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2011-12-10
ソース(記事原文):USニューズ・アンド・ワールド・リポート誌
肺血栓後に低用量のアスピリンを投与すると再発が予防できる可能性
USニューズ・アンド・ワールド・リポート誌(2011年12月10日)― 強力な抗凝固薬での治療を終えた患者への有益性が研究で明らかとなる
危険な肺血栓に対する強力な抗凝固薬の投与後、患者に低用量のアスピリンを投与することで、血栓の再発する確率が低下する可能性のあることが、新たな研究によって明らかにされた。
問題になっている血栓とは、静脈血栓塞栓症(VTE)のことである。具体的には深部静脈血栓症として知られる脚の血栓と、速脈や、息切れ、胸痛のほか、時に死亡の原因ともなりうる肺の血栓(肺塞栓症)が含まれる。
静脈血栓塞栓症患者には一般にワルファリン(クマジン)などの抗凝固薬が投与される。この薬は静脈内において将来起こりうる血栓を予防したり、既存の血栓を溶解したりするのに役立つものである。しかし、本研究の背景にある情報によれば、この治療の完了から2年以内に、静脈血栓塞栓症患者の約15~20%に血栓の再発がみられる。
ワルファリンなどの強力な薬剤による抗凝固の延長治療は、再発を予防する一方で、出血のリスクを高める。したがって、静脈血栓塞栓症患者における血栓の再発に対する代替治療として、アスピリンの延長使用が提唱されているが、これについては議論がある。というのも、アスピリンは一般に静脈ではなく動脈の血栓を予防するのに使用されるものであり、静脈血栓塞栓症に対するアスピリンの有効性についての研究でも一定の評価が得られていない。
今回の新研究では、ワルファリンによる6~12ヵ月間の初期治療後に、低用量アスピリン(100mg/日)を2年間投与することにより、静脈血栓塞栓症患者において血栓の再発が予防されるのかどうかについて検討された。患者はアスピリン治療の完了後、最長3年間にわたり追跡調査された。
イタリアの研究者らの報告では、血栓の再発はアスピリン投与群で205人中28人にみられ、プラセボ群では197人中43人で認められ、それぞれ患者・年あたり6.6%対11.2%であった。
大出血が各群で1人ずつに発生し、重大ではない出血の発生率は両群で同程度であった。
本研究はサンディエゴで開催された米国血液学会(ASH)年次総会で土曜日に発表が予定されていた。
主著者でペルジャ大学(University of Perugia)内科・循環器内科・脳卒中部門(Internal and Cardiovascular Medicine and Stroke Unit)の内科学助教セシリア・ベカチニ(Cecilia Becattini)博士は、「静脈血栓塞栓症患者にアスピリンを投与することに有益性があるのかについては、かなり議論されている」とASH総会の報道会見で語った。「今回の研究では、大半の薬箱に常備されている安価で一般的なアスピリンが、静脈血栓塞栓症に対する延長療法のための経口抗凝固薬の代替として有効であることを明らかにしている」
この新たな結果は専門家らによって支持された。
ニューヨーク市のマウントシナイ医療センター(Mount Sinai Medical Center)循環器画像診断責任者ロバート・ルックスタイン(Robert Lookstein)博士は、「静脈血栓塞栓症の再発率を低下させる長期的ワルファリンの代替薬として安全かつ有効であることを示す極めて重要な試験である」と述べるとともに、「1日1回のアスピリンのようなシンプルな薬物療法が、深部静脈血栓症の再発リスクを安全に低下させ、重篤な結果に至らないよう患者を防御することが本試験から示されている」と補足した。
一方、別の専門家は重要な注意を促した。ニューヨーク市のニューヨーク大学ランゴン医療センター(NYU Langone Medical Center)血管外科グレン・ジャコボウィッツ(Glenn Jacobowitz)博士は、「静脈血栓塞栓症に対する初期治療であるヘパリンまたはワルファリン抗凝固療法に代わるものではないことを強調すべきである。自分の診療では、静脈血栓塞栓症に対するワルファリン抗凝固療法が完了した後に、推奨される低用量のアスピリンを考慮するであろう。静脈血栓塞栓症に対する標準的な6~12ヵ月間のワルファリン抗凝固療法を完了した後、生涯服用することになる低用量のアスピリンへの切り替えに関して、患者が担当医に尋ねることが望ましい」と述べた。
年次総会で発表されたデータは、査読済み医学誌に掲載されるまで、予備段階のものであると考えるべきである。
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