テノーミン25は交感神経β受容体遮断薬です。主に高血圧症や冠状動脈性心疾患などの治療に用いられます。
高血圧症とは、血圧が慢性的に高い状態を指します。
血圧とは、血液が体内を循環する際に血管壁にかかる力のことです。
血圧が高い状態では心臓や血管壁にかかる負担が増すため心臓発作、脳卒中、心不全等の原因となることもあります。
血圧の正常値は120/80以下です。
血圧が120/80から139/89になると高血圧症予備軍と呼ばれ、140/90以上になると高血圧症となります。
高血圧症の原因に、遺伝的素因や生活習慣といった複合的な要素が絡み合うことにより起こると考えられてはいるが原因が未だ明確ではない本態性高血圧症、腎機能低下による腎実質性高血圧症、腎動脈が狭窄することによる腎血管性高血圧症、甲状腺機能亢進症などの疾患による内分泌性高血圧症、大動脈弁閉鎖不全症による心臓性高血圧症が挙げられます。
高血圧症患者の90%は、本態性高血圧症といわれています。
一般的に高血圧症には頭痛、肩こり、耳鳴り、目まい、手足のしびれなどといったもの以外にはこれと言った症状があらわれないため、放置されてしまいがちです。
その結果、合併症として、脳出血、くも膜下出血、心肥大や心不全などの誘発原因となってしまいます。
冠状動脈疾患とは、心臓の周りの動脈がコレステロールなどにより狭められ、深刻な場合は完全に塞がってしまいます。心臓に十分な血液が流れないため、胸の痛みや狭心症又は心筋梗塞などの原因になります。
テノーミン25は交感神経β受容体遮断薬であり、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)によるアドレナリンβ受容体ヘの受容体結合による刺激を阻害します。
ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)は交感神経の活動が活発になると放出される神経伝達物質で、各臓器に存在するアドレナリン受容体に結合することにより、さまざまな反応をひきおこします。
アドレナリン受容体にはα受容体とβ受容体とがあり、β受容体には心臓収縮回数増加や血液量増加による血圧上昇作用があるとされています。
アテノロールはノルアドレナリン(ノルエピネフリン)のβ受容体への結合を阻害し心臓の収縮力を弱めたり、脈拍を少なくする作用によって血圧を下げる作用をもたらすといわれています。