ラミトールDT-100の服用により、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)および中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)などの重篤な皮膚障害が現われることがあります。
以下の場合、ラミトールDT-100を絶対に服用しないでください。
・ラミトールDT-100の成分に対し、過敏症の既往歴のある人
以下の場合、ラミトールDT-100を慎重に服用してください。
・肝機能障害のある人: ラミトールDT-100のクリアランス効果が低下し、消失半減期が延長することがあります。
・腎不全の人: 腎クリアランスが低下しているために、主代謝物(グルクロン酸抱合体)の血漿中濃度が成人よりも高くなることがあります。
・ほかの抗てんかん剤に対してアレルギー歴または発疹発現の既往歴がある人: 重篤ではない発疹の発現頻度が約3倍になります。
重要な基本的注意
・ラミトールDT-100の服用による発疹は、斑状丘疹性に現われることが多く、重篤な皮膚障害の発現率はラミトールDT-100服用開始から約8週間以内に高くなっています。
またバルプロ酸ナトリウムと併合した場合、あるいは小児において高いことが示されています。
・小児において、発疹の初期徴候は感染と誤診されやすいので、ラミトールDT-100服用開始8週間以内に発疹および発熱などの症状が発現した場合は特に注意してください。
・連用中における服用量の急激な減量ないし服用の中止により、てんかん発作の増悪またはてんかん重積状態が現われることがあります。中止、減量は2週間以上かけるなど慎重に行なってください。
・眠気、注意力、集中力、反射運動能力などの低下が起こることがあるため、ラミトールDT-100服用中は自動車の運転など、危険を伴う機械の操作に従事しないように注意してください。
用法・用量に関する使用上の注意
・ラミトールDT-100はほかの抗てんかん剤と併用して服用してください。
・定められた用法・用量を超えて服用した場合、発疹などの皮膚障害の発現率が高くなることがあります。
・発疹などの皮膚症状によりラミトールDT-100の服用を中止した場合、治療上の有益性が危険を上回ると判断させる場合以外は再服用しないでください。
また再服用にあたっては、維持用量よりも低い容量から増やしていくこととします。
なお、服用終始からラミトールDT-100の消失半減期の5倍の期間(バルプロ酸ナトリウムを併用したときは約350時間、バルプロ酸ナトリウムを併用せずラミトールDT-100のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤を併用したときは約65時間、バルプロ酸ナトリウムもラミトールDT-100のグルクロン酸抱合を誘導する抗てんかん薬も併用しなかったときは約170時間)を経過している場合は、初回用量に従って再開することが推奨されます。
・小児が服用する場合、服用初期(1-2週間)に体重換算した1日用量が1-2mgの範囲内であった場合は2mg錠を隔日に1錠服用します。
体重換算した1日用量が1mg未満の場合はラミトールDT-100を服用しないでください。
ラミトールDT-100は体重変化を観察し、必要に応じ適切に容量の変更を行なってください。
なお2-6歳の児童の場合は維持用量の上限付近の容量が必要な場合があります。
・経口避妊薬など、抗てんかん薬以外でもラミトールDT-100のグルクロン酸抱合に影響を与える薬剤を併用する際には、ラミトールDT-100の容量調節を考慮してください。
・肝機能障害の人は、肝機能障害の程度に応じてラミトールDT-100のクリアランスが低下するため、ラミトールDT-100の服用にあたっては減量を考慮してください。
妊娠中の服用に関する安全性は確立していないため、妊娠または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
妊娠によりラミトールDT-100の血中濃度や治療効果に影響がみられる可能性があるため、妊婦が服用する際には状態などに充分注意してください。
ラミトールDT-100は乳汁中に移行し、授乳中の乳児における血中濃度は、授乳中の人の血中濃度の最大約50%に達したとの報告があるため、授乳中の人はラミトールDT-100を服用する際は授乳を中止してください。
低出生体重児、新生児、乳児または2歳未満の幼児に対する安全性は確立していません。
海外で実施されたラミトールDT-100を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患などを対象とした調査の結果、自殺念慮および自殺企図の発現リスクが、抗てんかん薬服用の場合高くなるとみなされています。
ラミトールDT-100はジヒドロ葉酸還元酵素に対して弱い阻害作用を有するため、長期服用により葉酸代謝を阻害する可能性があります。