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2014-08-20
ソース（記事原文）：スタンダード紙
香港のエボラ治療薬候補の中には乳がん治療薬
スタンダード紙（2014年8月20日） ― メアリー・アン・ベニテス（Mary Ann Benitez）
衛生防護センター（Centre for Health Protection）の19日夜の発表によると、香港ではエボラ出血熱の患者の治療に乳がん治療薬を使用するかもしれない。保健当局がアメリカの製薬会社から未承認薬ZMapp（ジーマップ）を入手できないためだという。
「抗エストロゲン薬」は乳がんや不妊症の患者に使われる薬だが、致命的なエボラウイルスに対する使用はマウスでの試験段階にとどまっている。
衛生署（Department of Health）は昨晩、エボラウイルス感染の予防・治療選択肢に結び付く薬剤4種とワクチン3種について、今のところ各製薬会社と連絡が取れていることを確認した。
センターの新興感染症・人畜共通感染症科学委員会は昨日、会合を開いて、香港でエボラ出血熱が確認された場合や、その患者から医療従事者が感染した場合の治療選択肢について話し合ったそうだ。ユン・クォックヨン（Yuen Kwok-yung）委員長（香港大学（University of Hong Kong）で感染症講座を担当）がそう話した。
ユン氏によると、エボラ出血熱に対し「有効性と安全性が証明された利用可能な治療法」はなく、治療に限界がある選択肢はいくつかあるものの、そのどれも生体外実験やマウス試験での検討段階にすぎないという。
サルやヒトではそれら選択肢の有効性と安全性をまだ調べていない。
委員会は香港でも利用できる薬剤2種について検討中であり、その1つはインターフェロンβだが、ユン氏によれば死を遅らせることしかできず、エボラウイルスに感染させたサルの試験ではそのような結果だったという。
もう1つが、すでに乳がんや不妊症の患者への使用が承認されている抗エストロゲン薬だ。「生体外実験とマウス試験では有効性が認められているため、この薬も考慮に入れました」とユン氏。
「人への使用は非常に安全なことが分かっている薬なので、患者によっては、科学委員会・倫理委員会の精査に加えて患者の同意があればその使用を考慮できます」。
「この薬は（人への）安全性が高いです。乳がん患者の治療には高用量で使用できます」。
副作用は嘔吐とめまいぐらいである。
「（エボラ出血熱の）患者は1週間も経たないうちに明暗が分かれるため、長期間この薬を服用する必要はありません」。
生体外実験とマウス試験では、ウイルスがヒトの細胞に侵入するのを抗エストロゲン薬が食い止めた。
がんや不妊症の患者にはすでに使われていることから、この薬は人に安全と言える。
腫瘍内科専門医のケヴィン・ロー・カイツ（Kevin Loh Kai-tsu）は、「エボラ出血熱に抗エストロゲン薬を使用するなんて初めて聞きました」と話す。
彼によると、抗エストロゲン薬の1つがタモキシフェンであり、ホルモン受容体陽性の乳がん患者に使われているという。
ホルモン受容体陽性の患者はタモキシフェン錠を1日1回経口服用し、乳がん手術後に再発予防で使用することもあれば、すでに転移しているがんの治療に使うこともある。
委員会は、ファビピラビル（インフルエンザの世界的大流行があったときしか使用を認められておらず、エボラ出血熱に対しては未承認の抗ウイルス薬）など、他の薬剤3種については検討対象としなかった。
センターのレオン・ティンホン（Leung Ting-hung）管理者は昨日、エボラ出血熱の大流行が起きた場合に備えた訓練を数カ月のうちに実施する予定だと話した。
昨年6月に科学雑誌に掲載された研究では、アメリカの科学者らがエボラウイルス感染を強力に阻止する薬としてクロミフェンとトレミフェンを同定している。
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