以下の場合、ドスティネックス0.5mgを絶対に服用しないでください。
・麦角製剤に対して過敏症の既往歴のある人
・心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限およびこれらに伴う狭窄などの心臓弁膜の病変が確認された人およびその既往のある人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・妊娠中毒症の人: 産褥期にけいれん、脳血管障害、心臓発作、高血圧が発現するおそれがあります。
・産褥期高血血圧の人: 産褥期にけいれん、脳血管障害、心臓発作、高血圧が発現するおそれがあります。
以下の場合、ドスティネックス0.5mgを慎重に服用してください。
・高度の肝機能障害またはその既往のある人: 外国で、重度の肝不全の人がドスティネックス0.5mgの血中AUCが上昇することが明らかにされています。
・胸膜炎、胸水、胸膜線維症、肺線維症、心膜炎、心嚢液貯留、後腹膜線維症またはその既往歴のある人: これらの症状を悪化させるおそれがあります。
・消化性潰瘍や消化管出血またはその既往歴のある人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・レイノー病の人: 末梢血管障害を悪化させるおそれがあります。
・精神病またはその既往歴のある人: ドパミン受容体作動性のため総合失調症の症状である幻覚、妄想などを悪化させる可能性があります。
・低血圧症の人: 血圧低下がみられることがあります。
・重篤な心血管障害またはその既往歴のある人: 外国で狭心症の報告があります。
・下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害などの著明な人:外科的な処置を必要とする下垂体腺腫の場合、類薬の使用により残存腺腫の線維化および易出血性の変化が起こり、手術の際に腺腫の摘出に支障をきたすことや、髄液鼻漏をきたすことが報告されています。
・妊婦または妊娠している可能性のある人: 妊娠中の服用に関する安全性は確立していないため、妊娠または妊娠している可能性がある人は、服用しないことが望ましいとされています。
また服用中に妊娠が確認された場合は、ただちに服用を中止することが望ましいとされていますが、やむを得ず服用する場合は、治療中の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ服用してください。
なお、下垂体腺腫のある人では、ドスティネックス0.5mgの服用中止により妊娠中に下垂体腺腫の拡大が起こることがあるので、服用中止後も観察を充分に行ない、腺腫の拡大を示す症状(頭痛、視野狭窄など)に注意してください。
・授乳婦: ドスティネックス0.5mgは乳汁分泌を抑制するため、授乳を望む人は服用しないでください。また授乳婦の服用は避けることが望ましいとされていますが、やむを得ず服用する場合は授乳を中止してください。
・高齢者: ドスティネックス0.5mgは肝臓で代謝されますが、高齢者では肝機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがあるため、用量に留意し、状態を観察しながら慎重に服用してください。
【重大な基本的注意】
・非麦角製剤と比較して、ドスティネックス0.5mgを含む麦角製剤服用中の心臓弁膜症、線維症の報告が多くなっています。
・ドスティネックス0.5mgの長期服用において、心臓弁膜症が現われることがあります。
・ドスティネックス0.5mgの服用開始に際して、聴診などの身体所見の観察、心エコー検査により潜在する心臓弁膜症の有無を確認してください。
・ドスティネックス0.5mgの服用中は服用開始後3-6カ月以内に、それ以降は少なくとも6-12カ月ごとにエコー検査を行なってください。
・間質性肺炎、胸膜炎、胸水、胸膜線維症、肺線維症、心膜炎、心嚢液貯留、後腹膜線維症が現われることがあります。
・前兆のない突発的睡眠、傾眠、起立性低血圧がみられることがあるため、自動車の運転、機械の操作、高所作業など危険を伴う作業には従事しないように注意してください。
・ドスティネックス0.5mgを長期連用する場合は、プロラクチン分泌が抑制され、婦人科的異常が起こる可能性があります。
・妊娠を望まない人は、避妊をしてください。
・妊娠を希望する人がドスティネックス0.5mgを服用する場合、妊娠を早期に確認するため定期的に妊娠反応などの検査を実施してください。
・乳汁漏出症や高プロラクチン血性排卵障害では、服用開始前にトルコ鞍の検査を行なってください。
・産褥性乳汁分泌の抑制で服用する際は、場合により氷罨法などの補助的方法を併用してください。
・レボドパまたはドパミン受容体作動薬を服用されたパーキンソン病の人において、病的賭博(個人的生活の崩壊などの社会的に不利な結果を招くにも関わらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進などが報告されています。
小児などに関する安全性は確立していません。
類薬の動物実験で、長期大量服用により子宮筋腫がみられた例があるとの報告があります。