チオーバ・インヘラー9mcgは持続性に優れているため、1日1回の使用で効果を発揮します。
喫煙、非喫煙を問わずに、臭化チオトロピウムはほぼ同等に気管支拡張効果を現わしたことが報告されています。
臭化チオトロピウムは呼吸機能を4年間継続して有意に改善したとの試験結果が出ています。
臭化チオトロピウムは心血管疾患のリスクを増大させず、また死亡率の低下が認められています。
臭化チオトロピウムを有効成分とした薬は、日本ではスピリーバ(日本ベーリンガーインゲルハイム、ファイザー)として、また海外ではSpirivaなどの名前で発売されています。
【特別な注意】
以下の場合、チオーバ・インヘラー9mcgを絶対に使用しないでください。
・緑内障の人: 眼内圧を高め、症状を悪化させるおそれがあります。
・前立腺肥大などによる排尿障害のある人: さらに尿を出にくくすることがあります。
・アトロピンおよびその類縁物質あるいはチオーバ・インヘラー9mcgの成分に対して過敏症の既往歴のある人
以下の場合、チオーバ・インヘラー9mcgを慎重に服用してください。
・心不全、心房細動、期外収縮の人、またはそれらの抗歴のある人: 心不全、心房細動、期外収縮が発現することがあります。
・腎機能が高度あるいは中等度低下している人(クレアチニンクリアランス値が50ml/分以下の人): チオーバ・インヘラー9mcgは腎排泄型であり、腎機能低下の人では血中濃度の上昇がみられます。
・前立腺肥大の人: 排尿障害が発現するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・チオーバ・インヘラー9mcgは急性増悪の治療を目的としておらず、慢性閉塞性肺疾患に基づく症状を安定させるためには、チオーバ・インヘラー9mcgを継続して使用する必要があります。
ただし用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、チオーバ・インヘラー9mcgが適当ではないと考えられるので、漫然と使用を継続せずに中止してください。
・チオーバ・インヘラー9mcgの吸入後、即時型過敏症(血管浮腫を含む)が発現する可能性があるので、異常が認められた場合は服用を中止し、適切な処置を行なってください。
・吸入薬の場合、薬剤の吸入により気管支けいれんが誘発される可能性があるので、異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行なってください。
・チオーバ・インヘラー9mcgの使用時は目に入らないように注意してください。
結膜の充血および角膜浮腫にともなう赤色眼とともに眼痛、眼の不快感、霧視、視覚暈輪あるいは虹輪が発現した場合、急性閉塞性隅角緑内障の兆候の可能性があります。
・腎機能が低下している高齢者が使用する場合は、治療性の有益性と危険性を勘案して慎重に使用し、有害事象の発現に注意してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・チオーバ・インヘラー9mcgは急性増悪の治療を目的として使用する薬剤ではありません。
安全性が確立していないため、妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
授乳中の人は使用を避け、やむを得ず使用する場合は授乳を中止してください。
チオーバ・インヘラー9mcgの抗コリン作用により、急性緑内障が現われる可能性があります。