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2014-07-30

ソース(記事原文):メディカル・エキスプレス

ナルトレキソンがパーキンソン病患者の衝動制御障害を軽減

メディカル・エキスプレス(2014年7月30日) ― パーキンソン病患者の20%以下とその家族が直面する一般的な問題のうち、あまり知られていない問題に、強迫性賭博、衝動的性行動、過食、衝動買いなどからなる衝動制御障害の発症がある。こうした患者におけるパーキンソン病は、治療選択肢が著しく限られるか、複雑化する。ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院(Perelman School of Medicine at the University of Pennsylvania)と、フィラデルフィア退役軍人病院(Philadelphia Veterans Affairs)のパーキンソン病研究&教育・臨床センター(Disease Research, Education and Clinical Center:PADRECC)の研究者らのチームが、予備試験を実施したところ、パーキンソン病患者における衝動制御障害の症状を軽減することにおいて、オピオイド遮断薬ナルトレキソンが有効な治療法となり得ることを見出した。この結果は医学誌ニューロロジー(Neurology)に掲載された。

本研究者らによれば、この衝動制御障害は、パーキンソン病の治療薬が原因またはパーキンソン病自体が原因、もしくはその両方によるものである可能性があるほか、財政的・個人的・雇用・社会的な問題をもたらすものであり、パーキンソン病によって既に精神的に打撃を受けている介護者や患者自身への負担を増すものである。

パーキンソン病の発症に伴いドーパミン受容体刺激薬による治療を開始してから、衝動制御障害の症状を発現し始めたパーキンソン病患者50人を対象に、増減可能なナルトレキソン50~100 mg/日とプラセボを比較した(ドーパミン受容体刺激薬は試験中も通常通り継続)。

ナルトレキソンは1994年にアルコール依存症の治療薬としてFDAに認可された。それ以降、複数の試験で、ナルトレキソンが再飲酒の頻度や重症度を軽減するのに有効であることが裏付けられている。本剤は、オピオイド依存症や体内からの迅速な薬物除去に使用されることは少ない。

複数の評価項目、主に医師記入式CGI-C(臨床上の医師の印象による変化)と、研究チームが開発した患者記入式QUIP-RS質問票(Questionnaire for Impulsive-Compulsive Disorders in Parkinson's Disease-Rating Scale)により患者を評価した。パーキンソン病の症状や、その他の心理学的反応について、別途いくつかの評価ツールを用いて測定した。

8週間の試験では確定的な結果は得られなかった、と主著者であるペンシルベニア加齢医学研究所(Penn's Institute on Aging)の研究員で神精医学助教のダニエル・ワイントラウブ(Daniel Weintraub)博士は報告している。同氏は「主要評価項目(CGI-C)において、本剤の有益性は認められなかった」としている。しかし、副次的評価項目(QUIP-RS)において「本剤の有益性が認められ、少なくとも衝動制御障害の重症度の自己評価項目において、ナルトレキソンがパーキンソン病患者における衝動制御障害の重症度を軽減するのに役立つことが示唆された」と続けた。

ワイントラウブ氏は「興味深いのは、衝動制御障害がパーキンソン病に特異的なものではなく、パーキンソン病患者に主に使用される薬剤に対してのみ特異的である可能性のあることである。疾患の影響ではなく、単に特定の種類の過剰なドーパミン刺激によるものかもしれない。これらのパーキンソン病治療薬は、脳内のドーパミンD2受容体に対して非常に強力であり、それらに刺激または過剰な刺激を与えると、パーキンソン病の有無にかかわらず問題が起こる可能性があるように思われる」と説明している。

ワイントラウブ氏らは、今回の試験結果の限界は、試験が小規模である点と、QUIP-RSのような症状の重症度における連続評価と比較して、CGI-Cなどの全般評価に基づく転帰評価項目の解釈には特有の差がつきものである点だと考えている。

ワイントラウブ氏は、本予備試験は、パーキンソン病患者における衝動制御障害の治療法を特定することと、QOLを改善する可能性のあることにおいて、有望な第一歩であるとしている。同氏は「今回の結果は、パーキンソン病における衝動制御障害に対するランダム化比較試験を実施できるということを示しており、重要な点である」という。「主要評価項目について慎重に考えなくてはならないことも明らかにされている。本結果は、より大規模で決定的な臨床試験を用いて、ナルトレキソンやその他のオピオイド遮断薬などの薬剤を今後検討していくことを支持するものであると考えている」と続けた。


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