シリボン70mgは、主に肝臓の機能亢進、細胞保護、修復作用を持つために、アルコール性肝障害、肝炎、肝硬変などの治療に使用されるほか、抗がん作用、抗炎症作用、胃粘膜損傷抑制作用なども持ち、ほかの薬剤、サプリメント、ハーブなどと組み合わせることにより、さらに有益な相互作用を示すことが知られています。
シリボン70mgの有効成分であるシリマリンは、マリアアザミ、ミルクシスル、オオアザミ、オオヒレアザミと呼ばれる、ヨーロッパに生息するキク科オオアザミ属のハーブ種子に含まれるフラボノイドの一種で、古くから肝臓や胆のうの病気治療の民間療法に使用されている天然成分です。
シリマリンのさまざまな作用は、抗酸化物質であるグルタチオンの体内での合成を促進することによると考えられています。
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンから成るアミノ酸の一種で、細胞の機能低下や体内で変異をもたらす有害物質を強力に解毒して肝臓機能を高めるだけでなく、成長ホルモンの分泌を促し、細胞の老化やがん化を起こすと言われている過酸化脂質の生成や、過酸化脂質から体を防御する働きも持っています。
また近年ではグルタチオンのパーキンソン病に対する適用についても研究されており、グルタチオンがパーキンソン病の原因と考えられているドーパミン受容体の感受性を高めることから80-90%の治療効果を上げ、またセロトニン受容体の感受性も高めるために、パーキンソン病に伴ううつ症状の改善にも有用であるとの報告もあります。
そのほかにも、グルタチオンは、シミ・ソバカスの原因であるメラニン色素の生成を促すチロシナーゼの働きを強く阻害してシミ・ソバカスができるのを体内から防ぎ、さらにその強力な抗酸化作用によりシワやたるみなどの老化を防止にも効果を発揮すると言われています。
シリマリンの服用により、健常者の50%以上が肝臓でのグルタチオンが35%以上増加したとの研究結果もあり、シリマリンは肝臓機能の改善はもちろんのこと、体の細胞を酸化させ、老化を早めたり変質させることでがんを誘発する活性酸素の抑制や、免疫亢進に対しても効果を発揮し、さらにアンチエイジング作用を持つ成分として注目されています。
そのほか、シリマリンは以下の成分と組み合わせることで有益な効果をもたらすことが知られています。
●コリン、グルタチオン、イノシトール、メチオニン
シリマリンの肝臓の病気、特に肝炎、黄だん、脂肪肝、肝硬変に対する効能が高まる可能性があります。
●N-アセチルシステイン
シリマリンの、薬物・化学品・毒物などで損傷した肝臓に対する修復機能が高まる可能性があります。
●ロバスタチン、アトルバスタチン、クロフィブラート、ジダノシン、インジナビル
これらの薬剤の服用による副作用で生じる肝障害から肝臓を保護する作用が期待されています。
●セレコキシン、ロフェコキシン、タモキシフェン
これらの薬剤の服用による肝臓への刺激から肝臓を保護する効能が期待されています。
●シスプラチン、フルバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン
これらの薬剤の服用による肝毒性から肝臓を保護する効能が期待されています。
●ブラバスタチン
ブラバスタチンの服用による肝臓障害・肝毒性から肝臓を保護する効能が期待されています。