ダイアモックス250mgは、炭酸脱水酵素抑制剤と呼ばれる体内の余分な水分を取る薬で、主に緑内障の治療薬として用いられています。
緑内障とは、眼房にある房水の産生と排泄のバランスが崩れ眼内圧が上がり、視野欠損を生じる病気のことで眼痛や疼痛さを伴います。
最悪の場合は失明に至り、現在日本における失明原因のトップとされています。
一般的に中高年に多い疾患であり、40歳以上では20人に1人、70歳以上では10人に1人が罹患しているといわれています。
眼圧とは眼球内を満たしている液体である房水の圧力を指します。
房水とは目の中を循環している液体で眼球内の毛様体と言う部位で産生され、虹彩と角膜の間の隅角から眼外に流出します。
眼球は房水の循環によって一定の圧力を保っていますが。この防水流出が何らかの原因で妨害されてしまうと、眼圧が上昇し、視神経が障害を受けやすくなります。
通常、眼圧(眼球の硬さ)が上昇すると視神経(物を見る時に使用される神経)が圧迫を受け視力を低下させると言われています。
基本的に、一度喪失した視野は回復する事が無く、現在の所失った視力を取り戻す方法は無い為、失明の原因となります。
緑内障の主な種類には、「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」があります。
「開放隅角緑内障」は隅角における房水の排出部分である繊維柱体が詰まることによって発症します。
慢性緑内障とも言われ、自覚症状が全くないか、極わずかであるため、本人の気がつかないうちに発病、進行するのが特徴で、緑内障患者の約9割に該当します。
一方、「閉塞隅角緑内障」は眼球の形や加齢変化によって隅角が虹彩によって塞がれることによって発症します。
時には虹彩と隅角が癒着してしまい、房水の流れが完全に遮断することによる眼圧の急激な上昇によって急性緑内障を生じる場合もあります。
急性緑内障を生じると眼痛、視力低下、頭痛などのはっきりとした自覚症状が現れます。
急性緑内障は失明の恐れが大きい為一刻も早い治療が必要となります。
またその他の種類として、眼圧の上昇が無いのに典型的な緑内障の所見と症状を生ずる「正常眼圧緑内障」や、眼圧の上昇はあるが、緑内障の所見と症状がみられない「高眼圧症」と言う物があります。
現在、緑内障の基本治療は、「眼圧を下げる事」を主としています。
発症初期には点眼薬による治療が行われますが、視野欠損の程度により「内服薬・点滴療法・レザー手術・外科手術」いずれかの方法を選ぶ場合もあります。
視野欠損の進行具合と視神経障害の程度から判断し、外科的手術をする事も少なく無い状況です。
ダイアモックス250mgの有効成分・アセタゾラミドは、目・腎臓・脳などヒトの体内の様々な箇所に存在する水分と炭酸ガスの反応に関わる酵素・炭酸脱水酵素の働きを阻害する作用があります。
この作用により房水の生成に必要とされる炭酸水素の生成が抑制されるため、結果として、緑内障の原因となる房水の産生が減少し、眼圧を下げるのに効果を発揮するとされています。