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2013-12-16
ソース(記事原文):ニュース・メディカル
進行性非小細胞肺がんに対するエルロチニブ「発疹発現用量」戦略は有効
ニュース・メディカル(2013年12月16日) ― シニア・メドワイヤニュース・レポーター、ジョアンナ・ライフォード(Joanna Lyford)著
進行性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者に対し1次治療としてエルロチニブを使用した場合の全生存期間は、化学療法を施行した場合と同程度である。「オールカマー(患者から参加の同意を得ており、選択基準を設けない)」第II相試験で明らかにされた。
これまで、発疹の発現は生存期間の改善と関連することや、「発疹発現まで投与する」戦略の実現は臨床的に可能なことが示唆されていたが、今回の試験はこれらも裏付けた。
「米国東海岸癌臨床試験グループの研究(Eastern Cooperative Oncology Group Study)」に登録したのは未治療のNSCLCステージIII BまたはIVの患者137人で、選択基準は設けなかった。患者らはエルロチニブを1日1回150 mgから始める治療を受け、グレード2の発疹またはその他の用量制限毒性が現れるまで、2週間ごとに25 mgずつ増量して最高250 mgまでとした。
患者にグレード2の耐えられる発疹が発現したら、その時点での用量を維持してそれ以上の漸増は試みず、反対に何らかの副作用に耐えられなくなった場合は25 mgずつ減量した。
計124人の患者が治療をやり遂げ、最終解析の対象となった。
『ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・キャンサー(European Journal of Cancer)』に、ジュリー・ブレイマー(Julie Brahmer)(米メリーランド州ボルチモア、ジョンズ・ホプキンス大学シドニー・キンメル総合がんセンター)と共同研究者らが行った報告によると、1次治療としてのエルロチニブは忍容性が良好であり、毒性のため治療を中止したのは患者の24.2%、治療拒否は8.1%だけだったという。
2例(1%)は治療関連の有害事象(間質性肺炎と肺浸潤)により死亡した。グレード1または2の有害事象で最も多かったのが発疹であり、患者の70%に認められた一方、グレード3で多かった有害事象は発疹、疲労、下痢であり、それぞれ患者の10%に認められた。
「グレード2の発疹が発現するまで用量を段階的に増やしても、すべての患者に発疹が発現したわけではなかった」と、ブレイマーらは述べる。
有効性については、患者の奏効率と生存期間は他のエルロチニブ臨床試験のものと矛盾しなかった。全体では客観的奏効が患者の6.5%、完全奏効は1.6%、安定は34.7%で、病勢コントロール率は41.1%だった。
増悪までの期間中央値は3.3カ月、全生存期間中央値は7.7カ月であった。
興味深いことに、グレード2またはそれ以上の発疹が発現した患者は、そうでない患者と比べて奏効率または病勢コントロール率が優れていたわけではなかった。しかし全生存期間は有意に優れており、平均で6.8カ月長かった。
研究者らによると、今回の結果から、選択基準を設けない患者集団における1次治療としてのエルロチニブの有効性は、化学療法の場合と同程度と考えられるという。さらに、「耐えられる発疹の発現までエルロチニブを150 mgから段階的に増量するのは、実現可能であった」。
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