アルゼプスプレー式点鼻薬は、抗ヒスタミン剤の塩酸アゼラスチンを有効成分とするスプレー式点鼻薬で、主に季節性アレルギー性鼻炎に効果を発揮します。
アレルギー性鼻炎は、鼻や口からアレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)を吸い込むことで、鼻の粘膜がこれらの異物を排除しようと過剰に反応して起こるさまざまな症状です。
くしゃみ、鼻水(水性鼻漏)、鼻づまり(鼻閉)がアレルギー性鼻炎の三大症状で、その主な原因には花粉、ハウスダダスト、かび類、小麦粉などがあります。
アレルギーはその発生の仕組みからI-IV型に分類されていますが、このうちアレルギー性鼻炎は、IgE抗体が引き起こすアレルギーI型に属しています。
まず抗原が体内に入ると生体防御のためにIgE抗体がつくられて肥満細胞や白血球の一種である好塩基球の細胞膜に付着します。
この抗体と抗原が結合すると、ヒスタミンやロイコトリエンなどの物質が放出されることで血管拡張や血管透過性亢進などが起こり、通常は10分以内にアレルギー症状が現われます。
有効成分の塩酸アゼラスチンは、アレルギー症状を引き起こす体内物質であるヒスタミン、ロイコトリエンに対する拮抗作用とその遊離を抑制する作用により、くしゃみ、鼻みずといったアレルギーによる鼻炎症状や、じんましん、湿疹・かぶれによる皮膚のはれ、かゆみに優れた効果を発揮する抗ヒスタミン剤です。
ヒスタミンには血管拡張などの作用があり、アレルギー反応や炎症の発現には介在物質として働きます。
しかしその作用をするためには、血管内皮細胞にあるヒスタミン1型受容体(H1受容体)と呼ばれるたんぱく質と結合する必要があります。
塩酸アゼラスチンはこのヒスタミンとヒスタミン1受容体が結びつくのを阻害するすることによってアレルギー症状を緩和する作用を発揮します。