ビボリブ500は、主に長期的な飲酒による慢性アルコール中毒症や脂肪肝等、肝臓疾患の治療薬で、メタドキシンを有効成分とする医薬品です。
慢性アルコール中毒症はアルコールに依存する疾病で、アルコールが切れると離脱症状と呼ばれる様々な症状がみられるようになります。軽度では不眠等の睡眠障害、身体のふるえ、発汗や心拍数の上昇などが起こり、情緒不安定や不安感に苛まれるようになります。症状が進行するとてんかん様の発作や意識の喪失、幻覚症状が現れることもあります。発症の原因として性格の傾向が言われていますが科学的な根拠はなく、通常は飲酒を繰り返すうちに脳内へのアルコールの強化作用(飲酒要求)に対する感受性が増大し、病的に飲酒をするようになり、その結果、探索行動(なんとかして飲酒を試みようとする行動)を引き起こします。強化作用に対する感受性が高い場合は飲酒の量や頻度にかかわらず、短期間で依存症になることもあります。一方で感受性が低い場合も、飲酒の量や頻度が高ければ、短期間でも依存症を発症する可能性があります。
脂肪肝の原因は主に、肥満、糖尿病、アルコールや脂肪分の大量摂取があげられ、油と脂肪の多い食事やアルコールの摂取を控えることで改善できるといわれています。しかし、肝臓は再生能力や代償能力に優れており、ダメージを受けた場合も正常な細胞が余分に働き、臓器の機能を維持する為に症状が現れるのが遅く、異常に気付いた頃には病状が進行している事が多く「沈黙の臓器」とも呼ばれています。現在では成人男性の10%、女性で3%が脂肪肝と診断されており、生活習慣病の一つに数えられています。
ビボリブ500に含まれるメタドキシンは肝細胞の脂質過酸化反応を遮断し、長期的なアルコール摂取による肝臓の損傷を修復し、慢性肝炎の脂肪肝を回復させる効果があります。また、尿の排泄をうながす作用で組織や血中のアルコールに含まれるエタノールの体内滞在時間を短縮して、その毒性を最小限にとどめる効果があります。また、これまでに特筆するべき副作用は報告されておらず、慢性アルコール中毒症や脂肪肝の肝機能の回復を目指す治療薬として、その有意性が認められています。