以下の場合、イミュトレックス2.5を絶対に服用しないでください。
・イミュトレックス2.5の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある人
・肝障害のある人: 肝障害を増悪させるおそれがあります。
・腎障害のある人: イミュトレックス2.5の排泄遅延により副作用が強く現れるおそれがあります。
・胸水、腹水などのある人: 胸水、腹水などに長期間貯留して毒性が増強されることがあります。
【慎重服用】
・骨髄機能抑制のある人: 骨髄機能抑制を増悪させるおそれがあります。
・感染症を合併している人: 骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがあります。
・水痘の人: 致命的全身障害が現れることがあります。
【重要な基本的注意】
・骨髄機能抑制、肝・腎脳障害などの重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、尿検査など)を行なうなど、状態を充分に観察してください。異常が認められた場合には減量、休薬などの適切な処置を行なってください。また使用が長期間にわたると副作用が強く現れ、遷延性に推移することがあるので、服用は慎重に行なってください。
・出血性腸炎、消化管潰瘍・出血などの消化管障害が現れることがあるので、口内炎、激しい腹痛、嘔吐、下痢などの症状が現れた場合には服用を中止し、適切な処置を行なってください。また口内炎が現れた場合には、直ちに医師に連絡してください。
・感染症、出血傾向の発現または増悪に充分注意し、異常が認められたときには服用を中止し、適切な処置を行なってください。また発熱、倦怠感が現れた場合には、ただちに医師に連絡してください。
・小児および高齢者が服用する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に服用してください。
・小児および生殖可能な年齢の人が服用する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮してください。
・イミュトレックス2.5と放射線療法の併用により軟部組織壊死および骨壊死の発現頻度が高まるという報告があります。併用治療を行なう場合は当該症状の発現を考慮してください。また併用治療後は観察を充分に行ない、異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。
・副作用が発現した場合には、適切な処置を行ないながらメトトレキサートの拮抗剤であるロイコボリンカルシウムを使用してください。
・免疫機能が抑制された人への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強または持続させるおそれがあるので、イミュトレックス2.5の服用中に生ワクチンを接種しないでください。
・B型またはC型肝炎ウイルスキャリアの人に対するメトトレキサートの使用により、重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例が認められています。またメトトレキサート服用終了後にB型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎などの発現なども報告されています。B型またはC型肝炎キャリアの人に対しイミュトレックス2.5を使用する場合、服用期間中および終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行なうなど、B型またはC型肝炎ウイルス増殖の兆候や症状の発現に注意してください。
【その他の注意】
・メトトレキサートを長期使用した人あるいはメトトレキサートとほかの抗悪性腫瘍剤を併用した人に、悪性リンパ腫、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)などの二次発がんが発生したとの報告があります。
・免疫機能が抑制された人にワクチン接種をした場合、抗体反応の欠如が報告されています。
・メトトレキサートを通常療法で副作用が発現した場合には、適切な処置を行ないながら、メトトレキサートの拮抗剤であるロイコボリンカルシウムを通常、成人1回6-12mgを6時間間隔で4回筋肉注射します。あるいは、通常、成人1回10mgを6時間間隔で4回経口服用します。なお過剰使用した場合には、使用したメトトレキサートと同量のロイコボリンを使用します。
高齢者では腎機能など生理機能が低下していることが多く、メトトレキサートの排泄遅延により副作用が現れやすいので、腎機能検査値に充分注意し、状態を観察しながら慎重に服用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は服用しないことが望ましいとされています。
授乳中の人は服用しないでください。
低出生体重児、新生児、乳児(1歳未満)に対する安全性は確立していません。
トリメトプリム(スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤)を併用した場合、2水素葉酸還元酵素を用いたメトトレキサート濃度の測定で見かけ上高値を呈することがあるので注意してください。