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2012-10-04

ソース(記事原文):メドページトゥデイ

抗うつ薬が更年期症状を減らす

メドページトゥデイ(2012年10月4日)― シニア・スタッフ・ライター、クリスタル・フェンド(Crystal Phend)著

ボストン、ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)臨床医学准教授(Associate Clinical Professor of Medicine)ドリF. ザレズニックMD(Dori F. Zaleznik, MD)、およびドロシー・カプト(Dorothy Caputo)MA, BSN, RN, ナースプランナー(Nurse Planner)によるレビュー

低用量の抗うつ薬パロキセチン(パキシル、ペクセバ)は、ホットフラッシュの頻度および重症度を多少下げる可能性のあることが2件の短期試験で明らかにされた。

フロリダ大学(University of Florida)(ジャクソンビル)のアンドリューM.カウニッツMD(Andrew M. Kaunitz, MD)と同僚らが報告したところでは、第III相試験の1件において、用量7.5mgでのパロキセチンは12週の投与期間終了後に週のホットフラッシュ発生回数を44回減らしたのに対し、プラセボによる効果は週に37回とこれより少なかった(P=0.009)。

今週末に、フロリダ州オーランドでの北米閉経学会(North American Menopause Society)学術大会で発表されることになっている同様の結果によれば、これに次ぐ試験においても12週目に血管運動症状の平均重症度が低下し、また24週目に女性の約半数で50%以上の頻度低下が見られたことが明らかにされた。

ホルモン療法で典型的に見られるほどの効果ではないものの、これらの研究結果は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が有用な治療選択肢となる可能性を示唆していると、試験の主要な実施者でジョージ・ワシントン大学(George Washington University)(ワシントン)のジェームズA.サイモンMD(James A. Simon, MD)は、メドページトゥデイ(MedPage Today)のインタビューで語った。

「ホルモン療法の対象から完全に外れてしまう女性はたくさんいます。そのような女性には、ホルモン依存性乳癌などの絶対禁忌があるからです」と同氏は説明した。「しかし、もっと重要なこととして、多くの女性はホルモン療法の副作用や合併症を過度に恐れることから、この治療法の利用を選択しません。」

「彼女たちはホルモン療法を利用しようとせず、黙って苦しみます。これは、その代わりとなる治療法で、彼女たちを助けることができるものです。」

同じSSRIのエスシタロプラム(レクサプロ)についても、ある臨床試験で、血管運動症状の熱を下げるという類似の効果が明らかにされている。

その他のSSRIについても血管運動症状に対する何らかの効果について検討が行われているが、研究の大半は、ホットフラッシュがさほど重症ではなく、また何らかの抑うつ気分の要素がある乳癌女性を対象に行われていることから、閉経期におけるクラス効果かどうかは明らかでないとサイモン氏は指摘した。

ホルモンを使用しない治療選択肢は、臨床医らが大いに歓迎している。しかし専門家らは、抗うつ薬は「キャンディーではない」こと、また離脱症状のほか、健康な女性の場合には他の有害な影響の可能性があることを警告している。

パロキセチンの副作用は、比較的高用量で使用した際にその頻度および重症度が高まることから、試験では、閉経期における血管運動症状の軽減のため特別に開発された同薬の低用量7.5mgバージョンを使用した。

2つの副作用、具体的に言うと精神医学的適応症に対し認められている用量10mg~40mgで見られる体重増加と性機能障害は、「ホットフラッシュがある女性にとって実に受け入れ難いものである」と、サイモン氏は指摘した。

どちらの問題も、同氏による24週間の試験では見られなかった。試験の対象となったのは40歳以上の女性568例で、中等度から重度の血管運動症状があり、その頻度は登録前の1カ月で平均7~8回/日(50~60回/週)以上であった。

就寝前の1日1回低用量パロキセチン投与群に無作為に割り付けられた女性たちに最もよく見られた副作用は、悪心(5%)と気管支炎(プラセボ群の1%未満に対し3%)であったが、サイモン氏は、肺機能に対する同薬の既知の影響はないと指摘した。

12週目の結果から、週のホットフラッシュ発生回数はベースライン時の平均76回から低用量パロキセチン群で37回減少したのに対し、プラセボ群では29回減少したことが明らかにされた(P=0.0001)。

血管運動症状の重症度は、ベースライン時と比較して、3ポイント尺度でそれぞれ0.123と0.067低下した(P=0.0114)。

投与の24週目で頻度が50%以上低下しており、奏効者とみなされた女性の割合はパロキセチン群で48%であったのに対し、プラセボ群では36%であり(P=0.0066)、「治療の効果の持続性を証明している」と記されている。

この閉経学会で報告される別のピボタル試験は、女性606例を対象に同じ基準と用量を用いていたが、期間は12週間であった。

4週目に、週のホットフラッシュ発生回数はパロキセチン群でベースラインから33回減少したのに対し、プラセボ群ではベースラインと比べて24回少なかった(P<0.0001)。

12週目の頻度低下については、ベースラインと比べて、それぞれ44回、37回少なかった(P=0.009)。

血管運動症状の全般的重症度の低下は、両群とも3ポイント尺度で0.1以下であり、両群間の差は、12週目までには有意性を失った。

ただし、ホットフラッシュの重症度と頻度を共に評価する複合スコアは、いずれの時点でも低用量パロキセチンが有意に優れていることを示した。

同薬群で最もよく見られた有害事象はめまいと疲労であり、これをサイモン氏は想定内と呼んだ。

強力なプラセボ効果は驚くことではないと、同氏は話す。

「皆さんは、ほぼすべての試験でプラセボの大きな効果を見ています」同氏はこう述べた。「プラセボには効力があるようには思えませんが、[血管運動症状に]かなり良く効く治療法です。ですから、我々がプラセボ対照を用いて試験を行うというのは極めて重要なことです。」

ノーベン・ファーマシューティカルズ社(Noven Pharmaceuticals)の薬剤開発者によれば、パロキセチンメシル酸塩7.5mg製剤は今年すでに承認を求めてFDA(米国食品医薬品局)に提出されたが、商品名はまだ考案中である。

この低用量製剤にメソフェム(Mesofem)と名付けたが、FDAはこの商品名を却下したと同社は説明した。

これらの試験は、ノーベン・ファーマシューティカルズ社の後援を受けた。

サイモン氏は、ノーベン・ファーマシューティカルズ社、および閉経期に使用するための薬剤を開発している他社のほとんどとの金銭的関係を報告した。


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