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2013-03-26
ソース(記事原文):e!サイエンス・ニュース
アジスロマイシンは気管支拡張症の治療に有用かもしれない
e!サイエンス・ニュース(2013年3月26日)― JAMA 3月27日号に掲載された2件の研究論文によると、非嚢胞性線維症で気管支拡張症の患者に対し抗菌薬アジスロマイシンまたはエリスロマイシンを投与したところ、症状は改善したが抗菌薬の耐性リスクも高まった。気管支拡張症は、気管支(肺の奥深くに枝状に広がる気管)の異常な拡張を特徴とし、反復する肺感染、日常生活に支障を来すほどの咳、息切れ、喀血を引き起こす。一方の研究論文の背景情報によれば、「この病気が進行すると、呼吸不全になり肺移植が必要となるか、死に至るおそれがある」そうだ。マクロライド系(抗生物質のクラス)の抗菌薬には抗菌作用のほかに抗炎症作用もあり、気管支拡張症の有効な治療薬になるのではと考えられている。すでに、嚢胞性線維症(CF)の治療にマクロライド系抗菌薬は有用なことが分かっており、非CF気管支拡張症にも有効であると、複数の小規模試験の結果が示唆している。
オランダ、アルクマール医療センター(Medical Centre Alkmaar)のジョシー・アルテンバーグM.D.(Josje Altenburg, M.D.)と同僚らは多施設共同試験を実施して、非CF気管支拡張症患者の増悪回数を減少させるため、標準治療に加えた1年間の低用量マクロライド療法は有効かどうかを調べた。この無作為化プラセボ対照試験は、オランダにある14の病院で2008年4月から2010年9月にかけて行われ、被験者は非CF気管支拡張症があり前年に下気道感染症を3回以上経験した外来患者83名であった。患者らは12カ月間、アジスロマイシン(250 mg/日)またはプラセボのいずれかを服用した。
被験者の43例(52%)がアジスロマイシンを服用し、40例(48%)がプラセボを服用して、修正インテンション・トゥ・トリート解析(ITT解析)の対象とされた。1年の投与期間中に増悪をきたして抗菌薬で治療したと報告された事例は計117件あり、そのうちの78件がプラセボ群であった。論文の著者らによれば、「投与期間中の増悪回数の中央値は、アジスロマイシン群が0回であったのに対し、プラセボ群では2回だった。プラセボ群の40例のうち、32例(80%)が試験期間中に1回以上の増悪を経験した。アジスロマイシン群で同期間中に1回以上の増悪を経験したのは、43例中20例(46.5%)であったため、絶対リスク減少率は33.5%となった。臨床的に安定した状態を保つためアジスロマイシン治療が必要となった患者の数は3.0例であった。」
「消化器への有害影響がみられたのは、アジスロマイシン群では40%、プラセボ群では5%であったが、投与中止の必要はなかった。留意すべきこととして、アジスロマイシン群ではマクロライド耐性率が88%であったのに対し、プラセボ群では26%であった。」
「結論としては、マクロライド維持療法は非CF気管支拡張症患者の増悪の減少に有効であった。今回の試験では、アジスロマイシン投与により肺機能は改善し、生活の質も向上したが、消化器への有害影響が増加し、マクロライド耐性率も高かった」著者らはそう述べている。
もう一方の研究では、メイター成人病院(Mater Adult Hospital)(オーストラリア、サウス・ブリスベン)のデイビッドJ.セリジエM.B.B.S., D.M., F.R.A.C.P.(David J. Serisier, M.B.B.S., D.M., F.R.A.C.P.)と同僚らが試験を実施して、非CF気管支拡張症で頻繁に増悪を経験する患者において低用量エリスロマイシンは肺症状増悪を減らすという仮説を検証した。
試験の内容は、12カ月のエリスロマイシン無作為化比較試験で、被験者は現在喫煙しておらず、非CF気管支拡張症があり前年に感染性増悪を2回以上経験した成人患者であった。この試験は2008年10月から2011年12月にかけて、大学付属病院で行われた。患者は1日2回、エチルコハク酸エリスロマイシン(400 mg)またはプラセボのいずれかを服用した。主要評価項目は、『試験の実施計画書に規定の肺症状増悪(PDPE)』発生回数を、患者1人あたりの平均年間発生率としたものであった。副次評価項目はマクロライド耐性および肺機能であった。
679名の患者のスクリーニングを行い、117名を2群に無作為に割り付け(エリスロマイシン群59例、プラセボ群58例)、107名(91.5%)が試験を完遂した。研究者らは、エリスロマイシンがPDPEを有意に減少させたことを明らかにした(エリスロマイシン群で76回、プラセボ群で114回であったため、患者1人あたりの平均年間発生率はそれぞれ1.29、1.97)。エリスロマイシン群でPDPEが0回だった患者は20例(プラセボ群では16例)、2回以上あった患者は10例(プラセボ群18例)であった。
事前に、ベースラインで緑膿菌気道感染症がある患者をサブグループとして定め、その解析を行ったところ、エリスロマイシンは同サブグループでもPDPEを減少させた。さらに、総呼吸イベント数(PDPEと非PDPEの合計)もエリスロマイシン群のほうが有意に少なかった(111回対176回(プラセボ群)であったため、患者1人あたりの平均年間発生率は1.88対3.03)。
「エリスロマイシンはプラセボと比較して、24時間喀痰産生量を減らし、肺機能低下を抑えた。またマクロライド耐性口腔レンサ球菌の割合も高めた」と著者らは述べている。
「結論として、低用量エリスロマイシンの長期投与は有意に増悪を減らし、肺機能低下を防ぎ、喀痰産生量を減らした一方、口腔レンサ球菌のマクロライド耐性も有意に高めた。実際の臨床でマクロライド療法を行う際は、この治療法による菌耐性に注意を要する。マクロライド療法には限界があるため、頻繁に増悪を経験し、緑膿菌感染症も有する患者が適切なサブグループとなりうるか評価するには、さらに多くの研究が必要である。」
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