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2013-05-31

ソース(記事原文):腎臓・泌尿器学ニュース

セベラマー投与が透析患者の死亡リスクを低下

腎臓・泌尿器学ニュース(2013年5月31日)― ジョディ・チャルナウ(Jody A. Charnow)著

血液透析患者に対する炭酸カルシウムではなくセベラマー(高リン血症治療薬)投与によるリン酸塩のコントロールが、心血管系による死亡率および総死亡率(全原因による死亡率)リスクを有意に低下することが、データで示唆された。

血液透析患者466人を対象に、この2種類のリン吸着薬のうちのいずれかを投与する群に無作為に割り付け、24ヵ月間の非盲検試験を実施したところ、不整脈による死亡がセベラマー投与群232人中2人で起きたのに対し、炭酸カルシウム投与群では234人中27人であった。補正後の解析において、セベラマー治療は、不整脈による死亡リスクを、炭酸カルシウム治療の10倍以上有意に減少させた。この結果はイタリアのアベリノ(ソロフラ市)にあるランドルフィ病院(A.Landolfi Hospital)のビアギオ・ディ・イオリオ(Biagio Di Iorio)博士らによって米国腎臓学会誌(American Journal of Kidney Diseases)オンライン先行版で報告された。炭酸カルシウムと比較し、セベラマーは心血管系関連の死亡リスクを有意に10倍減少させることと、総死亡リスクを77%有意に低下させることに関連した。ただし、心血管系以外の死亡率低下には関連しなかった。

試験開始前の時点で、被験者466人のうち328人(70.4%)に冠動脈石灰化(CAC)が認められた。セベラマー群の患者は、炭酸カルシウム群よりもCAC(冠動脈石灰化)スコア中央値が低かった(19対30)。

セベラマー群は炭酸カルシウム群よりも平均血清リン値が高かった(5.6 mg/dL対4.8mg/dL)。

セベラマー群は、炭酸カルシウム群と比較して試験期間中におけるリン値のコントロールに優れており、リン値は試験開始前5.6mg/dLであったのが、24ヵ月目に4.2mg/dLまで低下し、1.4 mg/dLの有意な減少がみられた。一方、炭酸カルシウム群では試験開始前および24ヵ月目のリン値が4.8mg/dLであった。試験開始前から24ヵ月目まで、セベラマー群では血清カルシウム値が8.9mg/dLから8.2mg/dLへ有意に低下した一方、炭酸カルシウム群では8.8mg/dLから9.6mg/dLへ上昇した。

著者らは、セベラマー群の治療成績の方が優れているのは、カルシウム量の減少によるものではなく、リン酸塩のコントロールに優れているためであると考えられると指摘した。

「今回の試験は既発表の先行試験とは重要な点で異なっており、具体的には大規模試験であること、困難な患者中心の転帰を評価していること、大幅に長期化することにより完全性を著しく向上させた追跡調査を達成していることが挙げられる」と著者らは指摘している。


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