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2013-02-22
ソース(記事原文):mySteinbach.ca
セラペプターゼ―カイコから人への贈り物
mySteinbach.ca(2013年2月22日)― ドリス・ペナー(Doris Penner)
セラペプターゼはセラチオペプチダーゼという名でも知られている酵素で、日本で最初に発見されました。カイコは成虫になると、自分で作った繭に穴をあけ、そこから抜け出してライフサイクルを次へとつないでいくことができます。当時、カイコの生命プロセスを研究していた昆虫学者らが、この繭に穴をあけるという能力にはカイコの腸内細菌から作られる酵素(セラチオペプチダーゼ)が関与していることを発見しました。
研究者らによって、繭は線維(フィブリン)で作られていること、そしてこの線維は人の血管系で作られる線維性「プラーク」ととてもよく似ていることが明らかにされました。ある無名の研究者は、もし、セラペプターゼが繭のフィブリンだけを溶かして、カイコの体のどの細胞も損傷しないのであれば、人の体で作られるフィブリンも安全に溶かすことができるかもしれないと推論しました。
長年にわたる研究と試験の後、実際にセラペプターゼはCHD(冠動脈心疾患)患者の動脈に蓄積したプラークを安全に溶かすことが証明され、CHD患者の治療薬として確立されました。
セラペプターゼ:天然の抗炎症薬
複数の臨床研究でも、セラペプターゼがいくつかの組織内で抗線溶・抗炎症・抗浮腫(腫脹や体液貯留の阻止)作用を誘発すること、また、その抗炎症作用は他のタンパク質分解酵素より優れていることが示されています。
炎症の軽減に加えて、セラペプターゼの効果の中で最も著明とされるものの1つに痛みの軽減があります。これは、痛みを誘発するアミンが炎症組織から放出されるのを、セラペプターゼがブロックするためです。アジアやヨーロッパの医師は、この天然物質の抗炎症効果や痛みのブロック効果を認識しており、サリチル酸、イブプロフェン、その他NSAIDの代替薬として治療に使用しています。
セラペプターゼは次の3通りの働きをすると考えられています。
・外傷でできた膿の粘度を低下させ、その排出を促進することによって炎症を抑える。その結果、組織の修復スピードも速くなります。
・痛みを誘発するアミン(ブラジキニンと呼ばれる)の放出を抑制することにより、痛みの軽減を助ける。
・血液凝固にかかわるタンパク質の代謝産物(フィブリンと呼ばれる)を分解することにより、心血管の健康状態を高める。好都合なことに、セラペプターゼはフィブリンを溶かすだけでなく、死んだり損傷したりした組織も溶かすことができる一方、生きている組織には害を与えません。つまり動脈の内面には害を与えずに、動脈硬化性プラークを溶解することが可能です。
セラペプターゼは多くの国で、効果の高い抗生物質補助薬として使用されています。この酵素が炎症性疾患に対処する際には、炎症と闘うだけでなく、痛みや腫れも和らげ、回復時間も短縮し、免疫系も刺激します。セラペプターゼには「スカベンジング(除去)」作用もあります。体が毒素を出す仕組みを通じて重金属の除去を助けることにより、免疫系を調節し、ホルモンバランスの崩れに対処し、傷や組織の修復にかかる時間を短縮します。
医薬品としてのセラペプターゼは、もとはカイコの腸管で見つかった細菌株から作られます。この製造過程はヨーグルトを作る場合と似ています。製造過程にカイコは使用しません。
人の健康や幸福のためにこの素晴らしい贈り物を与えてくれたことを、母なる自然に感謝しましょう。