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2011-11-16

ソース(記事原文):ヘルスカナル・ドットコム

痛風治療薬が術後の不整脈発生率を下げる

ヘルスカナル・ドットコム(2011年11月16日)― 研究のハイライト:-プラセボ対照無作為化試験において、コルヒチンは、心膜切開後症候群および術後心房細動の発生率を約半分に減らした。-心臓手術を受けた患者の入院期間についても、コルヒチン投与群のほうがプラセボ投与群よりも短かった。-コルヒチン投与は、術後心房細動を防ぐ安全かつ安価な方法となる可能性がある。

フロリダ州オーランド-米国心臓協会の科学セッション2011(the American Heart Association’s Scientific Sessions 2011)で発表された最新研究によれば、通風の治療によく使われているコルヒチンが、心臓手術後の心房細動発生率を大幅に下げた。

このイタリアの研究は、米国心臓協会の雑誌サーキュレーション(Circulation)にも掲載されている。

心房細動(AF)とは、心房が速く不規則に動きすぎて起こるもので、そのために血液を効果的に送り出すことができなくなる。治療しなければ、AFによって脳卒中、体の他の場所の血流を妨げる血栓、および心不全が生じる恐れがある。

「コルヒチンが心房細動を防ぐことを明らかにしたのは、今回の研究が初めてです。」研究の筆頭著者であり、イタリアのトリノにあるマリア・ビットリア病院(Maria Vittoria Hospital)で心臓病の専門医を務めるマッシモ・イマジオ医学博士(Massimo Imazio, M.D.)はこう述べた。「この研究結果には臨床的意義があり、心膜切開後症候群および術後AFの予防法としてコルヒチンが安価で安全な選択肢となり得る証拠を示しています。」

AFは、例えば冠動脈バイパス手術、心臓弁手術、またはバイパス手術と弁手術の組み合わせなど、心臓手術の後に最もよく見られる合併症である。心臓手術後の患者のうち、50%以上でAFが起こることもある。心臓周囲組織の炎症、つまり心膜切開後症候群がこの合併症の潜在的原因であり、コルヒチンはこの症候群だけでなく術後AFの発生率も半分に下げる可能性があると、イマジオ博士は述べた。

心臓手術から1カ月後のAF発生率は、コルヒチン投与群で12%であったのに対しプラセボ投与群では22%であり、コルヒチンはこの合併症の発生率を約半分にした。

さらに入院日数については、コルヒチン群で21日間、プラセボ群で24日間と、コルヒチン群のほうが3日間少なかった。

この研究は、北イタリアにある6カ所の医療機関で心臓手術を受けた患者336例を対象に行われた。被験者の平均年齢は66歳で、69%が男性であった。

被験者はコルヒチンまたはプラセボのいずれかの投与を受け、投与は心臓手術の3日後から開始して1カ月間継続した。コルヒチンとプラセボのどちらを投与されているのかについては、患者も治験責任医師も知らなかった。

副作用はわずかで、両群間で類似していた。ただしコルヒチン群のほうで胃腸障害がやや認められやすく、これは最もよく見られた副作用であった。

今回の研究は被験者数が比較的少なく、また研究者らは手術の3日後から薬の投与を開始していた。このため治療の推奨事項を変更する前に、今後の大規模な研究において、より早い段階で、理想としては術前にコルヒチン投与を開始するべきである。これは、術後AFというのは外科的介入後の早期に起こることが多いためである。

「この方法で、皆さんも心臓手術から最初の数日間に起こる心房細動を防ぐことができるかもしれません。」とイマジオ博士は述べた。

コルヒチンは植物由来の物質であり、薬の分類としてはアルカロイドに属する。アルカロイドにはモルヒネやカフェインも含まれる。現在のところ、北米やヨーロッパでは、心膜切開後症候群の心膜炎または心房細動の予防目的でのコルヒチン使用は承認されていない。


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