その他の医薬品 - このカテゴリーに関連するニュース・情報
下記の内容は、当サイトがWeb上の英語で書かれたニュースや記事を独自に訳したものであり、当サイトはその内容、翻訳の正確性に関して一切免責とさせて頂きます。この点をご理解の上、参考になさってください。また、この翻訳文の無断利用はお控え下さい。
2012-02-01
ソース(記事原文):整形外科トゥデイ
関節形成術にてトラネキサム酸含有の輸液を最初に投与すると輸血をする必要性が減少
整形外科トゥデイ(2012年2月号)― 関節再建における最新コンセプト(Current Concepts in Joint Replacement)2011年冬期総会での発表によれば、人工股関節置換術または膝関節置換術を施行する患者に対し、輸血やトラネキサム酸などの抗線溶薬を使用するよりも、最初に輸液を投与した方が、輸血の必要性ならびに失血を減少できる。
マーク・パガーノ(Mark W. Pagnano)博士の発表によれば「失血を最小限に抑えると、輸血も最少になるので言うまでもなく望ましいことである」という。「輸血は社会復帰と退院を著しく遅らせるとともに、患者の精神的健康に影響を与える。また、各患者を重大なリスクにさらすことにもなる」
パガーノ氏は、平均失血量1,000mLが一般的であり、結果としてヘモグロビン量が3g減少し、輸血が必要となるとしている。関節形成術時の輸血で治療費が10%~20%増え、入院期間も20%~25%延長する、と同氏は続けた。
パガーノ氏によると、失血を最小限に抑えるのに重要となるのは、手術上の考え方を見直して「最初に輸液を投与し、後で赤血球を投与する」ことだという。
同氏は「一般に我々に起こる術後臨床症状のほとんどは貧血によるもので、実のところ量の問題であって、赤血球の問題ではない」と話す。「輸血の必要性を示す従来の指標、すなわち低血圧・心拍数上昇・尿量減少は、ほぼ必ずと言っていいほど静脈内輸液にしか反応せず、大抵の場合は血液を必要とするものではない。患者のほとんどは、循環血液量が十分であれば、ヘモグロビン値が比較的低くても、高い安全性で機能する。ICU(集中治療室)総合データによると、患者の合併症率はヘモグロビン値が極めて低い場合(6g以下)に限って上昇する」
輸血の必要性ならびに失血を減少させる別の手段は、トラネキサム酸またはアミノカプロン酸などの抗線溶薬を用いることである。これら2剤は、入手しやすく安価で、心臓手術・歯科口腔手術・扁桃摘出術に長く使用されてきた経緯もある、とパガーノ氏は話す。人工膝関節または人工股関節の全置換術を施行する患者を対象とした多数例研究により、トラネキサム酸には失血と輸血を減少させる能力のあることが証明されているため、同氏はこれら2剤のうちトラネキサム酸を推奨している。トラネキサム酸には深部静脈血栓症や肺塞栓症における発症率上昇との関連はみられない。1グラム当たり60ドルかかり、ヨーロッパの10分の1の金額である、とパガーノ氏は述べている。
「同剤はプラスミノーゲン活性化によるプラスミン転換を抑制することによって作用し、フィブリン分解を阻止する」と同氏は続けた。
同氏の施設では、術前の予防的抗生物質投与時、患者にトラネキサム酸1gと生理食塩水50mLの合剤を静脈内投与するとともに、創傷閉鎖時にも別途トラネキサム酸1gと生理食塩水50mLの合剤を投与する。また、同氏は術前貯血やヘモグロビンのスクリーニングも必要としない。同氏は、最近心臓のステント術を受けた患者にはトラネキサム酸を使用しないようアドバイスしている。
パガーノ氏は「輸血が限定的となる場合、我々整形外科医にとってのメリットは、人工股関節置換術後または膝関節置換術後、全過程を通じて迅速に回復が進む患者集団に喜んでもらえる点である」と語った。
レニー・ブリサード(Renee Blisard)著
「この記事に関連するトヤマ堂取扱商品」
シクロカプロン(トランシーノジェネリック)500mg 100錠 (100錠) 4940 円
トラピック500(トランシーノジェネリック)500mg 10錠 (10錠) 2680 円
トランサミン(トラネキサム酸)500mg 50錠 (50錠) 1890 円
プロトップ・アイレスキュー(ノブヒアル・バイオテック・ジー/ユニスーズEG-28/ユニステロン Y-50/トラネキサム酸)(2mL×8本) (2mL×8本) 16200 円