以下の場合、セルティマ100を絶対に服用しないでください。
・セルティマ100の成分に対し過敏症の既往歴のある人
・MAO阻害剤を服用中あるいは服用中止後14日間以内の人
・ピモジドを使用中の人
【慎重服用】
・肝機能障害のある人: 血中濃度半減期が延長し、AUCおよびCmaxが増大することがあります。
・躁うつ病の人: そう転、自殺企図があらわれることがあります。
・自殺念慮または自殺企図の既往のある人、自殺念慮のある人: 自殺念慮、自殺企図があらわれることがあります。
・脳の器質的障害または統合失調症の素因のある人: 精神症状を増悪させることがあります。
・衝動性が高い併存障害を有する人: 精神症状を増悪させることがあります。
・てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある人: けいれん発作を起こすことがあります。
・QT延長またはその既往歴のある人、QT延長を起こすことがしられている薬剤を服用中の人、著明な徐脈や低カリウム血症などがある人: QT延長、心室頻拍(Torsades de pointes を含む)を起こす可能性があります。
・出血の危険性を高める薬剤を併用している人、出血傾向または出血性素因のある人: 鼻出血、胃腸出血、血尿などが報告されています。
・緑内障またはその既往歴のある人: 眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがあります。
・高齢者
・小児
【重要な基本的注意】
・うつ症状を呈する人は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような人は服用開始早期ならびに使用量を変更する際には状態および病態の変化を注意深く観察してください。
・不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽そう、そう病などがあらわれることが報告されています。また因果関係は明らかではありませんが、これらの症状・行動を来たした症例において、基礎疾患の悪化または自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されています。状態および病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行なってください。
・自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる人が服用する場合は、1回分の処方日数を最小限にとどめてください。
・自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性などの行動の変化および基礎疾患悪化があらわれるリスクなどについて充分理解し、医師と緊密に連絡を取り合うようにしてください。
・眠気、めまいなどがあらわれることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械を操作する際には充分注意してください。
・服用中止(突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯覚感、頭痛および悪心などがあらわれることが報告されています。使用を中止する場合には、突然の中止を避け、状態を観察しながら徐々に減量してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・抗うつ剤の使用により、24歳以下の人で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、セルティマ100の使用にあたっては、リスクとベネフィットを考慮してください。
・海外で実施された6-17歳の大うつ病性障害の人を対象としたプラセボ対照臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告があります。セルティマ100を18歳未満の大うつ病性障害の人が服用する際には適応を慎重に検討してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
セルティマ100の使用量は、予測される効果を充分に考慮し、必要最小限となるよう、慎重に観察しながら調節してください。
【その他の注意】
・海外で実施された大うつ病性障害などの精神疾患を有する人対象とした、セルティマ100を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の人では自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤使用群でプラセボ群と比較して高かったとの報告があります。なお、25歳以上の人における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少しました。
・主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン阻害剤および三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を使用した人で、骨折のリスクが上昇したとの報告があります。
・海外で実施された臨床試験において、セルトラリンを含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤が精子特性を変化させ、受精率に影響を与える可能性が報告されています。
・電気けいれん療法との併用については、その有効性および安全性が確認されていません。
セルティマ100は、主として肝臓で代謝されますが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続し、出血傾向の増強などが起こるおそれがあります。高齢者においては、肝機能、腎機能の低下を考慮し、用量などに注意して慎重に服用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
妊娠末期にセルトラリンあるいはほかのSSRI、SNRIを服用した人が出産した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後に現れたとの報告があります。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調節障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、ふるえ、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されています。
海外の疫学調査において、妊娠中にセルトラリンを含むSSRIを使用した人が出産した新生児において、新生児遷延性肺高血圧症のリスクが増加したとの報告があります。
授乳中の人は服用を避けることが望ましいとされていますが、やむを得ず服用する場合は授乳を避けてください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は国内で確立していません。
海外で実施された6-17歳の大うつ病性障害(DSM-IVにおける分類)を対象としたプラセボ対照二重検比較試験において有効性が確認できなかったとの報告があります。またセルトラリン群でみられた自殺企図は、プラセボ群と同様であり、自殺念慮はセルトラリン群で1.6%にみられました。これらの事象とセルトラリンとの関連性は明らかではありません(海外にいてセルトラリンは小児大うつ病性障害に対する適応を有していません)。