コルガウト 0.5mgは、痛風発作の予防・症状緩和に使用される薬です。
その他、ベーチェット病の諸症状・予防にも使用されています。
痛風は、高尿酸血症が原因で関節炎を起こす症状です。
痛風患者は殆どが男性で、女性における発症は罹患者100人中1-2人の割合であるとされています。
痛風は、血液中の尿酸が増えてしまう事により起こります。
尿酸は体内でプリン体と呼ばれる動植物の細胞核や染色体の中にある遺伝に関わる核酸と言う物質が分解されてできた物です。
プリン体は食事から摂りこまれるだけでなく新陳代謝によっても産生され、肝臓代謝によって尿酸となります。
通常の場合、尿酸は血液に溶けて体内を循環した後、腎臓で濾過され尿と共に老廃物として排泄されますが、プリン体が多く含まれる食べ物を過剰に摂取したり、尿酸の排泄が低下してしまうと体内に過剰に増えてしまいます。
一般の尿酸値は男性で3.5-7.5mg/dl、女性においては2.4-5.8 mg/dlと言われていますが、これらの尿酸値が7.0 mg/dlを超過すると尿酸が血液中に溶けなくなる「高尿酸血症」となり、体内に蓄積されてしまいます。蓄積された尿酸はナトリウムと結合して塩を作り、「尿酸結晶」と呼ばれる針状の結晶に形を変えて体の色々な場所に沈着します。
痛風発作は、関節包内に析出した尿酸結晶に対する炎症反応です。
体内の白血球が関節に沈着した尿酸結晶を異物と捉え攻撃する作用が、関節の激しい痛みと発熱として現れます。
また痛風発作は体温の低い部位に尿酸が析出しやすい為、大抵の場合に於いてまず足の指の関節にその症状が現れます。症状は1週間から10日ほどで緩和し、全くなくなりますが半年から1年経過するとまた同じような発作症状が現れます発作を繰り返すたび症状は悪化し足関節から膝関節にまで症状が現れ次第に腎臓などの内臓が侵されていきます。
さらに、合併症として脳、心血、肝障害などが引き起こされる場合もあります。
痛風は主に男性に発症する疾患とされていますが、これは女性ホルモンの分泌に尿酸値を抑える作用がある為とされているためです。
しかし、閉経後には女性ホルモン分泌の減少に伴って尿酸値が上がる傾向があり、最近では利尿剤を使用した誤ったダイエットによる尿酸値の上昇による発症もみられます。
痛風の治療には、コルガウトを服用するだけでなく食生活の改善やプリン体を多く含む食物(肉、魚介類、ビールなど)の摂取を控え、適度な運動を心掛ける事も非常に大切です。
一方、ベーチェット病は再発と完治を繰り返す原因不明の慢性・全身性自己免疫疾患で膠原病類縁疾患と呼ばれています。
この病気はトルコを含む中近東から中国、日本に多い病気でシルクロード病とも呼ばれており、厚生労働省が指定する特定疾患・難病の一つに指定されています。
症状は、目・口・皮膚・外陰部・中枢と末梢神経・消化管・関節・血管など全身に炎症や潰瘍など様々な症状が現れます。
主な症状としては初期に95%以上の頻度で発症するとされている口腔内のアフタ潰瘍(口内炎)、足に多くでる結節性紅斑と呼ばれる強い痛みを持つ赤いしこりを持つ斑点、目のぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)の炎症、性器の周りの外陰部に強い痛みのある潰瘍などがあります。
特に目に症状が現れた場合は視力の低下やひどい場合は失明に至る事もある難病です。
原因は未だ解明されていませんが、白血球が増加しその働きが異常に亢進によって様々な症状が現れるとされており、この説に基づいて現在でも研究が続けられています。
コルガウト 0.5mgの有効成分・コルヒチンは、白血球を活性化させるケモカインの調節、生理活性作用を持つプロスタノイドの産生、及び白血球の一種である好中球の抑制作用などがあるといわれています。
痛風においては白血球の動きを抑制し、白血球が関節内に集まるのを抑制する事で痛風発作を防ぐよう働きます。
また、尿酸結晶はpH値が低いと形成されやすいとされているため、コースの酸化の阻害によって組織のpH値を上げることによって、白血球による乳酸の産生を抑制することにより、尿酸血晶の形成を阻害する作用もあるといわれています。
ベーチェット病には白血球の働きを抑える事でベーチェット病の諸症状の原因となる異常亢進を食い止めるよう作用します。