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2014-01-27

ソース(記事原文):NCBI

青年期の慢性疲労に対するバラシクロビル治療

NCBI(2014年1月27日) ― ヘンダーソンTA(Henderson TA)著

抄録

慢性疲労症候群とは、疲労感、意欲減退、意気消沈、身体活動低下を呈する疾患であり、全ての症状がうつ病の診断基準と広範囲にわたって重なっている。複数の研究で、慢性ウイルス感染症と慢性疲労症候群が結び付けられており、成人の慢性疲労症候群に対して抗ウイルス療法を行うことで効果が得られている。後向き症例集積研究において、治療抵抗性のうつ病または気分障害により著者らの診察を受けた10歳以上の青少年15人を評価したところ、慢性疲労症候群に対するフクダ(Fukuda)診断基準を満たしていた。その部分集団(15人中4人)は慢性疲労症候群と過去に診断されていたが、大多数はうつ病または気分障害と診断されていた。うつ病におけるDSM-IV(精神障害の診断と統計マニュアル第4版改訂版)基準を満たした患者は一人もいなかったが、3例が特定不能の気分障害(MD-NOS)と診断され、1例はトゥレット症候群(TS)および特定不能の気分障害の併発と診断された。子ども抑うつ尺度(Children's Depression Inventory:CDI)における治療試験開始前の得点は、1人を除く全員がカットオフ値(病態識別値)に満たなかった。試験開始前に自己評価尺度で慢性疲労症候群または疲労感を測定し、睡眠については睡眠日誌で評価した。次に、全患者にバラシクロビル治療を行い、93%で有効反応が得られた。治療終了時、自己評価尺度による疲労感の得点は有意に改善し(P<0.001)、活気サブスケール得点も有意に改善した(P <0.001)。また、症状が完全に回復した患者もいた。全ての患者に検査を行ったわけではないが、入手し得た臨床検査で、バラシクロビルに奏効した全患者において、ナチュラルキラー(NK)細胞数が増加し、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)抗体価が減少したことが明らかになった。本稿では、精神症状の発生機序における感染病原体の重要性を考察している。本試験データから、治療抵抗性うつ病の一部は、実は診断未確定の慢性疲労症候群、もしくはその他の慢性ウイルス感染症であり得るという興味深い仮説が裏付けられている。


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