症の分類は、本態性高血圧(原発性高血圧)と二次性高血圧の2種類があり、
二次性高血圧の場合は明らかな原因疾患から生じる高血圧でしばしば手術等で完治する確率が高いとされています。
高血圧患者の90%以上を占めるとされる本態性高血圧(原発性高血圧)の場合は、遺伝素因に加え生後の成長過程~加齢プロセスにおける食事、肥満、過度のストレスや過労等の様々な生活習慣が絡み合って生じる病態と考えられており、肥満・高脂血症・糖尿病との合併症は『メタボリックシンドローム』と呼ばれ『死の四重奏』と称される程の恐ろしい病気です。
アロー・エナラプリル10mgはアンジオテンシン変換酵素のアンジオテンシンIの分解作用を阻害することによって、アンジオテンシンIIの産生を減少させる作用があると言われています。
アンジオテンシンIIが減少することよって血管平滑筋が弛緩・拡張するため、結果として降圧作用がもたらされるということにります。