抗HIV薬 - このカテゴリーに関連するニュース・情報
下記の内容は、当サイトがWeb上の英語で書かれたニュースや記事を独自に訳したものであり、当サイトはその内容、翻訳の正確性に関して一切免責とさせて頂きます。この点をご理解の上、参考になさってください。また、この翻訳文の無断利用はお控え下さい。
2012-07-20
ソース(記事原文):インディペンデント紙
ツルバダ:HIV感染リスクが最も高い人達にとって良いニュースの日となった
インディペンデント紙(2012年7月20日)― ウィニー・サニュー・スルーマ(Winnie Ssanyu Sseruma)著
来週の国際エイズ会議(International AIDS Conference)に先立ち、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration : FDA)はツルバダと呼ばれる「素晴らしい」薬に新たな承認を与えました。この薬は、最も感染しやすい人達の一部において、新たなHIV感染を減らす助けとなるでしょう。
テノフォビルとエムトリシタビンの配合錠であるツルバダの承認は、「感染予防としての投与」のほか、抗レトロウイルス療法としての有効性にも基づいています。この薬の恩恵を受ける人の中には、一方のパートナーがHIV陽性であり、他方はそうでないという関係におけるHIV陰性のパートナーもいます。HIV陰性のパートナーは、HIV感染症にならないようにするためにこの薬を服用するでしょう。いくつかの臨床試験において、ツルバダはHIV感染を最大75%減少させたことが明らかにされました。抗HIV療法という成長し続ける科学の旅において、ツルバダの承認とその有効性は本当に良いニュースです。そして私達は、新たなHIV感染を最小限にとどめるのに寄与できる良いニュースであれば、どんなものでも必要としています。
しかし、このニュースはツルバダの承認を取り巻く関係者の雰囲気を壊すことを恐れて、現時点では実際に誰も話したがらない問題をいくつか隠しています。最大の問題は、この経済情勢の下、いったい誰がこの高価な薬の代金を支払うのかということです。さまざまなニュース記事で見積もられている数字によれば、治療には年間で最高13,000ドルの費用がかかることになります。私達はすでに、治療が今すぐ必要なのに治療を受けることができないHIV感染者をあまりにも多く抱えすぎています。
次に副作用の問題もあり、異常な皮膚感覚および皮膚変色(小さなシミやそばかす)、背中の痛み、咳、下痢、消化不良、関節痛、食欲不振、悪心、奇妙な夢、発汗、疲労感、睡眠障害、嘔吐、脱力感、体重減少をはじめとした非常に多くの副作用がみられます。20年以上にわたって何らかの抗HIV療法を受けており、副作用のいくつかを経験している立場の人間として言えば、これは大変な試練です。軽い副作用をいくつか経験するという恐怖だけでも、治療を受ける人のやる気を失わせる恐れがあります。
そのほかには、治療に疲れてしまうという問題があります。最近、ある研究が発表されており、HIV感染者は治療期間が長くなるほど、抗HIV薬の服用を忘れたり、服用に疲れたりする傾向が高くなることが示されました。抗HIV療法は、少なくとも現時点では生涯にわたるものです。ツルバダの承認は、この薬を長期的に服用する人達の現実によって、その利点と問題点の帳尻を合わせる必要があります。
話は変わりますが、私は自分が感じる気持ちも共有したいと考えており、3年に一度開催されるイネレラプラス(INERELA+)の総会の初日に参加しました。この総会は、米国初の黒人のみの大学であるハワード大学(Howard University)構内のファウンダーズ・ライブラリー(Founder’s Library)で開かれました。イネレラプラスは、HIV感染者およびエイズ患者である宗教指導者を集めるとともに、この相対的優位性を生かして他の宗教指導者や宗教団体に影響を与えることで、HIV感染症に関連して受ける恥辱を減らし、親しみの心を持つのにうってつけの場を作るという考えの下、10年余り前に始まりました。イネレラプラスの宗教指導者の会員は10年間で7,000人以上となり、現在も増え続けています。そして、彼らはHIV感染症への対応における重要なパートナーと見なされているのです。彼らの健闘を祈っています。
ウィニー・サニュー・スルーマさんは、クリスチャンエイド(Christian Aid)の地域医療・HIVチーム(Community Health & HIV team)のための支援・各種ネットワーク担当者(Advocacy and Networks Officer)です。彼女も、25年近くHIVとともに生きています。