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2014-08-26
ソース（記事原文）：USニュース・ヘルス
研究：ワルファリンに代わりにアスピリンが深部静脈血栓に有効な可能性
USニュース・ヘルス（2014年8月26日） ― （ヘルスディ・ニュース: HealthDay News） - オーストラリアの研究者らによると、アスピリンは、脚の深部静脈に血栓があるが抗凝血剤の長期使用に耐性がない患者の代替薬となる可能性がある。
深部静脈血栓症（DVT）と呼ばれる症状では、血栓が肺に飛んで肺動脈を閉塞すると、生命に関わる可能性がある。患者は通常、血栓形成を防止するためにワルファリンなどの抗凝血剤を処方されている、と研究者らは指摘した。
「下肢静脈の血栓や、血栓が血流を閉塞する塞栓症の患者はほとんど、少なくとも最初の6ヶ月間、血栓を溶解し再発を防止するためワルファリンなどの抗凝固薬治療を受ける」と主任研究者のシドニー大学(University of Sydney)医学部教授ジョン・サイムズ(John Simes)博士は言った。
しかし、ワルファリン（クーマディン）の長期使用は、頻繁な血液検査や投与量の調整が必要で不便な場合がある、とサイムズ博士。
プラダキサ（ダビガトラン）やザレルト（リバロキサバン）などの新薬は有用であり、頻繁な血液検査を必要としない。しかし、サイムズによるとこのような薬は高価で、耐性がない患者も存在する。
「さらに、この治療薬で出血が起こる患者もおり、リスクが増大する。その結果、多くの患者が一定期間後にこのような薬を継続しないことを選択する」と博士。
サーキュレーション(Circulation)誌8月25日オンライン版で発表された本研究は、毎日のアスピリンが、無治療と比較して、過度の出血を引き起こすことなく別の血栓ができるリスクを軽減することを示している、とサイムズ博士は説明した。
具体的には、研究者らは、毎日アスピリンを服用した患者は、偽薬を服用した患者に比べて血栓発現リスクが42％低減したことを見出した。
「これは、個人的な好み、抗凝固剤の副作用、費用など、どのような理由であれ長期的に抗凝固薬を服用することができない患者にとって、特に重要である」とサイムズは述べた。
抗凝血剤を使用しなければ、深部静脈血栓症患者が最初の1年以内に再発性血栓を発症するリスクは10％であり、その後毎年5％のリスクがある、と研究者らは言う。
ロサンゼルスのカリフォルニア大学(University of California, Los Angeles,)の心臓学教授および米国心臓協会(American Heart Association)のスポークスマンであるグレッグ・フォナロー(Gregg Fonarow)博士は、患者は、この研究に基づいてアスピリンに切り替えることができると考えるべきではないと警告した。
「アスピリンは、ワルファリンや新しい経口抗凝血剤で実証されているよりも、治療効果が有意に小さい」とフォナロー博士。「ワルファリンや新しい経口抗凝血剤の臨床試験では、血栓が80～90％減少したことが実証されている」とフォナロー。
アスピリンはこれらの薬の適切な代替薬ではない、とフォナロー博士は言った。
スザンヌ・ステインバウム(Suzanne Steinbaum)博士は、ニューヨーク市のレノックス・ヒル病院(Lenox Hill Hospital)の予防心臓病専門医であるが、もっと積極的な姿勢を示した。「DVTのために抗凝固薬を服用できない患者にとって、アスピリンは可能な代替薬かもしれない」とステインバウム博士は言った。
他の抗凝血剤よりも効果が低いが、アスピリンは「少なくともある程度予防効果があり、他に選択肢がないDVTの患者の場合には、アスピリンは確かに有益である」と博士は言った。
この研究のため、研究者らは、少なくとも2年間毎日アスピリン100mgを服用した患者1,224人を含む2つの試験の結果を分析した。
さらに詳しい情報
深部静脈血栓症の詳細については、米国立心肺血液研究所(U.S. National Heart, Lung, and Blood Institute)のサイトを参照すること
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