アイ・キャンは、尿を垂らすだけで妊娠したかどうかを素早く、簡単に判断できる妊娠検査キットです。適切な時期に正しい検査方法を行なえば、その判定の正確性は99%以上とも言われています。
女性は妊娠すると、胎児を育てようとする機能が働き出しますが、そのひとつにhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)ホルモンの分泌があります。このhCGは黄体形成ホルモン(LH)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)と同じ構造を持つホルモンで、通常は受精卵が子宮の壁の中に取り込まれると(着床)胎盤から分泌され、黄体を刺激してエストロゲンやプロゲステロンを分泌させたり、甲状腺を刺激します。またhCGは出産まで生成され、妊娠の状態を維持する働きも持っています。
このhCGは生理予定日(妊娠4週目)頃から尿中に検出されるため、尿を採取すれば妊娠の有無を調べることができます。この仕組みを応用したものが、妊娠検査キットであるアイ・キャンです。確実に妊娠した以外はhCGが分泌されないため、例えつわりなどの妊娠兆候が出ていたとしても、想像妊娠の場合の検査結果は陰性となります。病医院で行なわれる妊娠判定のための尿検査と同じ仕組みであり、適切なタイミングで正しく検査すれば、その精度は99%以上と言われています。
hCGは、受精から2-3週間で50mlU/mL以上分泌されるようになるので、アイ・キャンを含む一般の妊娠検査キット(薬)のほとんどの検出感度は50mgU/mLですが、最近ではより早く妊娠の有無がわかる、反応下限値が25mlU/mLの早期妊娠検査薬も発売されています。
hCGは順調に増加していけば、着床から5日程度で反応下限値である50mlU/mLに達し、妊娠している場合は排卵後14日前後あたりから陽性反応が出て来ると考えられます。しかしながら、hCGの増加速度には個人差があり、より的確な判定結果を得るには、一般には推定排卵日または性交日の3週間後以降、もしくは生理予定日(排卵日の約2週間後)の1週間後以降に検査を行なうのがよいとされています。
肝心な判定については、明らかな判定線が出現する場合は特に問題はありませんが、説明書と異なる色調の線や、ほとんど肉眼では見えないような色の濃さの線が出現した場合は、通常は陰性として扱います。また確実に陽性であると判断できる以外は、一度の結果で判断せずに、hCGの増加を待って数日後に再検査をするのが望ましいとされています。そのほか、尿をかけた直後に一瞬ラインが浮き上がり、判定時間経過後に消えるようなケースの場合は、ほとんどが陰性です。
なお判定時間を大幅に過ぎたり、検査シートに風などが当たり水分が蒸発する状況では、尿が濃縮されて線状に残ったり、濃度が濃くなることで試薬が誤反応を起こして現れる場合もあるため、試験中は判定時間や周囲の環境にも注意するように心がけてください。