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2012-01-05
ソース(記事原文):デンティストリーIQ
歯周病の新たな治療法
デンティストリーIQ(2012年1月5日)― マリア・ペルノ・ゴールディ(Maria Perno Goldie)RDH, MS著
歯周炎は炎症性疾患であり、バイオフィルム内の細菌と、宿主応答により惹起されたさまざまな因子の多面的相互作用によって生じます。病原性の細菌は、歯の表面や歯肉溝にコロニーを形成します。
歯周炎における細菌のコントロールには、全身および局所に投与するさまざまな抗生物質のほか、各種の抗菌製品が用いられます。しかしながら、この病気の経過として重要な特徴である結合組織や骨の破壊においては、宿主応答が最も重要であると考えられています。急性期の炎症過程は有益な事象ですが、慢性化すると、事実上、自分の体を守ってくれるはずの炎症過程が体を破壊してしまいます。
動物試験や臨床試験で得られた情報から、破壊的な宿主応答を変化させる薬剤が、この病気の進行を遅らせるのに有効な可能性のあることが明らかにされています。歯周病の炎症過程を阻害または逆戻りさせる方法として、消散促進脂質メディエーター、バイオマーカーとしてのタンパク質の役割、その他薬剤に関する研究が行われています。
アレンドロネートは、ビスホスホネート系と呼ばれる薬剤クラスの薬です。この薬は骨の破壊を防いで、骨の密度や厚みを増やすことで作用します。アミノビスホスホネートのアレンドロネート(ALN)は破骨細胞による骨吸収を抑制することが分かっており、またマトリックス形成を高めたことで明らかにされたように、この薬には生体内でも生体外でも骨刺激特性があると提唱されています。アレンドロネートは、閉経後の女性における骨粗鬆症の予防および治療に、また男性の骨粗鬆症の治療に用いられるだけでなく、骨ページェット病の治療にも用いられます。
ビスホスホネート系薬剤は、歯周炎や歯槽骨障害の治療にも重要な役割を果たす可能性がある薬剤のクラスになります。最近の研究において、慢性歯周炎患者の骨内欠損治療のためのスケーリング・ルートプレーニング(SRP)の補助療法となる局所薬物送達システムとして、プラセボゲルと比較した場合の1% ALNゲルの有効性について検討が行われました。
1% ALNゲルまたはプラセボゲルのいずれかを用いて、計66例の骨内欠損の治療が行われました。臨床評価項目(修正歯肉溝出血指数、プラーク指数、プロービング深さ(PD)、臨床的アタッチメントレベル(CAL))を、ベースライン時と2カ月および6カ月時点で記録しました。またX線写真による評価項目を、ベースライン時と6カ月時点で記録しました。このベースライン時と6カ月時点の評価項目である骨欠損部の充填率については、画像解析ソフトウェアを用いて標準X線写真から算出しました。
この研究結果から、SRPの補助療法となる1% ALNゲルの歯周ポケットへの局所投与は、PDの減少、CALの獲得、骨充填率の改善においてプラセボゲルよりも有意な増加を促進したことが明らかにされています。研究論文の著者らによれば、この結果は歯周治療の新たな選択肢への道を開く可能性があります。
もう1つの新たな研究では、侵襲性歯周炎(AgP)患者の治療のためのSRPの補助療法となる局所薬物送達システムとして、プラセボゲルと比較した場合の1% ALNゲルの臨床的有効性について検討が行われました。
1% ALNゲルまたはプラセボゲルのいずれかを用いて、AgP患者17例に認められた52カ所の骨内欠損の治療が行われました。ALNゲルは、ポリアクリル酸・蒸留水混合物にALNを添加して調製しました。臨床評価項目(修正歯肉溝出血指数、プラーク指数、PD、CAL)を、ベースライン時と2カ月および6カ月時点で記録しました。またX線写真による評価項目を、ベースライン時と6カ月時点で記録しました。このベースライン時と6カ月時点の評価項目である骨欠損部の充填率については、画像解析ソフトウェアを用いて標準X線写真から算出しました。
この研究から、AgP患者に対するSRP補助療法としての1% ALNゲルの局所投与は、PDの減少、CALの獲得、骨充填率の改善においてプラセボゲルよりも著しい増加を促進することが明らかにされました。ただし、AgP患者の骨再生に対する臨床的及び組織学的効果、またX線写真から評価される効果を理解するには、長期の多施設共同無作為化比較臨床試験の実施が必要であると、論文著者らは注意を与えています。
骨粗鬆症とその治療に関して、臨床医らは必ずしも確立されたガイドラインに従っている訳ではありません。閉経後の女性の数は増え続けていることから、骨粗鬆症のスクリーニングおよび治療はより一層重要なものとなっています。米国の研究者らは、2007年から2009年にかけて、二重X線吸収測定法を受けたことのある女性を対象とした試験を実施しました。試験の目的は、北米閉経学会(North American Menopause Society : NAMS)の2006年ガイドラインに従い、被験者が骨塩定量(BMD)検査およびその後の治療の規準を満たしているかどうか検討することでした。このガイドラインには、特定の危険因子が存在する場合を除き65歳まではスクリーニングを開始すべきではないこと、また骨粗鬆症の女性(すなわちTスコアが-2.5~-2.0の高リスク女性)に限り治療を開始すべきであると明記されています。
試験の評価に適した615例(平均年齢62歳、非ラテン系白人95%)のうち、41%がBMD評価の基準を満たしていませんでした。全被験者のうち22%がビスホスホネート系薬剤を使用しており、11%がホルモン療法を利用し、3%がラロキシフェン、1%がカルシトニンを使用していました。治療の適応とされた102例のうち、35%がこれら薬物療法のいずれも利用していませんでした。治療の適応とはならなかった467例のうち、18%がビスホスホネート系薬剤、ラロキシフェン、カルシトニンのいずれかによる薬物療法を受けていました。
これらの結果は、米国の臨床医らが多くの女性に対し不適切なスクリーニングを行っており、また治療の適応となる場合にはしばしば適切な介入ができていないことを示しています。NAMSガイドラインは2010年に改訂されていますし、臨床医の中には別のガイドラインに従っている者もいるかもしれません。しかし、現行の勧告はどれも大して変わりありません。なぜスクリーニング検査の適応ではないのかを患者に教えるのは、難しいことであり、時間のかかる可能性があります。とはいえ、顎骨壊死のようにビスホスホネート系薬剤の長期使用に伴うリスクに対する意識の高まりが、一般に低リスクの女性には治療が必要でない理由についての話し合いを容易にしています。
一過性の炎症が起きた後の唾液バイオマーカー、歯周病原性細菌、インターロイキン(IL)‐1遺伝子多型と歯肉炎などの歯周病の関係について検討するいくつかの研究が、引き続き実施されています。必須アミノ酸や類似のタウリンについても、それらの浸透圧調節作用、抗酸化作用、抗アポトーシス作用、抗炎症作用、抗脂質作用、創傷治癒作用に関する研究が行われています。
糖尿病、歯周病、そして唾液中のトリプトファン(アミノ酸)代謝産物レベルの間の相関関係は、キヌレニン経路でのトリプトファン代謝障害と関連する可能性があります。キヌレニン経路によるトリプトファン代謝産物の役割というのは、その抗インスリン作用により2型糖尿病をもたらすものと推測されています。唾液中のトリプトファンおよびその代謝産物のレベルは、糖尿病患者における歯周病の進行に何らかの関係があるかもしれません。
高齢者の骨粗鬆症の幅広いスクリーニングを行うには、日常的な歯科X線写真の撮影が安価な方法となりうることを心に留めておくべきです。顎の骨が薄くなっている徴候が見られる高齢者については、より費用の高い骨粗鬆症検査を勧めることがあります。私達が説明するのが口腔または全身性の疾患でも、あるいはそれら疾患の相互作用であっても、教育することが重要です。
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