スチュゲロン・フォルテ75mgは、内耳迷路障害、めまい、耳鳴り、眼振、吐き気、嘔吐などの維持療法、片頭痛予防、脳血管由来による症状(めまい、耳鳴り、血管性頭痛、記憶障害、集中力欠如など)の維持療法、末梢循環障害症状(レイノー症状、先端チアノーゼ、関節性跛行、栄養障害、栄養障害性潰瘍、静脈瘤性潰瘍知覚障害、夜間こむら返り、末端冷え性)の維持療法に使用される薬です。
脳出血、脳梗塞、一過背脳虚血発作のようなはっきりとした原因がなく、なおかつCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像法)などの検査でも明らかな異常が認められない脳から起こるめまいを脳循環障害と呼びます。
激しい発作などはほとんど起こりませんが、軽いめまいやめまい感、場合によってはよろめきを伴うこともあります。
脳循環障害は、高血圧や、動脈硬化、脳梗塞、高脂血症、不整脈などで起こる血栓が関与していると考えられています。
末梢循環障害は、心機能が低下して手や足の先など末梢の血液循環が悪くなり、その結果として手足の冷えやしびれなどの症状が現われる障害です。
高脂血症、動脈硬化、糖尿病などのある人では、特に起こりやすいとされています。
また病状が進行すると四肢末梢の血流不足が発作的に発生して、冷感や皮膚色の変化が現われるレイノー現象が現われることもあります。
平衡障害は、左右の耳にある平衡感覚をつかさどる器官である三半規管の異常や、この三半規管から身体の傾き程度を脳に伝える神経(前庭神経)に充分に血液が行き渡らないことで、めまいやふらつき、転倒などの症状が起こる疾患です。
いずれの障害も、血流が滞ることが原因となって発生しますが、これらの症状を改善する働きをするのがスチュゲロン・フォルテ75mgです。
有効成分のシンナリジンは、かつて日本では脳循環代謝改善薬として発売されていましたが、海外では選択的カルシウム流入阻害薬(カルシウム拮抗薬)として発売されています。また興奮した中枢神経を抑制する抗ヒスタミン効果も兼ね備えています。
人体におけるカルシウムは、骨をつくる以外に、筋肉の収縮をコントロールする働きを持っており、カルシウムが体内にある特定の道を通過すると、そこで電気的な変化が生じて血管が収縮するなどの作用をします。
これをカルシウムチャネルといいます。
スチュゲロン・フォルテ75mgは、カルシウムがこの道に入り込まないようにすることで、血管の平滑筋の収縮を抑え、血管が広げて血液の通りをよくすると同時に、血圧を下げる働きを持つカルシウム流入阻害薬です。
さらにシンナリジンが持つ抗ヒスタミン作用は脳の中枢に働き、快・不快を判断する脳の働きを抑え、自律神経の興奮を鎮める働きも発揮します。