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2014-07-09
ソース(記事原文):ヘルス.com
乳癌治療薬が一部の女性の妊娠にどう役立つのか
ヘルス.com(2014年7月9日) ― スティーブン・レンベール(Steven Reinberg)
(ヘルスデー・ニュース) - 多嚢胞性卵巣症候群の女性患者は、現在の推奨薬の代わりに乳癌治療薬を服用することで、妊娠確率を高められることが、新たな研究で示唆されている。
多嚢胞性卵巣症候群は、米国における女性不妊症の最も一般的な原因であり、正常値よりも高いアンドロゲン(男性ホルモン)値や、希発月経、卵巣内の小嚢胞を引き起こすものである。本試験の背景情報によれば、妊娠可能年齢女性の5~10%に同症状が認められる。
現在、多嚢胞性卵巣症候群患者の受胎能を促進する目的でクロミフェン(クロミッド)が一般的に処方されている。しかし、新たな試験結果から、レトロゾール(フェマーラ)の方が、排卵、受胎、出生率において優れていることが示唆される。
主任研究者であるペンシルベニア州ハーシーのペンシルベニア州立大学医学部(Penn State University’s College of Medicine)産婦人科教授リチャード・ルグロ(Richard Legro)博士は「多嚢胞性卵巣症候群に対する比較的安全で有効性の一層高い簡便な治療法が見つかった」と述べている。
ルグロ氏は、排卵誘発剤クロミフェンは長年にわたり標準治療とされてきたが、多子出産率が高いとしている。
閉経後女性用の乳癌治療薬レトロゾールは、エストロゲンの産生を阻害し、卵巣にこのホルモン産生量を増やすよう仕向ける、と同氏は説明している。
本試験は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)から財政的援助を受け、医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(New England Journal of Medicine)7月10日号に掲載された。
5サイクル投与後に受胎したのは、レトロゾール投与群で約28%であったのに対し、クロミフェン投与群では約19%であったことが分かった。
また、試験結果によると、レトロゾール投与群(約3%)の方が、クロミフェン投与群(約7%)よりも双胎妊娠が少なかった。
ルグロ氏は「クロミフェンの負けだと考えられる」としている。「出生率における40%の改善率は大きな差である」
同氏によれば、レトロゾールが、他の薬剤よりも多くの先天性欠損を引き起こすのかどうかは分かっていない。「先天性欠損の発生率が実際に低値であること(不妊集団で見込まれる数値よりも低いこと)を示すために別の試験を実施する必要がある」と同氏は述べている。
レトロゾールはジェネリック医薬品(ノーブランド)なので比較的安価である。ルグロ氏によると、30錠入りが約56ドル(約6千円前後)、クロミフェンとほぼ同額である。「不妊治療薬としては手ごろな価格である」と補足した。
ニューヨーク州マンハセットにあるノースショアLIJヘルスシステム(North Shore-LIJ Health System)に所属する不妊症専門医アブネル・ヘルシュラグ(Avner Hershlag)氏は、今回の新たな研究はこれまでの観察結果を裏付けるものであるとしている。本結果から、レトロゾールが多嚢胞性卵巣患者に適切であるというだけでなく、生児出生率および排卵率を高めることに関連していることも明らかである、と同氏は述べている。
ヘルシュラグ氏によると、自らはレトロゾールとクロミフェンの両方を処方しているという。「どちらを使用するかの決定は、保険適用範囲や自己負担額をはじめとする複数の要因によって左右される」と続けた。
本試験において、ルグロ氏のチームは多嚢胞性卵巣症候群患者750人をクロミフェン投与群とレトロゾール投与群のいずれかに無作為に割り付けた。5回の月経周期にわたり周期ごとに増量した用量を投与した。
全体の排卵率は、レトロゾール(62%)の方が、クロミフェン(48%)よりも高かった。
クロミフェンはホットフラッシュ(ほてり)に関連した一方で、レトロゾール使用者の一部は疲労や眩暈を報告した。ルグロ氏によれば、両剤とも、先天性欠損は稀であり、発生率も同程度であった。これは治療せずに妊娠した女性を対象とした試験で認められたのと変わらなかった。
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