以下の場合、セラプラム20mgを絶対に服用しないでください。
・セラプラム20mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を使用中あるいは使用中止後14日間以内の人
・ピモジドを使用中の人
・QT延長のある人(先天性QT延長症候群など): 心室頻拍、心電図QT間隔の過度な延長を起こすことがあります。
【慎重服用】
・著明な徐脈などの不整脈またはその既往歴のある人、QT延長を起こすことが知られている薬剤を使用中の人、うっ血性心不全、低カリウム血症の人: セラプラム20mg服用によりQTが延長する可能性がありあす。
・肝機能障害のある人: 臭化水素酸シタロプラムのクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがあります。
・高度の腎機能障害のある人: 臭化水素酸シタロプラムのクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがあります。
・自殺念慮または自殺企図の既往のある人、自殺念慮のある人: 自殺念慮、自殺企図が現れることがあります。
・躁うつ病の人: そう転、自殺企図が現れることがあります。
・脳の器質的障害または統合失調症の素因のある人: 精神症状が増悪することがあります。
・衝動性が高い併存障害を有する人: 精神症状が増悪することがあります。
・てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある人: けいれん発作を起こすことがあります。
・出血の危険性を高める薬剤を併用している人、出血傾向または出血性素因のある人: 出血傾向が増強するおそれがあります。
・高齢者・小児
【重要な基本的注意】
・うつ症状を呈する人は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような人は使用開始早期並びに使用量を変更する際には、状態および病態の変化を注意深く観察してください。
・不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽装、そう病などが現れることが報告されています。また因果関係は明らかではありませんが、これらの症状・行動を来たした症例において、基礎疾患の悪化または自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されています。状態および病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行なってください。
・自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる人に使用する場には、1回分の処方日数を最小限にとどめてください。
・家族などに自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性などの行動の変化および基礎疾患悪化が現れるリスクなどについて充分説明を行ない、医師と緊密に連絡を取り合うようにしてください。
・眠気、めまいなどが現れることがあるので、セラプラム20mgを服用中は、自動車の運転など危険を伴う機械を操作する際には充分注意してください。
・使用中止(突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯覚感、頭痛および悪心などが現れることが報告されています。服用を中止する場合には、突然の中止を避け、状態を観察しながら徐々に減量してください。
・セラプラム20mgの服用によりQT延長がみられていることから、心血管系障害を有する人はセラプラム20mgの服用を開始する前に心血管系の状態に注意を払ってください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
抗うつ剤の使用により、24歳以下の人で自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、セラプラム20mgの服用にあたっては、リスクとベネフィットを考慮してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・セラプラム20mgの使用量は必要最低限となるよう、慎重に観察しながら服用してください。
・肝機能障害のある人、高齢者、遺伝的にCYP2C19の活性が欠損していることが判明している人では、セラプラム20mgの血中濃度が上昇し、QT延長などの副作用が発現しやすいおそれがあるため、10mgを上限とすることが望ましいとされています。また服用に際しては、状態を注意深く観察し、慎重に服用してください。
【その他の注意】
・海外で実施された大うつ病性障害などの精神疾患を有する人を対象とした、臭化水素酸シタロプラムを含む複数の抗うつ剤の短期臨床試験の検討結果において、24歳以下の人では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤服用群で、そうでない人と比較して高かったとの報告があります。なお、25歳以上の人における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクは減少しました。
・主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤および三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を使用した人で、骨折のリスクが上昇したとの報告があります。
・海外で実施された臨床試験において、臭化水素酸シタロプラムを含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤が精子特性を変化させ、受精率に影響を与える可能性が報告されています。
高齢者での薬物動態試験で、血中濃度が高い傾向が認められているので、用量に留意して、状態を観察しながら慎重に服用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
妊娠末期に臭化水素酸シタロプラムあるいはほかのSSRI、SNRIを使用した妊婦から出生した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後に現れたとの報告があります。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調節障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、ふるえ、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されています。
海外の疫学調査において、妊娠中にシタロプラムを含むほかのSSRIを使用した妊婦から出生した新生児において、新生児遷延性肺高血圧症のリスクが増加したとの報告があります。このうち1つの調査では、妊娠34週以降に生まれた新生児における新生児遷延性肺高血圧症発生のリスク比は、妊娠早期の服用では2.4、妊娠早期および後期の服用では3.6でした。
授乳中の人は服用を避けることが望ましいとされていますが、やむを得ず服用する場合には授乳を避けてください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する有効性および安全性は確立していません。