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2011-03-15
ソース(記事原文):CDC
性感染症(STD)
クラミジア感染症-CDCデータ一覧
クラミジアとは何ですか?
クラミジアは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)と呼ばれる細菌により引き起こされる、よく見られる性感染症(STD)です。この細菌は、女性の生殖器に損傷を与えます。通常は、症状は軽度か全くないのですが、それでも女性が感染に気づかないうちに不妊症を含む不可逆性の障害を起こす重篤な合併症を「静かに」起こすことがあります。クラミジアに感染した男性の陰茎から分泌物が見られることもあります。
クラミジア感染症はどれくらい一般的ですか?
クラミジアは米国で最も多く報告されている細菌性の性感染症です。2008年には、全米50州とコロンビア特別区から、1,210,523例のクラミジア感染が米国疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)に報告されました。しかし実際はこれよりはるかに多い感染者がいます。患者の大部分が、自分が感染していることに気づいておらず、検査を受けようとしないからです。また、治療中に検査を頻繁にするということもありません。米国国民健康栄養調査(the U.S. National Health and Nutrition Examination Survey)によると、14歳から39歳の、医療機関に入院していない米国民のうち約2,291,000名がクラミジア・トラコマチスに感染していると推定されています。女性の場合、性交渉の相手が治療を受けないと再感染してしまうことがよくあります。
どのように感染するのですか?
クラミジアは膣/肛門/口腔性交を介して他者に感染します。これ以外に、母親が感染していると自然分娩の過程で子供に感染することがあります。
性交渉を行う人は誰でもクラミジアに感染する恐れがあります。性交渉の相手の数が多ければ多いほど、感染症の危険性は高まります。十代の少女や若い女性の子宮頸部(子宮に繋がっています)は、まだ完全には成熟しておらず、おそらく成熟した女性よりもクラミジアに感染しやすいと考えられるため、性行為を定期的に行っている場合には特に感染の危険性が高いです。クラミジアは口腔/肛門性交によっても伝染しますから、同性愛者の男性にもクラミジア感染の危険があります。
どんな症状ですか?
感染しても大抵は症状が出ないので、クラミジアは「無症候性」疾患として知られています。症状が起こるとしたら、感染してから1週間から3週間以内に出現するのが普通です。
女性の場合、クラミジア・トラコマチスは、先ず子宮頸部と尿道(尿の通り道)に感染します。症状のある女性は病的な膣分泌物(おりもの)が見られたり、排尿時に灼熱感があったりするかもしれません。感染が子宮頸部から卵管(受精卵を卵巣から子宮に輸送する管)まで拡がっても、まだ徴候や症状が現れてこない女性もいます。女性の中には、下腹痛、下背部痛、嘔気、発熱、性交痛、また中間期出血が認められる場合があります。子宮頸部へのクラミジア感染症が直腸まで拡がることもあります。
徴候や症状の出ている男性は、陰茎から分泌物があったり、排尿時に灼熱感があったりするかもしれません。陰茎開口部周囲に灼熱感とかゆみがあることもあります。睾丸の疼痛と腫脹は、まれです。
男性でも女性でも、肛門性交を受け入れる側は直腸にクラミジアが感染して、直腸痛、分泌物、また出血が起きる場合があります。感染者と口腔性交した女性や男性の喉にクラミジアが見つかることもあります。
治療しないと、どんな合併症が発生しますか?
STDと不妊症
クラミジア感染症を放っておくと、病状は進行して、生殖器やその他の健康により深刻な被害をもたらし、その結果、一時的及び長期的に健康を損ねる恐れが大いにあります。クラミジア感染症自体がそうであるように、クラミジアによる害はたいてい「無症候性」です。
女性がクラミジアを放っておくと、感染は子宮または卵管に拡がり、骨盤内炎症性疾患(PID)を起こすことがあります。これはクラミジア感染症を治療していない女性の約10パーセントから15パーセントに起きます。全く症状のないまま、卵管炎を発症することもあります。PIDと「無症候性の」上部生殖管への感染症は、卵管、子宮、周囲の組織に永続的な障害を与えかねません。この障害は慢性骨盤痛、不妊症、そして命にかかわることもある子宮外妊娠(子宮の外での妊娠)につながることがあります。また、クラミジアに感染するとHIVウィルスに接触した場合のHIV感染率が高くなる恐れもあります。
クラミジアによる深刻な結果を予防するために、25歳以下の定期的に性行為を行う女性は全員、少なくとも年に1度はクラミジア検診を受けることをお勧めします。これより年上の女性も、クラミジアの危険因子がある(性交渉の相手が替わった、ないし複数いる)場合は毎年検診を受けるのが望ましいです。妊娠中の方は全員、クラミジア検診を受けるのがよいでしょう。
男性の場合、クラミジアによる合併症はまれですが、感染が精巣上体(精巣から精子を輸送する管)まで拡がって、疼痛、発熱、まれに生殖不能を引き起こすことがあります。
まれに、性器クラミジア感染症により、皮膚病変と眼と尿道の炎症を伴う関節炎(ライター症候群)が起きることがあります。
クラミジア感染は妊婦と胎児にどう影響しますか?
妊婦がクラミジア感染症を治療しない場合には、早産を招くという証拠もあります。母親が感染していると、新生児の眼と気道にクラミジアが感染することがあります。クラミジアは新生児肺炎と新生児結膜炎(ピンクアイ)の主要な原因です。
どのように診断しますか?
クラミジアを診断するための臨床検査があります。尿を検体にする検査もありますが、陰茎や子宮頸部などの部位から組織を採取する必要のある検査もあります。
どう治療しますか?
クラミジアの治療は簡単で、抗菌薬で治ります。アジスロマイシン単回投与、またはドキシサイクリン(1日2回)1週間投与が最も一般的な治療法です。HIV陽性クラミジア患者も、HIV陰性クラミジア患者も治療は同じです。
性交渉の相手全員が診察を受け、検査で感染が確認されたら治療を受けてください。クラミジア感染者は自身と性交渉の相手の治療が終了するまで性交渉を控えてください。再感染してしまうことがあるからです。
性交渉の相手が適切に治療を受けていないと、女性は再感染する危険性が高いです。多重感染があると、性と生殖の健康に関して、不妊症を含む重篤な合併症の危険が高まります。初感染の治療の3か月後に再度クラミジア検査を受けるとよいでしょう。相手男性が治療を受けたかどうかわからない女性では、再検査は特に大切です。
どうすれば予防できますか?
STD感染を避ける一番確実な方法は性的接触をしないか、又はSTD検査を受けて感染していないことがわかっており、長期にわたって双方とも相手とだけ性交渉をすることです。
ラテックス製の男性用コンドームを毎回忘れずに正しく使えばクラミジア感染の危険性を減らすことができます。
定期的に性交渉を行う25歳以下の女性は全員、そしてこれより年上の女性も、クラミジア感染の危険因子がある(性交渉の相手が替わった、ないし複数いる)場合、そして妊娠している場合は年に1度クラミジア検診を受けるよう、CDCは推奨しています。医療提供者は性的危険評価を常に適切に実施し、一部の女性にはより頻繁に検査を行うのがよいでしょう。
いつもと違うヒリヒリ感、匂いのあるおりもの、排尿時の灼熱感、または中間期出血などの生殖器症状はどんなものでもSTD感染が原因である可能性があります。女性にこれらの症状のいずれかが起きたら性交渉を持つのをやめて、医療提供者に直ちに相談してください。STDを早期に治療すればPIDを予防できます。STDと診断され治療を受けている女性は、最近性交渉を持った相手(過去60日以内に性交渉を持った相手)全員にそのことを告げ、相手が医療機関を受診してSTD検査を受けられるようにしてください。性交渉の相手全員が検査を受け、必要に応じて治療を受けるまで、性的活動を再開してはいけません。
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