以下の場合、アポ・ナドロール40mgを絶対に服用しないでください。
・気管支喘息、気管支けいれん、慢性閉塞性疾患のおそれのある人: 気管支筋を収縮させ、喘息症状の誘発および症状の悪化を招くおそれがあります。
・糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある人: 心筋収縮力の抑制が増強されるおそれがあります。
・高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II度、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある人: 心刺激伝導の抑制により、症状の悪化をきたします。
・心原性ショックの人: 心拍出量の抑制により、循環不全が悪化するおそれがあります。
・肺高血圧による右心不全のある人: 出拍出量の抑制により、症状の悪化をきたすおそれがあります。
・うっ血性心不全のある人: 心収縮力抑制作用により、症状の悪化をきたすおそれがあります。
・異型狭心症の人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人: 妊娠中の服用に関する安全性は確立していないため、妊婦または妊娠している可能性のある人は服用しないでください。
【慎重服用】
・うっ血性心不全のおそれのある人: 心収縮力抑制作用により、心不全症状を誘発するおそれがあるため、観察を充分に行ない、強心配糖体を併用するなど慎重に服用してください。
・低血糖症、コントロール不充分な糖尿病、長期間絶食状態の人: 低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である心悸亢進、頻脈などの症状をマスクしやすいので、血糖値に注意してください。
・重篤な肝障害のある人: 肝障害を悪化させるおそれがあります。
・腎障害のある人: 血中濃度が高値になることがあるので、クレアチニンクリアランス値が50mL/分、糸球体ろ過値が50mL/分以下の場合は、服用間隔を延長するなど慎重に服用してください。
・徐脈、房室ブロック(I度)のある人: 心刺激伝導の抑制により、症状の悪化をきたすおそれがあります。
・末梢循環障害のある人(レイノー症候群、間欠性跛行症など): 末梢血管の拡張を抑制し、症状の悪化をきたすおそれがあります。
・甲状腺中毒症の人: 頻脈などの甲状腺中毒症状をマスクすることがあります。
・高齢者: 脳梗塞などが起こるおそれがあるため、一般に過度の降圧は好ましくないとされています。また、休薬を要する場合は、徐々に減量してください。アポ・ナドロール40mgは主として腎臓から排泄されますが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあります。
・小児など: 小児などに対する安全性は確立していません。
【重要な基本的注意】
・服用が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線など)を定期的に行なってください。特に徐脈になったときおよび低血圧を起こした場合には、減量または中止してください。また必要に応じて硫酸アトロピンを使用してください。なお、肝機能、腎機能、血液像などに注意してください。
・類似化合物(塩酸プロプラノロール)を服用中の狭心症の人で、急に服用を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休業を要する場合は、徐々に減量し、観察を充分に行なってください。また医師の指示なしに服薬を中止しないように注意してください。狭心症以外の適用、例えば不整脈で服用する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をしてください。
・甲状腺中毒症の人: 急に服用を中止すると症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合は、徐々に減量し、観察を充分に行なってください。
・手術前48時間は服用しないことが望ましいとされています。
・めまい、ふらつきが現われることがあるので、アポ・ナドロール40mgを服用中の人は、自動車の運転など危険を伴う機械の作業に注意してください。
【用法、用量に関連する使用上の注意】
・褐色細胞腫の人は、アポ・ナドロール40mgの単独服用により急激に血圧が上昇することがあるので、α(アルファ)-遮断剤で初期治療を行なった後にアポ・ナドロール40mgを服用し、常にα-遮断剤を併用してください。
母乳中に移行することが方向されているので、授乳婦の人は服用を避けることが望ましいが、やむを得ず服用する場合は授乳を避けてください。
β(ベータ)-遮断剤(塩酸プロプラノロールなど)の服用中の人は、ほかの薬剤などによるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また通常用量のアドレナリンによる治療には反応しにくいとの報告があります。